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鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

ジャーナリスト、浄土宗僧侶

鵜飼 秀徳

1974(昭和49)年6月、京都市右京区生まれ。成城大学文芸学部マスコミュニケーション学科卒業。報知新聞社会部記者を経て、日経BP社に移籍。「日経ビジネス」記者、「日経おとなのOFF」副編集長などを歴任後、2018(平成30)年1月に独立。
一方、僧侶の顔も持つ。1994(平成6)年より浄土宗少僧都養成講座(全3期)に入行。1996(平成8)年に浄土宗伝宗伝戒道場(加行)を成満する。
主に「宗教と社会」をテーマに取材、執筆を続ける。テレビ・ラジオ出演や、大学や宗教界などでの講演も多い。
現在、浄土宗正覚寺(京都市右京区嵯峨)副住職、浄土宗総合研究所嘱託研究員、東京農業大学非常勤講師。

◇主な著書
寺院消滅――失われる「地方」と「宗教」』(日経BP) 2015
無葬社会――彷徨う遺体 変わる仏教』(日経BP) 2016
「霊魂」を探して』(KADOKAWA) 2018

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 専門は宗教社会学、死生学です。各地の寺院や神社などを回る生活をずっと続けています。ムラ社会の中における宗教の機能や、現代社会と宗教との関係性を明らかにするのが目的です。アニミズムやシャーマニズムの調査・研究も行っています。

 大学や宗門(浄土宗)に所属する研究者ではありますが、常にジャーナリストの目線を忘れないように様々な媒体、書籍などでアウトプットしていきたいと考えています。

 同時にライフワークにしているのが北方領土問題です。2012年、2013年、2015年には「ビザなし交流団」の一員として北方領土(択捉島・国後島・色丹島)を訪れました。

 現地は手つかずの美しい風土が残る一方で、近年インフラ整備が進んでいます。また、韓国企業が現地に進出し、土木工事に携わっている現状も見てきました。

 宗教と北方領土。一見、何の関係性もないように思えますが、実は大きな接点があります。それは、元島民らが北方領土を訪問できるのは「墓参」を目的としているからです。北方領土には現在、戦前の日本の建築物はほとんど残っていません。しかし、漢字で記された墓石はしっかりと残されている。墓は、そこが故郷であることの証明でもあるのです。

きょうの坊主めくり

野中広務お別れ会に見た変わりゆく葬送観

2018年6月18日(月)

京都を発信地として企業のことや京都人のモノの見方などを綴る

 突然であるが、ベストセラー本『京都ぎらい』(朝日新書)をお書きになった国際日本文化研究センター教授の井上章一先生は、私の母校である京都市立嵯峨小学校の、20期上の大先輩にあたる。本書の書き出しは「京都にはいやなところがある」である。

 京都人は自負心が強い。私は井上先生のこの言葉を、反語として捉えている。「京都にはいやなところがある。しかし、京都ほど素晴らしいところはない」

 私は今年4月、東京生活を終えて、京都にUターンした。大学進学時に上京し、新聞記者、雑誌記者を経てこの度、家族を連れて実家に戻ってきた。東京生活に疲れた、というのも正直なところではあるが、実は実家が寺で、寺の後継におさまる準備に入らねばならない。東京生活はそれなりに謳歌したが、ついに年貢の納め時、というわけだ。

 手前味噌ではあるが、自坊は恵まれた立地環境にある。世界遺産の天龍寺に隣接し、ちょうど、竹林のトンネルのすぐ脇にある。近隣には嵐山・渡月橋、大河内山荘、常寂光寺、落柿舎などの観光名所が点在している。

 しかし、ハッキリ言って、うちは大した寺ではない。

 檀家も少なく、拝観寺院でもない。お寺の世界には「肉山骨山」という呼び方がある。肉山とは、多くの檀家を抱え、また、納骨堂や不動産などで潤っている寺院を指す。いっぽうで骨山は、肉山とは対照的に、兼業していかねば食えない寺、ということになろう。うちの寺はもちろん、後者にあたる。

 それでも私が寺に戻る決心をしたのは、最期はこの麗しき京都の景観の中に埋もれたい、と考えたからだ。

 本コラムでは、ここ京都を発信地にして、京都の企業のことや京都人のモノの見方、歴史文化の話などを、仏教者+ジャーナリストの立場で綴っていきたいと思う(ネタに困った時は、若干、コンセプトから逸脱するかもしれないが、お許しいただきたい)。

 少し、私の専門分野について述べたい。

 私は2015年に上梓した『寺院消滅──失われる「地方」と「宗教」』(日経BP社)を皮切りに、これまで宗教と社会のかかわり、日本人の死生観の変化などのフィールドワーク調査と研究をしてきている。

 たとえば、日本に点在する寺院はどれだけあるだろう。よく例えられるのは、コンビニエンスストアの数との比較であるが、コンビニは5万5000店。寺は7万7000寺。寺のほうが2万以上も多いのは、意外かもしれない。

 しかしながら、その寺がどんどん「消滅」しているのである。2040年には全国の寺院のうち35%が消えてなくなるとの推計がある。理由は、都市への人口の流出、少子高齢化である。地方問題を論ずる時、実は寺の実情とダブらせるとわかりやすかったりする。

 今春からは東京農業大学の教壇に立つことにもなった。ここでは、「農業と仏教」というテーマで主に大学1年生を相手に、一般教養の授業を受け持っている。たとえば、いろんな作物の種は中国から僧侶が持ってきたり、農村のコミュニティーはムラの中の寺が中心であったり、各種祭りは農村の結束を強める要素も多分にあった。

 このように、仏教の視座を交えながら、現代社会におけるミクロ、マクロの問題をとらえていきたいと思う。

 では、本コラムの第1回目に入ろう。

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私自身もブラックベリーとともに育った人間。そんな会社がそのまま消滅するのを見たくなかった。

ジョン・チェン カナダ・ブラックベリーCEO