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電子書籍右往左往~「モリナガ・ヨウの『電気本』を作ってみた!」

2010年11月10日(水)

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 皆様、お求めになったiPad、持ち歩いていますか?
 あんなに自慢げに見せびらかしていた同僚が、すっかり静かになっていませんか?

 iPadの登場以後弊社も含め、電子書籍を巡る動きが活発化しています。メディアが何であろうとコンテンツの面白さがすべての基本。そして、新しいメディアに載ることで、旧来のコンテンツが新しい面白さを持つこともあります。その逆もしかり。

 一時の熱狂がちょっと落ち着いた今、改めて、電子書籍の行く末を考えるには、いいタイミングではないでしょうか。

 今回は、iPad発売直前直後の、超黎明期ならではの自由さ、ある意味いい加減さを利用して、作り手側の「個人」にとって、電子書籍がどういう意味を持つのかを、「実際にやってみる」ことで考えた、そんな事例をご紹介したいと思います。

 登場人物はこの方。一般的になじみがあまりないマニアックな題材を、素人に面白楽しく読ませて、しかも博覧強記のマニアの意表を突く、ひとり「タモリ倶楽部」のルポ・イラストレーター、モリナガ・ヨウさん。そして、美術展のカタログ・ポスターから大友克洋氏の豪華本まで手がけ、モリナガさんと長年ご一緒にお仕事をしているデザイナーの大岡寛典さん(サイトはこちら)。(編集Y@日経ビジネスアソシエ)

 お二人と、モリナガ・ヨウさんの奥様の三人は、2006年に発売された本『東京右往左往』の抜粋版を「電気本」として、iPad日本発売に合わせて今年(2010年)の6月1日から2週間に渡って無料で公開(リンクはこちら)。事実上告知はゼロながら、3000以上のダウンロードを記録しました。

 このインタビューは今年の6月16日に行われました。日々、新しい試みが行われるネットの上で公開されるにもかかわらず、編集Yの怠慢から公開が大幅に遅れてしまい、読者の皆様、ならびにお三方には本当に申し訳ありません。とはいえ、「電子書籍ならなんでもあり」の度合いが現在よりさらに強かった時期の実体験は、未来への切り口をいろいろ見せてくれます。

 iPadの特徴と親和性の高いコンテンツの作り方、イラストレーター、デザイナー、編集者の仕事が、これからどのように変わっていくか。読み手と作り手はどこまで近づけるのか。ご一緒に電子書籍の世界を“右往左往”してみませんか。(日経ビジネスアソシエ編集 Y)

*   *   *

東京右往左往』(大日本絵画)

Y 5月のアタマの頃でしたっけ、唐突にモリナガさんから電話があって、「『東京右往左往』をiPadで読むとめちゃくちゃおもしろいんですよ!」とものすごいテンションで。あの本は、東京の名所、とは言えないような場所(まだがらーんとしていたお台場、荒川水門、夏の蒲田…)を、モリナガさんと飯村チナさんがひたすら歩き回り、その場で体験したミクロなネタを超高密度に描き込んだイラストルポで、自分の愛読書でもありました。

 つまり、さんざん紙の本で読んだわけですよね。だから逆に「液晶画面で見たからって、何が変わるのよ」と、実は半信半疑で。

嘗めるように読んだ本が、iPadで全然別のものに!

画像をクリックすると動画をご覧いただけます。(WMV形式)

モリナガ・ヨウ 以下モ  で、「いや、それが描いた自分でも驚いたのですが、紙と『電気本』では、ぜんっぜん違うんですよ!」と。

Y 論より証拠で、ここで皆さんにも見て頂きましょう。まずこちらが、書籍のイメージ画像です。ごらんの通り細か~く書き込んでいるんですが…

 で、こっちが、このページをpdfにして、iPadで読んだときの動画ですね。

Y 荒川水門への堤防に沿って、自分が画面の中を散歩していくみたいに、絵を指で触りながらずるずるっと左に動いて、あれ、堤防の先端になにかあるよ、と、指先でピンチアウトしてぐいっと拡大してみると、おお、こんなところに人がいた! 画面を動かしながら読むことで、モリナガさん、飯村さんといっしょに「3人目の散歩者」として、東京の隅っこで右往左往しているような、不思議な面白さが立ち上がってくる。これは、視線の移動では味わえない、指で触るからこその楽しみ方だ、と、びっくりしました。

 …しかしまあ、この元原稿、よくもここまで描き込んだものですよね。

 当時はまだまだ若かったし、ヒマでしたから(笑)。背景の人物もマルチョンじゃなくて、ちゃんと人の形で描いてます。連載スタートが1997年と、ちょっと前の本なので、描いた本人も忘れていて「おお、こんなところにバードウォッチャーが」とか、驚いたりして。老眼になる前のモリナガはすごかった(笑)。あと、この荒川水門の回なんかは、視線が堤防の上をどんどん左へ進む構成になっているので、指でずるずると辿るのに向いているんでしょうね。

Y アップにしていると、この場面を撮っているレンズの先を追いかけてみたいな感じになりますよね。

モリナガさん奥様(以下 モ妻) 私、(夫の本は)読まないです。細かすぎて。

Y …そこがいいのに。しかし素人丸出しで申し訳ないですが、このiPadで読むときの面白さは、本で読むよりも「拡大」できるからこそですよね。ってことは、そもそもの原稿サイズより大きく見ているってことになりますか?

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「電子書籍右往左往~「モリナガ・ヨウの『電気本』を作ってみた!」」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師