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木村 知史(きむら・ともふみ)

日経ビジネス副編集長兼日経ビジネスDigital編集長

木村 知史

1990年慶應義塾大学理工学部機械工学科修士課程卒業。修士論文のテーマは「セラミックスの研削温度」。学生時代は岡本工作機械製作所の平面研削盤と戯れる日々を過ごす。日本が世界に誇る工作機械技術に魅せられ、工作機械メーカーへの就職を夢見るも、景気をもろに受ける業界構造を不安視した親の大反対を受けて断念。日経BPに入社。日経メカニカル、日経デジタル・エンジニアリング、日経ものづくり、WebサイトのTech-On!編集を経て、2014年4月から現職。主に加工技術や生産管理、生産システムなどを担当してきた。
現在は、日経ビジネスDigitalの編集業務やアプリ開発、サイト運営をメインの業務とする一方で、製造業関連や中国関連の記事を日経ビジネスオンラインに執筆。中国語検定準4級。K-POPが好きで、4minuteのチョン・ジユン(Jeon Ji Yoon)が特に好き。

◇主な著書
プロフェッショナル・エンジニア ものづくりをリードする人びと』(日経BP) 2007
『ものづくりの教科書 強い工場のしくみ』(日経BP) 2006

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

キーパーソンに聞く

遠藤周作に30年寄り添った弟子に聞く「沈黙」

2017年1月31日(火)

「沈黙-サイレンス-」、絶賛公開中、配給:KADOKAWA、
(c) 2016 FM Films, LLC. All Rights Reserved.

 芥川賞を受賞するなど20世紀を代表する日本作家である遠藤周作。数ある作品の中でも、キリスト教が弾圧されていた時代の宣教師や信者への迫害を描いた「沈黙」は、多くの人の心をとらえ、遠藤文学の代表作として推す向きも少なくない。先日、文庫本の売り上げ部数は200万部を超えた。

 その「沈黙」が映画化された。しかし、日本映画として作られたのではない。「タクシードライバー」や「レイジング・ブル」などを代表作として持つアメリカ人監督のマーティン・スコセッシ氏がメガホンをとり、ハリウッド映画として作られた。昨年末に米国で公開され、日本でも1月に公開が始まった。

 残念ながらアカデミー賞の候補としては撮影賞のみのノミネートに留まったが、海外のメディアでも頻繁に取り上げられるなど、評価は高い。その作品を、遠藤周作の30年来の弟子が見たら、どのような感想を持つのか。著書に「遠藤周作」(慶應義塾大学出版会)や「遠藤周作 おどけと哀しみ――わが師との三十年」(文藝春秋)などを持つ作家の加藤宗哉氏に聞いた。

(本インタビューの内容には、「沈黙」のネタバレを含みますので、まだ作品をご覧でない方は、ご注意ください)

(聞き手は木村 知史)

映画「沈黙」が日本でも封切りになりました。長年、寄り添ってきた弟子として、今の率直な感想を聞かせてください。

加藤宗哉(かとう・むねや)
作家。1945(昭和20)年、東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。学生時代に雑誌「三田文學」で遠藤周作編集長と出会い、以後、三十年に及ぶ師弟関係を結ぶ。作家となったのち、1997年より2013年まで「三田文學」編集長をつとめる。現在は日本大学芸術学部・非常勤講師。著書に「遠藤周作」(慶應義塾大学出版会)、「遠藤周作 おどけと哀しみ――わが師との三十年」(文藝春秋)、「愛の錯覚 恋の誤り――ラ・ロシュフコオ「箴言」からの87章」(グラフ社)、「モーツァルトの妻」(PHP文庫)など。最新刊に「吉行淳之介――抽象の閃き」(慶應義塾大学出版会)がある。

加藤:本当に遠藤周作にこの映画を見せてあげたかったなー、というのが、まず一番の想いです。それだけ映画が素晴らしかった。

 映画化の話が先生の耳に入ったのは、今から26年前です。その時、私は先生にアメリカに行こうと誘われ、お伴しました。クリーブランドのジョン・キャロル大学から名誉博士号を受け、記念講演を依頼されたから一緒に遊びに行かないかということだったんです。

 その帰りに、ニューヨークに行く用事があるからというので、一緒に寄りました。実はそこで、マーティン・スコセッシ監督に会う約束ができていたんですね。私は会談には同席しなかったのですが、その直後に先生が、「今、スコセッシ監督に会ってきたんだ。どうやら『沈黙』を映画化したいらしいんだよ。うれしいね」と言っていたんです。

 その5年後に遠藤周作はなくなってしまいましたが、約束された映画化は、資金の問題や契約などのトラブルがあったらしく、今日に至ってしまった。ということもあって、先生はさぞ見たかったと思いますよ。しかもこの出来の良さですから。

私も映画を観ましたが、3時間近い大作があっという間に終わりました。

加藤:何よりも監督が作品を深く理解していたことに感動しました。今まで「沈黙」を論じた文芸評論というのはたくさんありますが、そのすべてに勝るのが今回の映画だと思います。「沈黙」という作品の真意を、これほど正確に見事にくみ取ったものは初めてでしょう。正直、映画の力はすごいと思いました。

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