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森岡 大地(もりおか・たいち)

日経トレンディ記者

森岡 大地

2006年東北大学大学院理学研究科天文学専攻修了、大学院在学時代は、遠方銀河の進化に関する研究に従事する。同年、日経ホーム出版(2008年に日経BPと合併)に入社。日経トレンディ編集部にて、記者・編集業務に携わる。2013年より日経ビジネス記者。2014年より現職。“イクメン”を目指し、仕事との両立に奮闘中。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 スマートフォンからデジタル一眼のシャッターを操作できるデバイス「SmartTrigger」(Cerevo)を買いました。カメラに専用ユニットをつなぎ、Bluetoothでスマホと接続。専用アプリからリモート撮影が行えます。面白いのが、「ジャンプ撮影」という機能。スマホの加速度センサーを使ってジャンプを検出し、その瞬間にシャッターを切る仕組みです。みんながジャンプしている集合写真なども簡単に撮れます。

 同製品は市販化にあたり、クラウドファンディングの仕組みを活用して資金調達が行されたのも面白いポイントです。

 クラウドファンディングとは、アイデアを持った「実行者」が、「支援者」を募って資金を得ることでアイデアを実現する仕組みです。SmartTriggerの場合は、当初の目標額の170%超が集まったため、量産が決定され、今年2月に一般販売がスタートしました。

 多くの場合、資金提供を行った支援者は、一定のリターンが得られます。SmartTriggerの例では、支援者はいち早く製品を手に入れることができました。

 クラウドファンディングは、ソーシャルメディアの普及に伴って、米国を中心に存在感を増しています。今回の例のような製品開発に加え、映画製作などでも活用されつつあります。リターンのない「寄付型」のプロジェクトもあり、今後も広がりを見せそうです。

ニュースを斬る

「テレパシー」や「フォース」が現実になる日

2014年6月2日(月)

 メガネチェーン「JINS」を展開するジェイアイエヌが発表した「JINS MEME(ミーム)」。一見普通のメガネだが、フレームに搭載した眼電位センサーで目の動きやまばたきを検知し、メガネをかけている人の眠気や疲労度などを計測できるウエアラブル端末だ。

 最近では、米グーグルの「グーグルグラス」のようなメガネ型や腕時計型など、様々なウエアラブル端末が開発されてはいるものの、普及のスピードは遅い。その原因として、慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科の稲見昌彦教授は「不気味の谷」の存在を指摘する。

 先進技術と人間との関わりに造詣が深い同教授に、ウエアラブル端末の歴史から現状、そして未来の可能性まで聞いた。

(聞き手は森岡大地=日経トレンディ編集部)

メガネやゴーグル型、腕時計型など、ウエアラブル端末が続々登場しています。

稲見 昌彦(いなみ・まさひこ)氏
慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授。1972年東京生まれ。1999 年東京大学大学院工学研究科博士課程修了。博士(工学)。米マサチューセッツ工科大学(MIT)コンピュータ科学・人工知能研究所客員科学者、電気通信大学知能機械工学科教授などを経て現職。ロボットやバーチャルリアリティーなど、インタラクティブ技術に関する研究に従事する(写真:大高和康)

稲見:ここ最近のトレンドのように思われがちですが、実はウエアラブルという概念の勃興は1945年にさかのぼります。同年7月、米国の科学研究開発局長官であるヴァネーバー・ブッシュは、米アトランティック誌に「As We May Think」と題した論文を発表。超小型カメラをメガネや頭部に取り付け、画像を記録し共有するというアイデアを提案しています。

 その後、ブッシュの孫弟子であるアイヴァン・サザランドが65年、世界で初めて頭部搭載型ディスプレー(HMD)の理論を提唱。68年には実際に実験室内での実験に成功しました。いわばこれが、米グーグルが開発中の「グーグルグラス」のようなメガネ型ウエアラブル端末の元祖と言えるでしょう。

歴史は意外に古いですね。

稲見:1960年代の米国は、2つのフロンティアに注目していました。1つは「宇宙」。そしてもう1つが、「サイバースペース」でした。サイバースペースを新たな空間として認知し、そこに没入するための技術の開発が始まったのです。

 アイヴァン・サザランドが活躍した60年代後半に続いて、時代が大きく動いたのが90年代の近辺です。89年には世界初の商用VR(バーチャルリアリティー)システム「RB2」を米VPLリサーチが開発。VRという言葉が一躍脚光を浴びました。

 また、マサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボの学生たちによって、小型・軽量のHMDシステムが登場したことで、ヴァネーバー・ブッシュが提唱した概念は、「ウエアラブルコンピューター」という新たな技術領域を確立することになりました。

5月に開催されたJINS MEMEの発表会でウエアラブル端末の歴史について講演する稲見教授

20年周期の技術革新

1990年代には既に、ある程度ウエアラブル端末の原型ができていた。

稲見:そうですね。60年代後半に提唱された概念が、90年代に現実のものとして飛躍しました。研究者の世代交代や技術の進歩を考えると、20年程度の周期で大きな革新が起きています。そう考えると2010年代である今は、進化の時かもしれません。

 実は今、従来は別々に研究が進んでいたウエアラブルコンピューターと、通信技術を活用したユビキタスコンピューティングの世界が融合を始めています。情報端末の小型化といったハード面の進化と、常時接続・高速通信といったネットワーク技術が融合。活用の幅が広がっています。実際、スマートフォンは昔のスーパーコンピューター並みの処理能力を持ち、高速通信まで一台でできます。数十年前からは到底考えられないことです。

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