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【時代のリーダー】三重野康・日本銀行総裁

「危機の番人」 破綻劇の修羅場を越え、揺れる金融に気骨の舵取り

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2009年3月9日(月)

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先行きが見通しにくい2009年。困難な時代には新しいリーダー像が生まれるはずだ。これまでも企業経営や政治に新しい時代を切り開いたリーダーがいた。そんな時代のリーダーを日経ビジネスが描いた当時の記事で振り返る。
(注)記事中の役職、略歴は掲載当時のものです。

* * *

1991年1月14日号より

 「通貨の番人」というよりも「危機管理の番人」--三重野康第26代日本銀行総裁はこう呼ぶのが相応しい。証券恐慌、安宅産業解体など、戦後日本経済の節目を襲った破綻劇に立ち会い、修羅場でらつ腕を振るった経歴からである。株高、地価高騰のバブル崩壊との巡り合わせには、宿命的なものがある。(文中敬称略)

(伊東 信行・日本経済新聞経済部次長)

三重野 康氏

三重野 康(みえの・やすし)氏
1924(大正13)年3月17日生まれ、大分県出身、66歳。47(昭和22)年東大法学部政治学科卒業、同年日本銀行入行。外国局業務課長、総務部企画課長、松本支店長、考査局考査役、人事部次長、総務部長などを歴任。75年営業局長、78年理事(78~79年大阪支店長)、84年副総裁を経て、89年12月17日第26代総裁に就任。

 「これから後が大事だから原因究明などをしっかりやってください、ということをはっきり申し上げました」

 昨年10月11日、定例記者会見で「磯田会長がわびに来た時、どんな話をしたのか」と質問され、三重野はこうきっぱり答えている。その週の日曜日(7日)に、住友銀行元支店長の融資不正仲介事件の責任を取って磯田一郎会長は突然の退陣表明をしていた。

 この日の会見では「長い金融緩和が続いた中で、株とか土地を媒体として資産、収益の量的拡大を最優先するというか、そういったものに目が行きがちで、(金融機関)本来の公共的性格がややなおざりにされているという風潮も一部にあったことは事実です」との感想も述べている。日銀として責任の一端を認めたとも受け取れる発言であり、「これから後が大事」という言葉は日銀自身にもはね返ってくる。

住銀磯田氏との深い因縁

 昨年は銀行に逆風が吹き荒れた年となった。とりわけ、暗い影を落としたのが、住友銀行の不祥事であり、磯田会長の退陣だった。

 磯田退陣に最もショックを受けたのは、三重野だったかもしれない。住友銀行の国内リテール(小口金融)中心の収益志向に拍車をかけたのは、1986年10月の旧平和相互銀行合併だった。磯田に平和相銀の救済を頼み込んだのが、当時副総裁の三重野であったことを仄聞しているだけに、その感を持たざるを得ないのだ。

 二人の因縁を考える時、安宅産業の危機を忘れることはできない。住友銀行が安宅問題で編成した特別チームのヘッドに就いたのが当時副頭取の磯田で、一方の三重野は営業局長だった。安宅危機が表面化した75年12月7日、主力取引銀行の住友、協和両行頭取が記者会見した同じ日、日曜日にもかかわらず日銀営業局長が異例の会見をして「関係銀行団は一致して安宅の信用保全に全力を挙げており、金融不安はない。日銀も信用保持のため全力を挙げる」と支援表明した。

 日銀OBで当時協和銀行頭取だった色部義明は「これが何よりありがたかった」と述懐している。安宅問題はその後、伊藤忠商事との合併に発展するが、最後まで難航したのが不良債権分担についての銀行間の調整だった。この決着の過程で大きな役割を果たしたのが三重野で、銀行を束ねる役割の営業局長が三重野だったことが信用不安を回避できた一因という声もある。

 日本経済が戦後数々遭遇した挫折や曲がり角で突出した破綻劇に、必ずといっていいほど幕引き役のひとりとして三重野が登場してきた。65年の証券不況では、山一証券救済の日銀特融を総務部企画課長として第一線で指揮し、営業局長時代には安宅のほか興人の倒産や永大産業の経営危機に、最近では副総裁時代に平和相銀や三光汽船問題の事態収拾でらつ腕を振るった。第26代日銀総裁となった今日、日本経済は株高や地価高騰といったバブルの崩壊に直面している。

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