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安藤 毅(あんどう・たけし)

日経ビジネス編集委員

安藤 毅

1994年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業、日本経済新聞社に入社。大阪社会部、東京経済部、政治部、生活情報部、金融部、電子報道部などを経て2010年4月から日経ビジネス記者。2012年4月から現職。政治、経済政策を中心に執筆している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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 仕事柄、国会や議院会館周辺を歩く機会が多いのですが、民主党政権から安倍政権に代わって大きな景色の変化といえば、霞が関の官僚の姿と、企業関係者、地方からの大陳情団が多く見られるようになったことです。「アベノミクス」への期待の現れとともに、官僚の排除に走りがちだったり、「反ビジネス」「反公共事業」の空気が蔓延した前政権の反動という面もあるのでしょう。

 懇意にしているある財界人は円安の進展などアベノミクス効果を歓迎しつつも、「官僚、企業、地方の希望に沿う政策は財政面から必ず行き詰まる。参院選後に軌道修正できるかどうかで、安倍政権の命運が決まる」と話しています。内閣支持率は上昇基調が続き、政権は絶頂にあります。仮に高支持率を維持したまま参院選を乗り切り、「ねじれ」状態を解消すれば、「次は財政再建に注力してほしい」と財務省幹部は声を揃えます。ですが、あの永田町に押し寄せる“熱気”を見ていると、そんなことが本当にできるのか、半信半疑にならざるを得ません。あちら立てればこちら立たず。政権を担うというのはつくづく、難しいものだと思います。

ニュースを斬る

政治事情に左右される財政健全化論議

2018年2月1日(木)

1月23日、経済財政諮問会議に臨む安倍首相(写真:共同通信)

政府は2020年度の財政健全化目標に代わる新たな目標や計画づくりに着手した。内閣府は国と地方の基礎的財政収支(PB)の黒字化が昨夏の想定より2年遅れの27年度になると試算。歳出抑制でどれだけ黒字化時期を前倒しできるかが焦点となるが、首相官邸は今後の政治・経済日程をにらみ財政出動の自由度を確保したい考え。政権内で落としどころを探る動きがこれから本格化する。

 安倍晋三首相が消費増税の使い道の変更を打ち出して衆院の解散・総選挙に踏み切り、大勝を収めてから早くも3カ月が経過した。企業業績は過去最高水準で、雇用や内閣支持率はいずれも堅調に推移している。

 このまま金融緩和路線を継続して円安・株高を持続させ、アベノミクスの成果や中国との関係改善などをアピールして今年9月の自民党総裁選で3選を果たす。安倍首相と周辺はそんなシナリオを思い描いている。

長期金利上昇で金融市場に揺らぎ

 バブルの空気さえ漂う経済状況に政権幹部のほおも緩みがちだったが、このところ、米長期金利の急上昇をきっかけに日米で株安が進行するなど金融市場の揺らぎが顕在化している。

 市場の目を意識する安倍首相にしてみれば、様々なリスク要因への対応が問われる局面を迎えていると言える。その柱の1つに位置づけられるのが財政再建への取り組みだ。

 安倍政権は国と地方の基礎的財政収支(PB)を2020年度に黒字化する財政健全化の目標を掲げていた。PBは社会保障費などの政策に必要な経費を借金に依存せず、その年の税収でどのくらい賄えるかを示すもの。財政健全化の進ちょく度合いを表す指標だ。

 だが、高い成長率を前提にしていたうえ、2019年10月に予定される消費増税の使い道の変更を打ち出したことから、目標達成を断念していた。

 2025年には団塊の世代すべてが後期高齢者になり、医療や介護など社会保障費の急増が見込まれる。市場の信認を維持するためにも財政健全化への道筋を示す必要があり、政府は今年夏にPB黒字化の達成時期とその裏付けとなる計画を策定することにしている。

 そのための議論の土台となる中長期の財政試算を内閣府がまとめ、1月23日の経済財政諮問会議に提示した。

 試算はやや楽観的な「成長実現」と、慎重な「ベースライン」の2つのケースを想定している。

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清野 智 東日本旅客鉄道会長