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山中 浩之(やまなか・ひろゆき)

日経ビジネス副編集長

山中 浩之

日経ビジネス、日経クリック、日経パソコン編集を経て、2006年2月から日経ビジネスオンライン副編集長、編集委員。2年ほど紙の雑誌に異動になり、2012年3月に復帰。以後、NBOの隙間と隅っこでこげぱんのように生きようと決意。現在の担当は「ア・ピース・オブ・警句」(小田嶋隆さん)、「勝つために見る映画」(押井守さん×野田真外さん)、「トリイカ!」(とり・みきさん)、「再来一杯中国茶」(中島恵さん)、「絶賛!オンライン堂書店」などなど。あ、「量産型の逆襲」も。記事は「面白くって、ためになり、(ちょっと)くだらない」“オタク”ものを狙います。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 中学生の息子が「WRC(ワールド・ラリー・チャンピオンシップ)」のゲームに夢中で「シトロエンが」「ローブが」「荷重移動は」とか言い出しました。この期を逃すなと、ミニカー、雑誌、ビデオ、いにしえのマンガ『ガッデム』(新谷かおる)などを買い与えています。BS JAPANでWRC全戦中継とかやってくれないものかしら。ゲームには懐かしのグループBカー(プジョー205、ルノー5ターボ)も出てくるので、「そのクルマは…」と蘊蓄を垂れるために、80年代の輸入車試乗記事をまとめた本まで買ってしまいました。

 載っているクルマを21世紀になって乗っている自分が怖い。よく言う話ですが「欲しいクルマがない」んですよね。190E(写真)なんか、いま乗ると小さくて品のいいスタイルで最高なんですが。デビュー当時「コベンツ」とかいって小馬鹿にしてごめんなさい。「N」が売れるわけがよく分かります。ま、ともかく鉄道少年まっしぐらだった息子が、ゲームをきっかけにクルマに興味を示してくれて嬉しい限りです。え?もちろんゲームパッドじゃなくて、(私の小遣いで買った)ハンドルで遊ばせておりますよ。そろそろコンプするからWRC2013を買ってやるか、それともいよいよグラツーをやらせようかなあ。(2013/4)

お仕事は「世界耐久選手権」です

「父の会社は最先端、どころか時が止まってた」

2017年6月16日(金)

(前回から読む

 レース界伝説の男ケン・マツウラこと、松浦賢・ケン・マツウラレーシングサービス顧問の運転で到着した同社の本社工場は、ごらんのような、緑の小山に埋もれた低い建物群だった。コンクリ打ちっ放しの外観で、ものづくりの現場、という感じが全然しない。

ケン・マツウラレーシングサービスの本社工場の一角。建物は断熱と遮音のため土で覆われている。先を行くのはケン・マツウラこと松浦賢顧問。

ケン・マツウラレーシングサービス本社工場全景(同社パンフレットより)。竪穴式住居にヒントを得て、周囲に土を盛っている。現在は改装が行われ、緑が茂り、さらに「埋まった」印象が強くなっていました。

 工場の一角にある会議室に入り、セッティングをしていると、ロン毛…まではいかないが、長い後ろ髪をした青年が入ってきた。若手の社員さんかな? と油断していると「ようこそいらっしゃいました。松浦です」。ケン・マツウラレーシング代表取締役社長の松浦賢太さん、ケン・マツウラの息子さんでした。40歳と伺いましたが、お若い!

 「当社はトヨタ自動車様を始め、二輪四輪メーカー様へ事業展開しています。各メーカー様間での機密保持契約を締結させて頂いており、守秘義務と工場立入制限があります。今回は、トヨタの村田さん(村田久武・GR開発部長兼ハイブリッドプロジェクトリーダー)のご紹介もあり、できる限りご案内させて頂きますが、どこで制限がかかるかはクライアントであるトヨタさんの意向によることを、お含み置き下さい」

 流れるような説明ありがとうございます。はい、了解です。といいますか、最先端のお話を伺っても正直、猫に小判でして、まずはケン・マツウラレーシングサービスの成り立ちからお聞きしてもいいですか?

 「わかりました。ここまでの道中で聞かれたと思いますが、もともとは祖父がホンダのディーラーをここで経営していたんです。そこへ、ヨシムラで修行していた顧問(=賢太氏の父、ケン・マツウラこと松浦賢氏)が64年に戻り、最初はエンジンのチューニングを行う個人店を始めました。73年から株式会社化して、部品製作にも取り組みます」

市販車の試作関連の比率がすでに6割に

 何の部品からでしょうか。

本社工場の廊下にずらりと並ぶ、同社が手掛けてきたレーシングエンジン

 「BMWのモータースポーツ用エンジン、M12-7です。当時、ニコル(BMWの国内販売店)経由でエンジンを入手しましてF2やGrCの国内レースに使用していたのですが、レシプロ部品のばらつきによる性能やエンジンライフの差があり、ユーザー様へ迷惑をかけることが度々ありました。信頼性の無い部品に困り、我々で設計をおこない部品を作ることになったのが当社のものづくりの始まりです。

 そこから、F3000、F1のエンジンも手掛けるようになり、トヨタさんの海外レース進出に伴いCART、NASCARなどの米国のレースや、WEC(世界耐久選手権)、WRC(世界ラリー選手権)などのエンジンチューニング及び部品製作に携わるようになったわけです。現在ではスーパーフォーミュラ、スーパーGT、JSB、WSB、MotoGPなども」

 それにしても、創業者のご実家から事業を始めて、現在まで松山を動かなかったのですね。

 「だって、橋(※本四連絡橋)が出来てからはクルマに乗れば鈴鹿も富士もすぐそばだからね」と、松浦顧問が口をはさむ。

 なるほど。事業はどんな構成比率ですか?

 「レースについて言えば、レース用エンジンの年間の使用台数がレギュレーションで決まってくる時代になりまして」(賢太社長)

 以前は1レースでフリー走行用、予選用、本戦用、とスペックの異るエンジンを用意していたような時代があったのですが、そうはいかなくなってきたんだよね、と賢顧問。そうそう、と賢太社長が引き取って話を続ける。

 「現在のレース用エンジンは、二輪四輪関係なく、台数制限やロングライフ化が進んでおり、この傾向は止まることはなくレース関連の仕事は減る一方と予想されます。そうなっても困らないように、会社としては、市販車の先行開発の受注を進めていまして、レースと市販車の比率は市販車の方が若干多くなっています。

 元々、モータースポーツ関連の仕事は、短納期、仕様変更の対応力などが求められます。これは市販車の先行開発にもそのまま生きるメリットとなり、さらに我々は、設計、解析から部品製作、エンジン組付けから実機の運転試験まで、当社だけで一貫して対応することが可能です」

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