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[アーカイブ2001]アップルはなぜ失速したか

独自路線貫く弊害が露呈、消費者トレンド読み誤る

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2011年10月7日(金)

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2001年4月2日号より

 1997年に伝説の創業者スティーブ・ジョブズ氏が本格復帰して以来、「iMac(アイマック)」の大ヒットなどもあって復活したかに見えた米アップルコンピュータ。だが、2001年度第1四半期(2000年10~12月)は、3年ぶりに赤字転落。売上高はここ数年でピークだった前年同期比で57%減、出荷台数も65万9000台で同52%減と失速した。

 もっとも、変調を来しているパソコン関連企業はアップルだけではない。米国経済の減速を受け、インテルやシスコシステムズ、デルコンピュータといった優良・大手も相次ぎ業績を下方修正、人員削減に追い込まれている。デルと並ぶ直販大手のゲートウェイのように、個人消費冷え込みの直撃を受けて減収減益となった例もある。

 アップルの場合は、これら業界が共通して直面している外的要因に加え、独自路線を貫く同社ならではの課題をも抱えているだけに根は深い。華々しい復活劇の陰に隠れて目立たなかったが、この1年余りは製品開発の遅れが顕在化、市場ニーズの見誤りと相まって、商品力にも陰りが見られる。

 「ワールドワイドマーケティング」の旗印の下、各国の市場の実態を無視した製品企画や販売戦略の弊害も指摘されて久しい。その証拠に、伸びているはずの日本市場で同社は独り負けしている。マルチメディア総合研究所の調べによれば、2000年における国内のパソコン出荷台数は過去最高の1324万台と前年比32.1%増。その中でアップルは、前年4位から7位に台数シェアを落としている。

MPUの性能上がらず発売も遅れる

 製品開発面では超小型演算処理装置(MPU)の高速化で後れを取ったことと、次世代OS(基本ソフト)への移行が度重なる出荷延期のため、遅々として進まなかったのが痛い。アップルの主力製品であるマッキントッシュのMPUには、米IBMと米モトローラが共同開発した「パワーPC」という半導体が使われている。パワーPCには2つの製品ラインがあり、iMacやノート型の「iBook(アイブック)」のような一般消費者向け製品群には低価格で消費電力を抑えたIBM製MPU「パワーPC G3」が、パワーマックやパワーブックなどプロ向け機種には、演算性能に勝るモトローラ製MPU「パワーPC G4」が搭載されている。

 ところが、製造技術上の問題から、昨年いっぱいG4チップの処理能力が上がらず、MPUの性能を表す目安の1つである動作周波数は500メガ(1メガは 100万)ヘルツに止まったままだった。この間、ライバルのインテルは、主力製品である「ペンティアム」の動作周波数を一気に伸ばし、1ギガヘルツの壁を早々と突破している。

 皮肉なことに、IBMの新チップ開発は順調だったにもかかわらず、業務用製品の停滞がマーケティング上のネックとなり、一般消費者向け製品の性能も思うように上げられないという二重のジレンマに陥ってしまった。

 今年に入り、ようやくG4の高速化にメドが立ち、G3搭載機種と併せて製品ラインアップが底上げされたが、依然インテル系MPUを搭載したウィンドウズパソコンとの開きは大きい。

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