「世界ブランドの日本人を追え クエスト 探求者たち」

ただの夢じゃない「宇宙エレベーター」

日本大学理工学部精密機械工学科 教授 青木義男

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2009年9月4日(金)

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 「地球は青かった」という言葉で知られるユーリー・ガガーリンによって世界初の宇宙飛行が実現し、半世紀近くの歳月が流れた。この夏は、宇宙開発機構(JAXA)の若田光一宇宙飛行士が4カ月半にもおよぶ宇宙滞在を果たし無事帰還したニュースも記憶に新しい。

 今や、世界では宇宙は、新しいビジネス市場として注目され、商業的な宇宙旅行の販売も始まっている。

SFの世界の“乗り物”が現実に

 2009年7月現在、地上100キロメートル以上の宇宙空間を体験した人は、地球を回る軌道に入らない弾道飛行(準軌道飛行)を含めれば、500人を超えているという。

 これらの500人強の人が利用した乗り物は、もちろん、ロケットである。

 エレベーターで宇宙へ行こう。

 そう言われて、あっけにとられないのは、世界でもごく少数の人間に限られるだろう。

 SF作家アーサー・C・クラークの著作『楽園の泉』にも、宇宙エレベーターは登場する。クラークは、スタンリー・キューブリックが映画化した『2001年宇宙の旅』の作家であると紹介した方が、SFファン以外にはわかりやすいかもしれない。

 しかし、この夢のような話は、もはやフィクションから現実へと向かって着々と進行しているのだ。

 日本で宇宙エレベーターに取り組む中心人物のひとりが、日本大学理工学部の青木義男教授だ。

「アホなことを。そう人は言うかもしれない。でもアホなことも大切」と、青木教授はつぶやく。

「蜘蛛の糸」のイメージで宇宙へ

 エレベーターといっても、我々が一般的に考える建物の中に設置されたものとは違う。イメージとしては、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のように、天空から垂らされた糸を伝って昇る姿を想像した方が近い。

 では、どうやって糸を垂らすか。
 大ざっぱに言えば、人工衛星から垂らすのである。

 地球を回る人工衛星は、地球の重力で内側に引っ張られる。が、遠心力で外側に飛び出す力と釣り合うことで、高度を維持して地球の周りを回転し続けている。これまで世界で打ち上げられた人工衛星は6000個以上、現在も3000個が旋回中だ(JAXAホームページより)。

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著者プロフィール

酒井 香代(さかい・かよ)

エディター、ライター。
1985年 京都大学文学部(哲学科)美学美術史専攻卒業。広告制作・編集プロダクションにて大手航空会社機内誌(日本航空機内誌「ウインズ」)はじめ、企業誌を中心に編集・執筆をする。2000年よりフリーランスに。「クロワッサン」(マガジンハウス)や「ユーヴァレール」(企業誌)などの人物インタビューはじめ、「別冊太陽」の「気魄の人 横山大観」「ルノワール」「古代九州」などの執筆・編集に関わるなど、旅・酒・美術・建築などの取材を続けている



このコラムについて

世界ブランドの日本人を追え クエスト 探求者たち

世界を舞台に活躍し、世界を相手に勝負を挑む日本人たち――。中には、日本では無名であっても、欧米各国で唯一無二の存在として名を知られる日本人もいます。その姿を追うドキュメント番組、「クエスト〜探求者たち〜」がwowowで始まりました。このコラムでは番組と連動し、各分野で活躍する日本人の姿を文章で描いてきます

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