• ビジネス
  • xTECH
  • 医療
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

金田 信一郎(かねだ・しんいちろう)

日経ビジネス編集委員

金田 信一郎

1990年日経BP社入社、日経ビジネス記者として企業不祥事や経済事件を長らく担当、2006年ニューヨーク特派員、2010年副編集長に就任。2014年から日本経済新聞編集委員として企業事件を取材、その記事を加筆修正した『失敗の研究』を2016年に出版。2017年より現職。

◇主な著書
失敗の研究』(日本経済新聞出版社) 2016
テレビはなぜ、つまらなくなったのか』(日経BP) 2006
真説バブル』(日経BP) 2000

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

Special Report

石油社会の限界と原発なき南の「EV王国」

2018年1月25日(木)

 原発なき沖縄で、ついに石油製品の生産までが止まった。ガソリン価格が高騰する中、電気自動車と再生可能エネルギーに未来をかける。南端の挑戦は、日本の未来図でもある──エネルギー、大転換への挑戦を追う。

(日経ビジネス2017年11月6日号より転載)

製油所消滅
南西石油が2年前に運転を停止した西原製油所。沖縄県内で最後に残った精製設備は、塩害もあって再稼働は不可能とされる

 沖縄県西原町の高台から中城湾を望むと、赤茶けた巨大な生産設備が、人けもなく静まり返っていた。

 沖縄最後の石油精製所──。かつて島内に3製油所が稼働していたが、採算の悪化で閉鎖が続き、この南西石油・西原製油所が「最後の砦」となっていた。だが、2年前に親会社のブラジル国営石油会社ペトロブラスが突如、閉鎖を発表し、沖縄の産業界に衝撃が走った。日産原油処理能力10万バレルの設備が止まることは、島内のエネルギー事情が逼迫することを意味する。

 何度となく海外の巨大資本が「救世主」として買収すると噂された。だが、そんな最後の望みも泡と消えた。

 「再稼働はあり得ない。長い間、修繕していないので塩害が激しく、もう動かないだろう」(南西石油幹部)

 わずか10年前、沖縄は石油産業で潤う未来図を描いていた。石油メジャーに比肩するペトロブラスが沖縄に目をつけたからだ。2008年、東燃ゼネラル石油(現JXTGホールディングス)傘下だった南西石油を55億円で買収し、アジアの拠点として機能させる計画だった。そのため、1000億円もの設備投資計画まで練られていた。

 だが、リーマンショックと汚職疑惑でペトロブラスの経営が揺らぎ、設備増強策は最後まで実現しなかった。

 「もはや、沖縄で精製しても、価格の優位性がなくなった」。沖縄県石油商業組合の濱元清理事長は、投資のタイミングを逸しているうちに老朽化が進み、競争力を失ったと指摘する。

 それは、日本の石油業界を覆う窮状とも重なる。古くて規模が小さい製油所は、国際競争力が低下し、その役割を終えようとしている。

 「石油の世紀」の終焉。そして、沖縄のエネルギー業界は大きく動き出す。

続きを読む

著者記事一覧

もっと見る

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の若い人や外国人は必要ないサービスは「必要ない」と言うし、不満を感じたらリピートしない。

デーブ・スペクター 放送プロデューサー、コメンテーター