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鵜飼 秀徳(うかい・ひでのり)

日経おとなのOFF副編集長、浄土宗僧侶

鵜飼 秀徳

1974(昭和49)年6月、京都市右京区生まれ。成城大学文芸学部卒業後、報知新聞社に入社。事件、政治担当記者を経て2005年、日経BP社に中途入社。「日経ビジネス」記者などを歴任。2016年4月より「日経おとなのOFF」副編集長。事件、政治、経済、宗教、文化など幅広い取材分野の経験を生かし、企画型の記事を多数執筆。近年は北方領土問題に関心を持ち、3度現地に入り取材を実施している。 一方、浄土宗僧侶の顔も持つ。1994年より浄土宗少僧都養成講座(全3期)に入行。1996年に浄土宗伝宗伝戒道場(加行)を成満する。京都市右京区嵯峨にある正覚寺副住職。

◇主な著書
寺院消滅――失われる「地方」と「宗教」』(日経BP) 2015
無葬社会――彷徨う遺体 変わる仏教』(日経BP) 2016

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 海外に取材に出ることも多いですが、その中でもロシアは印象深い国の1つです。日本にとって、近くて、遠い国ロシア。それを身にしみて感じたのは、2012年と2013年に2度、「ビザなし交流団」の一員として北方領土(択捉島・色丹島)を訪れた時のことです。現地は手つかずの美しい風土が残る一方で、近年インフラ整備が進んでいます。また、韓国企業が現地に進出し、土木工事に携わっている現状も見てきました。ところが、日本はロシアとの間に領土問題を抱えており、現地に入ることすら許されていません。  その北方領土問題ですが、一進一退を繰り返しています。日露間で領土問題を解決し、平和条約が締結されれば、日本経済にも大きなインパクトを与えることは間違いないでしょう。

 2013年2月には旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発に入りました。放射能を封じ込めている「石棺」は崩壊寸前。私が訪れた翌日には大崩落があり、ヒヤリとしました。事故処理は、今後、100年以上続く見通し。汚染された町では、甲状腺ガンをはじめとする健康被害が報告されています。「福島」もチェルノブイリのケースに照らし合わせれば、今後様々な問題が起きることが想定されます。一方で法整備や移住問題などチェルノブイリに学ぶべき事も少なくありません。

  様々な面で今後、ロシアや旧ソ連諸国への注目度が上がっていくと予想します。

無葬社会――彷徨う遺体 変わる仏教

お寺やお布施は誰のためにある?

2017年3月31日(金)

かつてない多死社会を迎えている日本で、葬送はどう変わっていくのか。先月14日、東京・増上寺で行われたシンポジウム「多死社会と葬送」の最終回レポート。新刊『骸骨考』を出版するなど、遺骨や葬送に関しての造詣の深い養老孟司さん、浄土宗の僧侶でホームレス支援団体の事務局長を務める吉水岳彦さん、そして著者の鵜飼秀徳が名和清隆さんの司会のもと、人口減少と都市化が進む中で、寺はどんな役割を担っていくのかについて語った。

都市に集まる献体

左から、名和清隆さん(淨念寺副住職、浄土宗総合研究所研究員、亜細亜大学・淑徳大学講師)、鵜飼秀徳(京都・正覚寺副住職、日経おとなのOFF副編集長)、養老孟司さん(東京大学名誉教授)、吉水岳彦さん(ひとさじの会事務局長、光照院副住職)。写真は大高和康。

司会(名和清隆さん、以下、司会):吉水さんは、「ひとさじの会」というホームレス状態の方や生活困窮者の支援団体の事務局長をされていますね。路上生活者の葬儀や法要もしていらっしゃいます。

吉水岳彦さん(以下、吉水):きっかけは、貧しい人たちのためのお墓を建ててほしいという相談を受けたことです。ホームレス状態の人たちに話を聞いたら、俺たちはどうせ生きていたって野垂れ死になるか、無縁仏になるだけだと言います。そして、路上に出るまでに、いろいろな人とのつながりが切れてしまっているけれども、新たにつながった仲間と一緒の場所に死んだ後もいられると思えたら、もっと一生懸命に生きていけるんだと。そんな話を聞かせていただいて、これは僧侶の大切な役割だと教えられました。

 毎年お盆には、山谷や池袋などでホームレス状態の方も一般の方も一緒に集まって夏祭りを行い、そのなかで追悼法要も行っています。みんな真剣に手を合わせて、中には泣きながら、亡くなった方の名前を呼びながら手を合わせている方もいて、死を悼むという行為がお金の有無ではないことを強く意識させられました。

養老孟司さん(以下、養老):毎年供養するというのが大事な気がしますね。東大は始まって以来、伝統的に谷中の天王寺で、献体された方の慰霊祭を毎年やっています。

 ある時期には憲法違反だとか言われたこともありましたが、頑としてやっておりまして。今そこに千年塚が2つあって、引き取られた方以外は献体された方のお骨は全部お預かりして、記録も残すようにしています。これも1つの社会的なグループのお墓ですから、こういうものがこれから先あってもいいのではないかという気がしています。

司会:鵜飼さんの本で献体の数がものすごく増えていると紹介されていました。背景には、お墓や葬儀で子どもに迷惑を掛けたくない、そういったメンタリティーがもとになっているという指摘もあります。

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