• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

出でよ、新時代の「金ぴか」な偉人たち

山下亀三郎伝:19【エピローグ】

  • 山岡 淳一郎

バックナンバー

2009年5月18日(月)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

(イラスト:茂本ヒデキチ)

 大した学問もなく、商店奉公を経て石炭商売で身を起こし、船を持って、人生の激しい浮沈をくり返しながら「海運王」の座を射止めた山下亀三郎。昭和の大恐慌をくぐりぬけ、個人では日本最大の船主となった。

 その成功を、たぐい稀な人心掌握術や情報収集力、独特の勝負勘などで説明することも可能だろう。

 しかし、第一次大戦バブルで大儲けした船成金は山下ひとりではない。お茶屋遊びの帰りがけ、玄関先が暗いので札束を焼いて靴を探したような成金は、他にもたくさんいた。だが、そのほとんどは恐慌で露と消えた。サバイバルを遂げて、大成したのは山下ひとり、といっても過言ではない。

 何が、泡のような成金と山下を分かったのか?

成金炎上 昭和恐慌は警告する

図、『成金炎上』の主な人物とその相関図

※『成金炎上』の主な人物とその相関図はこちら

単行本、「成金炎上」

 「ニッポンの1929」。百年に一度の危機に、私たちは、かつて来た道を再び歩むのだろうか。そして、最後に生き残るのは誰なのか? 日経ビジネスオンラインで好評をいただいてきた本連載が、大幅に加筆、新たな書き下ろしとともに再構成され、単行本として発売されます。

 「国を背負って金を獲れ」と雄飛した成金たちの活躍と黄昏、昭和恐慌、そして戦争に至る道を、「金ぴか偉人伝」の金子直吉、山下亀三郎、そして三井財閥の大番頭、池田成彬(いけだしげあき)、政界で財政を取り仕切った井上準之助の四人を軸に描き出します。我々は昭和恐慌から何を学ぶべきなのか、ぜひご一読下さい。

 深く考え始めると、答えは、なかなか見つからない。ただ、ひとつ確実にいえるのは、力をつけてくるにつれて、山下は、目先の得失ではなく、大局に賭けたということだ。

 四面を海に囲まれた日本は船なしには国家が成り立たない。いったん船を動かす商売に手を出せば世界が相手となる。幾多の浮き沈みを経て、山下は、世界を相手に船商売をするからには「船は多ければ多いほどよい」との大局観に至っている。

泥亀が最後に明かした経営観

 言葉にすれば陳腐に聞こえるかもしれないが、これを実践するのは並大抵ではない。

 晩年、山下は「中央公論(1939年10月10日臨時増刊号)」に『戦争と海運』と題して、船商売の「40年の経験から得た第六感の感ずるところ」を綴っている。

 山下が残した文章のなかで、最も率直に経営観を明かしたものである。山下は記す。

「私は、海運などのごとく、世界中が市場であって、一国だけでどうにもならない仕事においては、船の数をたくさん持った方が勝ちであると思う。(中略)いやしくも船を廻す仕事をしようという者ならば、先が安いといって売って逃げるわけにはゆかない」

 もちろん多数の船を抱えれば、運賃・船価の下落の際に赤字が大きく膨らむ。

コメント1

「泥亀サバイバル~金ぴか偉人伝・2」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

人々が働きたいという会社になるには 「働きやすさ」と「働きがい」、この2つが必要だ。

川野 幸夫 ヤオコー会長