先日、スタジオにフリーアナウンサーの女性が挨拶に来た。20年ほど前に私と番組で一緒だった女性だ。今では仕事を続けながら子供もでき、すっかりいいお母さんアナウンサーになっていた。
「今は、皆からおばさん、おばさん、と呼ばれて番組に出ています」と女性は言った。
「そう呼ばれることを許したの?」と私は聞いた。
「もうそう呼ばれて長いから…」と女性は複雑な表情で笑った。
あるラジオ番組で私に、おばさん、と声をかけた出演者がいた。私はオンエア中は笑ってリアクションをしたが、CMに入るなりスタジオの会話が外に漏れないようにカフというレバーを下ろし「私をそう呼ぶのはやめてください」と真顔で言ったことがあった。
相手の顔が一瞬だけこわばり、それから二度と私をおばさんと言うことはなくなった。
職歴が増すと、女性は往々にしておばさん扱いされることが少なくない。それはいつもネガティブな意味合いで使われる。おばさんだからずうずうしい。おばさんだから知っているはずだ。おばさんのくせにブリっこするな。おばさんらしい発言だ。さすがおばさんetc…。
年齢を重ねるにつれ、笑いを装ったそういう疎外のされ方が、働く女性から自信を奪っていく。
女性のキャリアを揶揄することに対するノーは、“おばさん”へのノーなのだ。
ある時、新地の高級クラブの70代のママと話をする機会があった。バリバリ現役で仕事をしている高齢女性には、企業ではなく新地で出会える。
その女性はいつもみなぎる自信と活力に満ちていた。そのママのたかが半分くらいの年齢で、“おばさん”と職場で揶揄される女性の肩身の狭さとは大違いである。
私は、ママの若い頃からの働き方を聞いた。どうやってのし上がったのか。なぜ今でもその成功が続いているのか。
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