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磯山 友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

磯山 友幸

ジャーナリスト。経済政策を中心に政・財・官を幅広く取材中。1962年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞で証券部記者、同部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め、2011年3月末で退社、独立。早稲田大学大学院非常勤講師、上智大学非常勤講師。静岡県アドバイザーも務める。著書に『国際会計基準戦争完結編』『ブランド王国スイスの秘密』(いずれも日経BP社)など。共著に『オリンパス症候群』(平凡社)、『株主の反乱』(日本経済新聞社)。

◇主な著書
国際会計基準戦争完結編』(日経BP) 2010
ブランド王国スイスの秘密』(日経BP) 2006

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

働き方の未来

どうなる「高度プロフェッショナル制」

2017年8月18日(金)

連合の神津里季生・会長は難しいかじ取りを迫られる(写真:毎日新聞社/アフロ)

残業時間の上限規制は労働組合の「悲願」

 安倍晋三首相が掲げる「働き方改革」が大きなヤマ場を迎える。秋の臨時国会で審議される見通しの労働基準法の改正案を巡って、与野党の攻防が予想されるからだ。

 焦点は大きく2つある。まずは3月末に政府の働き方改革実現会議(議長・安倍首相)がまとめた「働き方改革実行計画」の目玉である「時間外労働の上限規制」。もう1つは、2年以上にわたって審議さえされていない「高度プロフェッショナル制度」の導入である。

 高度プロフェッショナル制度については、これまで反対姿勢を貫いていた連合の執行部が7月にいったん受け入れを表明したが、傘下の労働組合や民進党の猛烈な反発にあって「撤回」する異例の事態になっている。それだけに、臨時国会では与野党激突法案になる可能性が高い。今後、政治的な駆け引きが激しさを増すことになるだろう。

 残業時間の上限規制は、労働組合側の「悲願」でもある。

 残業時間は労働基準法で月45時間、年間360時間と決められているが、労使で合意(いわゆる36協定)すれば、特例が認められることになっている。3月末に決まった実行計画では、上限を年720時間とし、原則の45時間を超えることができる月を6回までに制限。2カ月ないし6カ月の平均残業時間を80時間以内とした。その上で繁忙期だけ例外的に認める単月の上限を「100時間未満」としたのだ。

 この「100時間未満」については労使双方から異論が出た。使用者側である経済団体などからは「おおむね100時間」といった程度にとどめ、許容範囲を持たせるべきだ、という指摘があった。一方の労働側からは100時間を切った上限の明示を求める声が強かった。結局、安倍首相の「裁定」という形で、「100時間未満」で労使が合意、働き方改革実行計画に盛り込まれた。

 残業時間の上限を法律で明記し、違反した場合に罰則を設ける労働基準法の改正は、労働組合にとっては何としても成立させたい法案ということになる。

 もう1つの焦点が「高度プロフェッショナル制度」の導入。こちらは労働組合が導入に反対。左派系野党も反対姿勢のため、安倍内閣が閣議決定して国会に提出したものの2年以上にわたって審議さえされていない。

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