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西 雄大(にし・たけひろ)

日経ビジネス記者

西 雄大

2002年同志社大学経済学部卒業、大学在学中は情報システム関連の研究をしていた。同年、日経BP社に入社。日経情報ストラテジー、日本経済新聞社出向、日経コンピュータ編集部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部記者。電機、情報通信、ネットなどを担当する。

◇主な著書
突撃取材! こちら就活探偵団』(日本経済新聞出版社) 2012

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

トレンド・ボックス

なぜ1台のエアコンで複数の風を同時に出せるか

2017年5月17日(水)

家族が集まるリビングでは、温度設定で意見がぶつかることも多い。家電メーカーはそんな不満を解決しようと「1台のエアコンで複数の風を生み出す」技術を開発。AI(人工知能)を活用することで、個人を識別してその人に適した風を送る。

 家電メーカーはここ数年、家電の国内市場の縮小に頭を悩ませてきた。その突破口として今、期待されているのが「AI(人工知能)」の活用だ。AIを駆使すれば、さらなる消費電力の低減や新機能の追加が可能になり、需要を喚起できると考えている。

 中でも活用が期待されるのが、消費電力の高いエアコン。これまではフィルターの自動掃除や人の認識といった新機能を追加することで需要を高めてきたが、それも限界に達していた。

 各社が2017年モデルからこぞって導入しているのが、一人ひとりの状況に合わせて送風する「吹き分け」機能だ。室内にいる複数の人を個別に認識し、それぞれに合った温度の風をピンポイントで送る。省エネルギーにつながるのと同時に、ユーザーの快適さも増すと注目されている。

センサーなどが「見て」 個別に最適な風を「吹く」
●各社が取り組むエアコンAIの概念図

 家電メーカーが吹き分け技術に注目する背景には、リビングルームをより重視するユーザーの考え方の変化がある。

 在宅勤務を認める企業が増えたことで、「ダイニングテーブルで父親が仕事をし、その隣で子供が母親から勉強を教わる」といった使い方が増えている。同じ部屋にいながら、それぞれが別のことをして過ごすというライフスタイルが普及しつつあるのだ。

 リクルートホールディングスの調査によると、「リビングの広さを妥協したくない」(寝室など個室を狭くしても、リビングを広くしたい)と答えた人は全体の68.2%に達した。

 エアコンの構造は、室内にある「室内機」とベランダなどにある「室外機」に大きく分かれる。それらの間はパイプでつながっており、パイプには冷媒と呼ばれるガスが循環している。

 冬は、冷媒が室外機の熱交換器を通過する時に外気から熱を回収。冷媒を圧縮機で圧縮すると、冷媒の温度が80度程度に上がる。高温になった冷媒は室内機に流れ、再び熱交換器を介して室内の空気に熱を放出する。夏は、この逆をすることで室内の空気を冷やす。

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