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断念するか、期待するか

2009年3月13日(金)

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 私が通っているパソコンスクールでのこと。そこは各種資格を取れるスクールで、一クラス10名ばかりの生徒たちはパネルで区切られたデスクでそれぞれ、真剣な表情でパソコンと向き合っている。

 取り組む内容は各自異なり、ワードやエクセル、なにやらややこしそうな計算など、個々に難題に突き当たると講師にそのつど指導してもらうというシステムだ。

 ある日、ひとりの女性が難題を自力で乗り越えられず、講師に教えを仰いでいた。それがまたたく間に講師への苛立ちに変っていく様を、9人の生徒が聞くともなしに聞いていた。

 「なんでこうなるんでしょう?」

 途方に暮れながらデスクトップを睨みつけ、講師に問う女性の気持ちは私にもよく分かった。私もまたパソコンには「なんで?」の連続だったからだ。女性は続けた。

 「何がわからないかを一から説明するのは大変だから、先生、見て、判断してください」

 その気持ちもよく分かる。「ここがこうなって、ああ書いてあったからこうしたら、そこがそうなってしまって、肝心のここがこうならないで、とんでもない場所がこうなった・・・etc.」。なんてことは日常茶飯事だったからだ。それを一から説明するのは、髪の毛が逆立つほどイライラしている時には、確かに苦痛だった。

 女性の苛立ちはマックスに達したようだ。

 「ああ腹が立つ。この画面を見て、どこがおかしいのか先生なんだからわかるでしょ。私がわからないところがどこか、見てわからないんですか」

 そう言って机をバンと叩いた。その気持ちも本当によく理解できた。「私が何をわかっていないか、なぜわからないの?」は、私も人に教えを請いながら逆切れしたときによく使うフレーズだったからだ。

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「断念するか、期待するか」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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