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田中 芳夫(たなか・よしお)

東京理科大学大学院イノベーション研究科教授/青山学院大学大学院ビジネス法務客員教授/(独)産業技術総合研究所参与

田中 芳夫

1973年東京理科大学工学部電気工学科卒業、同年、住友重機械工業(株)に入社,Online system設計などのシステム開発に従事、1980年に日本IBMの研究開発製造部門に入社。世界向けの製品・サービス・ソフトウエアの開発、マネージメント、および 副社長補佐。1998年にIBM Corporation R&D Aisi Pacific Technical Operation担当。2001年研究開発部門 企画・事業開発担当理事。2005年 マイクロソフトCTO就任。2007年 (独)参与、青山学院大学大学院ビジネス法務客員教授。 2009年東京理科大学大学院教授。 現在、国際大学GLOCOM 上席客員研究員,日本工学アカデミー会員

◇主な著書
『MOT歴史の検証 (共著)』(丸善) 2008

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 11月にスイス ジュネーヴにて開催された「Global Forum / Shaping the Future 2014 」にて、「Catalysts for Innovation in Japan, Ideas into Realities」と題してものこと双発学会・協議会の活動の報告を行ないました。Global Forum / Shaping the Futureは、デジタル社会あるいはそのビジネスの発展に影響を及ぼす政策課題について議論する、独立した国際的シンクタンクです。

 最近のイノベーションの70%はITがらみ、そして残りの30%のほとんどがITを使ったものであるとの報告もありました。日本におけるITリテラシーの低さを早く克服して、まだまだ強いものづくりを支えることによりことづくりをさせることができればと再認識をしました。

参考:ものこと双発学会・協議会のホームページ

“ものこと双発”で起こそう産業構造革命

「下請け」思考を捨てチームとして革新を生む

2017年1月12日(木)

 前回は、オープンイノベーションが必須となってきた背景を解説しました。日本の企業にとってオープンイノベーションは、これまでは不得意とされてきた取り組みの1つですが、これを実践することは変革する好機とも言えます。

 モノづくりなどの強みを残しながら、社外の知見とうまく相乗効果を生み出していくような体質に変えていくことで、新たな日本の強みを作り上げていくことは、十分に可能だと感じています。また、モノづくりなどに秀でていながら、社会システムやサービスの変革を目指して、それをオープンな姿勢で成し遂げようとするような日本企業が登場してくれば、オープンイノベーションを実現できる相手として、世界各国から重宝されるでしょう。

 今回は、個別の企業が1対1で共同開発していくことで始まった当初のオープンイノベーションから、より社会的に広く、大きな課題を解決していくような方向に進化した「オープンイノベーション2.0」などについて、紹介していきます。

 日本におけるオープンイノベーションで面白い例は、コマツです。建設機械の情報を遠隔で確認するためのシステム「KOMTRAX(コムトラックス)」を使ったサービスの成功例が広く知られています。

 コムトラックスは、イノベーティブ(革新的)ではありますが、「オープンな」イノベーションではありません。すべて自分たちで取り組んだ成果です。

 自分たちだけで取り組んだのは、一緒に取り組んでくれる企業がいなかったからです。オープンイノベーションを目指していて、IT(情報技術)関連の企業などと組みたかったようですが、相手にしてもらえなかったと聞いています。

 建設機械は、1年間で数万台しか売れない市場です。自動車の100万台の単位とは、ケタが大きく違います。協力してもらいたい分野の企業を巻き込むには、この規模の差が不利に働いてしまったようです。そこで、仕方がなく自分たちで全部手掛けることになりました。

 コムトラックスは現在、40万台以上の建設機械とつながるシステムになってきました。このような規模になると、IT関連の企業にも魅力になってきます。

 そこで、コマツは、米ゼネラル・エレクトリック(GE)とIoT(モノのインターネット化)やデータ解析などの分野で共同で取り組むことになりました。ビッグデータの活用などで、GEはITの中心的な企業となりつつあります。

 コマツにとって、いよいよ、オープンイノベーションを実現できるようになることを意味します。

特定企業で独占できない状況に慣れること

 当初のオープンイノベーションと、現在、盛んになりつつある「オープンイノベーション2.0」の大きな違いの1つは、企業と企業といった1対1の関係ではなく、さまざまな姿をした組織が、さまざまな関わり方をすることで、市場に新たな仕組みや社会システムを提供していく点にあります。

 技術や知見の使い方も、当初のオープンイノベーションの「他者の技術を活用する」という傾向から、社会の大きな課題を解決していくために「あらゆる場所にある多数の技術を組み合わせる」といった方向に進みつつあります。

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