「遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」」

女の成功、男の自信

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2009年7月10日(金)

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 先日、スタジオにフリーアナウンサーの女性が挨拶に来た。20年ほど前に私と番組で一緒だった女性だ。今では仕事を続けながら子供もでき、すっかりいいお母さんアナウンサーになっていた。

 「今は、皆からおばさん、おばさん、と呼ばれて番組に出ています」と女性は言った。

 「そう呼ばれることを許したの?」と私は聞いた。

 「もうそう呼ばれて長いから…」と女性は複雑な表情で笑った。

 あるラジオ番組で私に、おばさん、と声をかけた出演者がいた。私はオンエア中は笑ってリアクションをしたが、CMに入るなりスタジオの会話が外に漏れないようにカフというレバーを下ろし「私をそう呼ぶのはやめてください」と真顔で言ったことがあった。

 相手の顔が一瞬だけこわばり、それから二度と私をおばさんと言うことはなくなった。

 職歴が増すと、女性は往々にしておばさん扱いされることが少なくない。それはいつもネガティブな意味合いで使われる。おばさんだからずうずうしい。おばさんだから知っているはずだ。おばさんのくせにブリっこするな。おばさんらしい発言だ。さすがおばさんetc…。

 年齢を重ねるにつれ、笑いを装ったそういう疎外のされ方が、働く女性から自信を奪っていく。

 女性のキャリアを揶揄することに対するノーは、“おばさん”へのノーなのだ。

 ある時、新地の高級クラブの70代のママと話をする機会があった。バリバリ現役で仕事をしている高齢女性には、企業ではなく新地で出会える。

 その女性はいつもみなぎる自信と活力に満ちていた。そのママのたかが半分くらいの年齢で、“おばさん”と職場で揶揄される女性の肩身の狭さとは大違いである。

 私は、ママの若い頃からの働き方を聞いた。どうやってのし上がったのか。なぜ今でもその成功が続いているのか。

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著者プロフィール

遙 洋子(はるか・ようこ)

遙 洋子

大阪府出身。タレント・エッセイスト。関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、その体験を綴った著書『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(ちくま文庫)を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。近著に『主婦たちのオーレ!』(筑摩書房)、『女ともだち』(法研)など。公式ウェブサイトはこちら



このコラムについて

遙 洋子の「男の勘違い、女のすれ違い」

時事問題を独自の視点で切り込むタレントでエッセイストの遙洋子氏が、男と女が食い違うワケをユニークな視点で解説していく。

【編集部から】
2010年4月から、遙洋子さんの新コラム「遙なるコンシェルジュ『男の悩み 女の嘆き』」が始まりました。こちらもご覧ください。

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