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白石 武志(しらいし・たけし)

日経ビジネス記者

白石 武志

2002年大阪大学大学院工学研究科修了。同年、日本経済新聞社入社。編集局産業部機械グループに配属される。京都支社(2004~07年)、産業部通信グループ(2007~10年)、同経営グループ(2010~11年)を経て、2011年から日経ビジネス編集部に在籍。現在は通信、半導体、家電業界などを担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 先日、当サイトの「記者の眼」というコラムに「編集部『電話番』のつぶやき」という記事を執筆したところ、知り合いの企業広報・PRの皆さまから、思いがけない反響をいただきました。「気持ちはよく分かる」という励ましの声から、「電話に出るたびにわざわざ席を立つ必要はないのではないか」という具体的なアドバイスまで内容は様々でしたが、皆さまのご意見を生かしながら、今後も編集部の電話番として精進したいと思います。

 ご覧の通り、日経ビジネスオンラインは4月のリニューアルに伴って、すべての記事に執筆者の顔写真や略歴、最近の関心事などを表示する機能が加わりました。氏名をクリックして「著者ページ」に入れば、記者ごとに過去の執筆記事を一覧で表示させることも可能です。

 当編集部にネタを売り込もうとする企業広報やPR会社の方々が各記者について下調べする際には、こちらの新機能を存分にご活用いただければ幸いです。もちろん、一般の読者の皆さまにも、「あの記事を書いている記者はこういう人物だったのか」という新たな発見をお楽しみいただけるのではないでしょうか。

記者の眼

NTTグループに広がる“親子”の不協和音

2014年2月12日(水)

 「NTTグループ内にはまだ、自らがメーンプレーヤーであるという意識が根強く残っている。残念ながらこれは大きな時代錯誤だ。我々は『One of Them』にすぎないのだという自覚を持つ必要がある」

 昨年末にインタビューしたNTTの鵜浦博夫社長は就任からの1年半をこう振り返りながら、グループ内の企業風土改革が道半ばであることを繰り返し強調した。その言葉の端々に、グループ内の意識がそろわないことへの苛立ちが潜んでいるように感じた。

主役の意識を捨てられないドコモ

 鵜浦社長は特定の組織や部署を名指しすることはなかったが、「メーンプレーヤーであるという意識が根強く残っている」という発言が、グループの屋台骨であるNTTドコモを意識してのものであるのは確実だろう。電話やインターネット接続などの「プロバイダー」から、顧客企業のビジネスモデル変革を支援する「バリューパートナー」への転換を目指すNTTグループの中で、消費者に直接付加価値を提供する「サービス事業者」であり続けようとするドコモだけが全く異なる方向に向かっていることは、誰の目にも明らかだからだ。

 ドコモは「メディア・コンテンツ」「コマース」「金融・決済」など通信事業以外の「新領域」で2016年3月期までに1兆円の売上高を創出する計画を掲げている。この領域のノウハウや顧客基盤を獲得するためのM&A(合併・買収)にも積極的で、2012年に野菜宅配大手のらでぃっしゅぼーやを傘下に収めたのに続き、2013年にはファッション通販サイト運営のマガシークや料理教室「ABCクッキングスタジオ」を全国に展開するABCホールディングス(HD)を立て続けに買収している。

NTTドコモはABCクッキングスタジオの買収で、学びのイノベーションを狙うという

 ただし、あまりに性急なM&A戦略には疑問符もつきまとう。ドコモの担当者によると、ABC HDとはもともと2013年春に業務提携したが、ABC HD側のIT(情報技術)人材があまりに不足していたため戦略を進めることができず、思い切って買収に踏み切ったのだそうだ。提携効果を加速する目的のために本来は顧客だった企業を丸ごと買ってしまうという発想は、NTTグループが掲げる「顧客企業のバリューパートナー」という戦略とはあまり相容れない。

 ドコモはM&Aのほかにも、オムロングループと共同出資で健康管理サービスを提供するドコモ・ヘルスケアを設立したほか、旅行代理店最大手のJTBとも提携して旅の総合サポートサービス「dトラベル」を始めている。各分野のリーダー企業と組むことで消費者の様々な生活シーンを一貫してサポートする狙いは理解できるが、いくら最大手同士が組んだところで、すべての消費者のニーズを汲み取ることは難しい。むしろこうした提携戦略こそが、「メーンプレーヤー」の意識を捨てきれていないことの証左であるようにも思える。

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