先行きが見通しにくい2009年。困難な時代には新しいリーダー像が生まれるはずだ。これまでも企業経営や政治に新しい時代を切り開いたリーダーがいた。そんな時代のリーダーを日経ビジネスが描いた当時の記事で振り返る。
(注)記事中の役職、略歴は掲載当時のものです。
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2009年6月15日号より
「万年3番手」――。劣等感を抱えていた集団が変貌した。
コンビニ成長神話の限界がささやかれる中、成長性で競合を引き離す。
変えたのは、車座で酒を飲み、家族の話で笑いを取る“宴会社長”だった。
=文中敬称略(鈴木 裕美)
その男の行くところ、必ず笑いが巻き起こる。

1946年秋田県生まれ。山形大学を卒業後、70年伊藤忠商事に入社。畜産部長や関連会社プリマハム取締役を経て、2000年5月、ファミリーマート顧問。2002年3月から現職。文学全集を愛する読書家であり、かつては作家を目指す文学青年だった。(写真:山田 哲也)
今年4月上旬、2009年2月期の過去最高益を報告した決算会見もそうだった。ファミリーマート社長の上田準二は、生鮮売り場「ファミマフレッシュ」の可能性について聞かれ、まずはこう切り出した。
「ウチの家内もね、スーパーが安いからと言って、車で買いに行くんですけど、レシート見たらね、『安かったー!』って言って1万円くらい買ってくるんですねぇ。(でも)なんぼ食べ切ったかと。(結局)賞味期限切れはみーんな私のところへ来ますよ」
「賞味期限切れの食べ物を食べさせられている男」を自称し、苦笑いしてみせると、それまでメモを取る音が聞こえるばかりだった会場はどっと沸いた。上田は波が引くのを待って自身も笑いを引っ込めると、改めて真顔で言葉を継いだ。
「それを考えますとね、常に鮮度の高いものを欲しい時間帯に欲しい数量だけ買う。コンビニエンスストアに対するニーズ、使われ方、これをどんどんブラッシュアップしていけば、この厳しい競争環境の中でもコンビニはまだまだ強くなれるんじゃないかな」
コンビニ各社の先行きは厳しい。
昨年度こそ、たばこ自販機用カード「taspo(タスポ)」を持たない愛煙家が殺到し、業績を大きく伸ばした。業界で最大手のセブンイレブンと2位のローソン、3番手のファミリーマートとも、チェーン全店売上高、営業利益とも過去最高を更新している。
だが、タスポの所有者は年々増え、特需は消える。また、24時間営業の“コンビニ化”したスーパーが現れ、どこも競うように値下げに走っている。
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