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きちんと評価されるために、この値段が必要だった

最高級のコーヒーを作る男、Mi Cafeto代表取締役 川島良彰

  • 酒井 香代

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2009年7月17日(金)

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 2007年の年明け早々、UCC上島珈琲が、100グラム7000円というコーヒーの発売をプレス発表した。そのコーヒーの名は、「ブルボン・ポワントゥ」。およそ200年間、忘れ去られていた幻のコーヒーの復活だった。

 この高価なコーヒー豆が育てられたのは、ブルーマウンテン(ジャマイカ)のあるカリブ海でも、キリマンジャロ(エチオピア)のあるアフリカ大陸でもない。世界のコーヒー栽培史にとって重要な役割を果たしたのは、インド洋に浮かぶ小さな島だ。

200年の眠りを目覚めさせた男

 ブルボン・ポワントゥのふるさとは、現在、レユニオン島と呼ばれる佐賀県ほどの大きさの小さな島である。アフリカ大陸の東に浮かぶ島国マダガスカルのさらに東に位置し、かつては「ブルボン島」と呼ばれていた。王朝の名前を冠することからも分かるように、この島は18世紀からフランス領となり、フランス革命後にレユニオン島と改名された。

 今では島の主産業はサトウキビ栽培だが、1730年代には、コーヒーの輸出が収益の中心で、大プランテーションが広がっていた。移植された「アラビカ種ティピカ」という品種のコーヒーの木は、この島で突然変異を起こし、ブルボン・ロンドとブルボン・ポワントゥと呼ばれる品種が誕生した。

 世界で生産されるコーヒーの約7割は、ストレートで飲用するアラビカ種で、約3割がインスタント用やブレンド用に加工されるカネフォラ種だ。

 現在、各国で栽培されるアラビカ種の70%以上は、ブルボン・ロンドを先祖とする。つまり栽培用コーヒーの半分のふるさとは、このレユニオン島ということになる。

 ブラジルのブルボン・サントスなど、メジャー品種へと種をつないだブルボン・ロンドに比べ、ブルボン・ポワントゥは、生産性が低いため、やがて栽培されなくなり、絶滅したとされてきた。文献に「先が尖った(フランス語でポワントゥ)形の豆を産し、非常に香り高い」という記録を残し200年もの間、眠りについていたのだ。

 この小さくて堅い、少し気難しい「眠り姫」を目覚めさせたのが、川島良彰である。当時、川島はサラリーマン。もちろん、人並みであるはずがない。

コーヒーの香りに育てられて

 川島良彰は、1956年に静岡市でコーヒー焙煎業を営む家の長男として生まれた。父親は、川島が生まれる3年前に、県庁職員を辞して独学で独立。自家焙煎の先駆けだった。

 時代は喫茶店全盛期。コーヒー焙煎業者の商売相手は喫茶店やレストランだ。しかし品質にこだわる父親は、むやみに価格交渉に走る客には「買わなくて結構」という頑固者で、事業はさほど大きくはならなかった。これを救ったのが、料亭から嫁いだ母親の提案だった。おいしいコーヒーを家庭で楽しみたい人もいるはずと、小売りを始めたのである。まだ一般家庭へのコーヒー豆販売などほとんどない時代、商売は順調に大きくなった。

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