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西 雄大(にし・たけひろ)

日経ビジネス記者

西 雄大

2002年同志社大学経済学部卒業、大学在学中は情報システム関連の研究をしていた。同年、日経BP社に入社。日経情報ストラテジー、日本経済新聞社出向、日経コンピュータ編集部を経て、2013年1月から日経ビジネス編集部記者。電機、情報通信、ネットなどを担当する。

◇主な著書
突撃取材! こちら就活探偵団』(日本経済新聞出版社) 2012

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

記者の眼

週1回で月謝7000円、貧困生徒を救う格安塾

2017年3月28日(火)

 先日、国公立大学の後期日程の合格発表があった。受検勉強の努力が実って志望校に合格した人もいるだろう。4月からの新生活に心を躍らせる人が多い時期だ。

 だが残念ながら、家庭の貧困が原因で教育の機会を十分に得られていない子供が約300万人もいる。

 子どもの貧困率は、景気変動などの影響を受けて若干の上下を伴いつつも、1980年代からほぼ一貫して上昇傾向にある。2012年には16.3%に達し、約6人に1人が貧困状態にある。他国と比較しても、米国やポルトガルなどに次いで高い水準にあり、この10年ほどで貧困率の上昇幅が大きい国となってしまった。

 この問題は貧困家庭の子どもたちだけの将来にとどまらない。三菱UFJリサーチ&コンサルティングと日本財団が共同で試算したところ、子供の貧困を放置しておくと、所得が42兆9000億円失われるとともに、財政収入が15兆9000億円減ってしまうという。

 さらに政府は生活保護などの社会保障などで約1兆1000億円の財政負担が発生する。本人だけでなく国の財政にも大きな影響があるのだ。

 この社会的損失を小さくするために欠かせないのが教育格差の是正だ。貧困世帯の子供は、全世帯と比較して進学率が低く、中学や高校卒業後に就職したり、中退してしまったりする割合が高い。例えば、全世帯の大学(専修学校含む)などへの進学率は73.3%だが、児童養護施設で暮らす子どもは22.6%にとどまる。生活保護を受給する家庭も32.9%と低い。子どもの教育機会を確保すれば、高校や大学への進学率が向上する。そして職業選択の幅が広がり、貧困から抜け出せる可能性がある。

 学力向上に欠かせないのが、学習塾へ通える環境を整えることだ。裕福な家庭の子供は学校教育だけでなく、学習塾や家庭教師など学力向上のために資金を投じてもらっている。家庭環境によって大きな差が生じている。最近、従来よりも低価格に抑えた学習塾が増えてきた。そのひとつが葵(東京・新宿、石井貴基社長)だ。

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