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「集合知の限界」を「2択」で越えよう~就活も・仕事も・居酒屋も

「相対がストレスを生む、絶対は笑顔を生む」

2010年12月3日(金)

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 出張となれば「楽天トラベル」で宿を選び、飲みに行くなら「食べログ」、パソコン買うなら「カカクコム」、本だったら「アマゾン」。そして就職先を選ぶなら「みんなの就職活動日記」

(※上記はサイトの一例です。言うまでもありませんが、決して、お金をもらって名前を出しているわけではございません)

 画面に並ぶのは、似たり寄ったりの価格・性能・味・タイトル。どれにすべきか決めるときには、やっぱり体験した人、買った人の「★」の数。「これを買った人は…」のお勧め情報も見逃せない。

 私を含め、多くの人がこうして宿、飯、本、さらにはもっと大きな決断をしていると思います。いま見ているディスプレイを含め、世間は「情報」であふれている。どの情報が正しくて役に立つのか、どれを信じて行動すべきか、それを考えるだけで文字通り日が暮れる。

 そこで頼りにするのは他者の評価、いわゆる「集合知」なんだけど、これ、果たしてアテになるんでしょうか?

 そんな問題意識のもと、『盲導犬クイールの一生』から『図解でユカイ』まで幅広いジャンルの本を出している、著述家・編集者の石黒謙吾さんと茶飲み話をする中で出てきたのが、「あふれる情報」をどう泳ぎ切るかの思考法=『2択思考』。「★の数にダマされた!」と思ったことのあるあなた、こちらもお試しになってみては?

 (日経ビジネスアソシエ編集 Y)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Y 以前、『孤独のグルメ』の久住昌之さんと山田五郎さんの対談(「孤独な男どもよ、メシに『欲張りすぎるな!』」)で出た話なんですけど……。

画像のクリックで拡大表示

石黒謙吾(以下石)面白そうですね。20年前、山田五郎さんと同じ編集部にいたのですが、会議の発言がゆるいのにシャープで、本当に頭のいい人はこう考えるんだなといつも感心してました。あ、完全に余談ですね(笑)。

Y いえいえ(笑)。で、私が「これはおいしい!」と思った中国料理のお店が赤坂にあるんです。他ではなかなか食べられない味で、どれもおいしくて値段も納得。お誘いした方は間違いなく満足してくれるお店なんですね。そこでふと、某グルメサイトを開いてみたわけです。どんなに高評価かと。

 そうしたら、これが意外に評価が低い。食通らしき方が痛烈にやっつけていたりもする。

 ありそうですね。

Y だからクチコミサイトはアテにならない、なんて言いたいわけじゃないんです。ただ、もしネットでここを検索していたら、この安くておいしい店に行く機会はたぶんなかっただろうな、と思うんですよ。

 以前糸井重里さんとお会いしたときに「公開中の映画評のサイトを一生懸命見ているヒマに、たぶん1本見られるよね」という話をお聞きしたことがあります。つまり我々、集合知を使って時間のムダや機会の見逃しをなくそうとする人々は、実はものすごいムダや見逃しもしているんじゃないかと。

 そういうことの原因として「効率良くおいしい選択をしたい」という、ムシのいい、でも人間なんだからそりゃそうだという欲求がまずありますよね。

網羅と俯瞰は似ているけど違う

Y 分かっちゃいるけど、一度使ったらもうやめられない。ネットの登場で、誰でも極端に低いコストで情報発信と共有ができ、それを検索する技術が発達し、すかさず有効な情報にたどり着けるようなりましたからね。

 そうなんです。たしかに「網羅してピックアップ」は検索すればできる。しかし全体を「俯瞰してひと目で比較」できるわけではない。

 「情報の密度を極端に減らす」ことでネットの検索は可能になったが、ぶわーっといろんなものがすかさず目に飛び込んでくる感覚は得られません。クリック、スクロールではなく、1枚の世界地図を離れて見るような。画像検索もありますが、まだまだ基本は文字によって検索をスタートさせなければならないのも、俯瞰から遠ざかる要因ですよね。

