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自己嫌悪できる才能

2009年4月10日(金)

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 今のように電話を自由自在に操れる人が普通の時代になってもなお、「いったいこの人は電話を何だと思っているのだろう」と、いぶかしく思うことが少なくない。留守番電話のメッセージの残し方ひとつでも、その人の仕事の力量を推し量ることができる。

 「お伝えしたいことがありますので、またお電話いたします」という留守電が、ある企業のいわば、“キャリアウーマン”から私の電話に残されていた。

 その瞬間、私のアドレナリンは上がった。

 私はこういった意味のない、せっかく留守電を聞いたのに何の用件も果たさないメッセージに、その手間と無駄にした時間に憤りを感じるタイプだ。

 翌日もその女性から「お伝えしたいことがあります」という留守電が入っていた。その翌日も、その翌々日も、その翌々々日も…。

 留守電に内容を残せないメッセージとはどんな用件だろう、と、いくつか考えた。

 まず、口頭で直接伝えなきゃいけないほどの重大事件か。例えば「倒産しました」とか「情報漏えいしてしまいました」とか。これだと留守電で侘びを済ませるには失礼だろう。

 過去、実際にあった例で、「お伝えしたいことがあります」としか留守電に入っていなかった証券会社からの用事を聞いてみると、「あなたの購入された株の会社が倒産しました」という悲痛なものがあった。聞きながら、こりゃ留守電で済ませられなかっただろう、と妙に合点したことがある。

 そこまで深刻でなくとも、とてつもなく長い用件の場合も考えられる。

 「実は弊社が担当しておりました件ですが、本社の方が方針を変えてしまい、そこで今回の件に若干変更の可能性が出てまいりまして、その変更点のご報告と、また、ご質問ならびにご要望などを拝聴いたしたく…」といった、相手との会話を必要とする種類のものか。

 いずれにせよ、込み入った内容なのだろう、と予測した。

 そしてその女性から電話があった。

「遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」」のバックナンバー

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「自己嫌悪できる才能」の著者

遙 洋子

遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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