Y 言われてみれば。動画や画像だって検索するときは、まず、文字を使わざるを得ない。

 当然ですけど、店のある街やそこの駅、入口の周囲の雰囲気や歩いている人、店内の照明とか、雑誌やサイトで紹介した人が文字化しきれていない情報は山のようにある。ネット上ではそういう「情報量の少ない情報」から順に目に飛び込んでくる。 ある1店舗だけみても「俯瞰」はできない。そこに自分なりの基準線、好み、趣味、尺度、を持たないまま飛び込んでも、焦るだけ、迷うだけです。

Y だからこそ、他人の実体験を頼りにしたくなる。それが「集合知」の利用ということですね。お店と利害関係がない人が勧めている店や商品、あるいは自分がいいと思う商品を購入した人が買うものは、きっと外れていないだろう、という。その集合知として、★印があったりする。

 大人数の評判というのはひとつの参考にはなるだろうし、お客さんからのフィードバックが効くことで、商売に緊張感が出る、などいいことも多いでしょう。でも、買う方の立場から言えば、世の中の大勢がどう感じたかと、それが自分と合うかはなんともいえませんよね。自分は全体の意見の中で少数派で、70対30の30側とか、99対1の1側かもしれない。

Y そう。レコメンドを読んで衝動買いした本が届いて「書店で実物を見ていたら、絶対に買わなかった…」と絶句したことは何度もあります。

 レコメンドとかレビューも、趣味趣向、好み、環境が違う人の書くことだったら、自分に当てはまる確立は当然低くなりますよね。

Y 自分勝手に補完して都合良く読んでしまうこともありますね。アイドルの写真が、弱点というか都合の悪いところはバレないポーズになってても気づかないような。

 グラビアなら自分にとって魅力的な姿だけ見られればそれでオッケーなんですが、買い物やお店だと自分がダイレクトに絡むので、それでは困りますよね。

自分は何が好きなのかを知る方法論とは

Y だから集合知がいかんとか、他人のレコメンドは当てにならんとか、足で稼ぐしかないとかそういう短絡的な話にすぐ行きたくなるんですが、なんといっても実際、自分自身が毎日、こうしたサイトを便利に使っているんですよね。ということは、たいていの場合は期待に応えてくれている。

 でも、情報量が足りないものだ、という大前提をつい忘れて、他人の価値観に無意識に頼って失敗するのもまた事実なんです。そこで、この大量の情報に、より上手に向き合うすべはないものか、と。

 それはやはり、自分にとって「いちばん魅力的なのは何か」「心地いいのは何か」を常に意識していくことだと思いますよ。言葉で説明できる形で。

Y …そこまではわりと簡単にみんなたどり着くと思うんですよ。でも、具体的にどうすれば、「自分は何が好きなのか」が分かり、説明できるようになるのか。そこが分からない。それさえ把握できれば、ムダに悩んだり、ハズレをつかむことも減るんでしょうけれど。

 その方法論はかんたんですよ。まず2つに分けるんです。そしてその選択プロセスをロジックに残す。定義付けする、ガイドラインを作成する、とも言っておきましょうか。

コメント1件コメント/レビュー

自分が、何が好きかを知っておくことは、誰の邪魔にもならないこと。無意識に選んでいるように思っているけど、どうしてそれにしたの?と自分に聞いてみたら、思わぬ価値基準が出てきて面白いだろうなーと思いました。なんで、そのメールすぐ返事しないの?とか…(笑)返事するのが嫌いなの?なんで嫌いなの?という問いかけが必要!?(2010/12/03)

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「「集合知の限界」を「2択」で越えよう~就活も・仕事も・居酒屋も」の著者

山中 浩之

山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

ビジネス誌、パソコン誌などを経て2012年3月から現職。仕事のモットーは「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”記事を書くことと、記事のタイトルを捻ること。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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自分が、何が好きかを知っておくことは、誰の邪魔にもならないこと。無意識に選んでいるように思っているけど、どうしてそれにしたの?と自分に聞いてみたら、思わぬ価値基準が出てきて面白いだろうなーと思いました。なんで、そのメールすぐ返事しないの?とか…(笑)返事するのが嫌いなの?なんで嫌いなの?という問いかけが必要!?(2010/12/03)

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井上 礼之 ダイキン工業会長