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柏木 孝夫(かしわぎ・たかお)

東京工業大学特命教授/先進エネルギー国際研究センター長/東京都市大学教授

柏木 孝夫

1946年東京生まれ。1970年東京工業大学工学部卒業、1979年博士号取得。1980~1981年、米国商務省NBS(現NIST)招聘研究員、東京工業大学助教授などを経て、1988年、東京農工大学工学部教授に就任。1995年、IPCC第2作業部会の代表執筆者となる。2007年から東京工業大学大学院教授に就任し、同大学ソリューション研究機構内に本格的なオープンイノベーションのプラットホームを提供するため、先進エネルギー国際研究センター(AESセンター)を立ち上げ、センター長となる。2012年4月から特命教授。2013年4月からは東京都市大学教授も務める。
経済産業省の総合資源エネルギー調査会新エネルギー部会長、日本エネルギー学会会長、日本学術会議連携会員などを歴任。2011年には、一般社団法人 低炭素投資促進機構(GIO)理事長、一般財団法人 コージェネレーション・エネルギー高度利用センター(ACEJ)理事長、2012年には一般社団法人 新エネルギー導入促進協議会の代表理事に就任。現在に至るまで長年、国のエネルギー政策づくりに深くかかわる。2013年7月の経済産業省の審議会再編に伴い、総合資源エネルギー調査会省エネルギー・新エネルギー分科会の分科会長に就任。エネルギー基本計画を議論する同調査会基本政策分科会の委員も務める。

◇主な著書
エネルギー革命』(日経BP社) 2012
スマートコミュニティ』(時評社) 2012
スマート革命』(日経BP社) 2010

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 春は新たな出会いがあり、物事が始まる季節です。私も新たに、東京都市大学の教授に就きました。1929年に武蔵高等工科学校として創立され、学制改革により1949年に武蔵工業大学に昇格し、長年、工学分野で優れた人材を輩出してきました。創立80周年の2009年には、東横学園女子短期大学を統合し、東京都市大学に改称しました。新たな環境に飛び込むというのは、いくつになっても新鮮なもので、どのような出会いがあるか楽しみです。新しい研究室は先進エネルギーシステム研究室と名付けました。

 物事が始まるといえば、国の中長期的なエネルギー政策の指針となる「エネルギー基本計画」を、現政権として議論する審議会も3月に始まりました。前政権では経済産業省の総合資源エネルギー調査会の基本問題委員会で議論しましたが、現政権では同調査会の総合部会で議論することなり、私もまた委員として参加することとなりました。また、同部会の下には、電力需給検証小委員会が設けられ、私は委員長を拝命しました。

 原発の再稼働の行方が定まらず、今夏は引き続き、電力需給の逼迫が予想されます。その後の冬の需給についても予断を許しません。そうした当面の短期的な課題にも取り組みながら、その先の中長期的なエネルギー政策の議論においても、国力を高め、産業を活性化し、国民の生活を守るという大きな方向性を忘れずに、最適解を導き出すことに貢献できるよう努めてまいります。

エネルギー革命の深層

水素・燃料電池の普及が加速

2014年4月23日(水)

 最後の最後まで揺れた新たなエネルギー基本計画の議論も、ようやく決着した。東日本大震災後、初めての改訂となる第4次エネルギー基本計画が、4月11日に閣議決定された。前回、解説した原子力政策に加え、やはり最後までもめたのが、再生可能エネルギーの数値目標である。特に連立与党の公明党が、2030年に向けた具体的な数値目標を盛り込むよう強く主張した。

再エネ推進派への配慮

 結局、具体的な数値目標は明記されず、「これまでのエネルギー基本計画を踏まえて示した水準を更に上回る水準の導入を目指し、エネルギーミックスの検討に当たっては、これを踏まえることとする」と記載するにとどめられた。

 その一方で、「これまでのエネルギー基本計画を踏まえて示した水準」として、2009年8月策定の「長期エネルギー需給見通し(再計算)」および2010年6月開催の総合資源エネルギー調査会総合部会・基本計画委員会合同会合資料「2030年のエネルギー需給の姿」が、それぞれに示した将来の発電電力量に占める再生可能エネルギーなどの割合も注記している。前者では2020年13.5%(1414億キロワット時)、後者では約2割(2140億キロワット時)という数値が示されていた。公明党はもとより、自民党の再エネ推進派にも配慮したものと思われる。

 また、菅義偉内閣官房長官は、閣議決定直後の記者会見で「再生可能エネルギー等関係閣僚会議」を設置し、閣議後すぐに第1回会合を開いて、「政府が一丸となって再生可能エネルギーの最大限導入を実現していくこと、また、この観点から、局長級の関係省庁連絡会議を創設することを確認」したことが報告されている。

 今回の基本計画は、従来とは異なり、「長期エネルギー需給見通しとともにとりまとめることはしない」と、その中にも明記されている。そして、「中長期(今後20年程度)のエネルギー需給構造を視野に入れて、エネルギー政策の基本的な方針」を示すことが役割であり、数値目標を明示する「エネルギーミックス」に関しては別途、議論し、速やかに示すとしている。

 再エネのみ数値目標を盛り込んでは、こうした策定方針と矛盾してしまうことになる。結局、そうはならず、妥当なかたちにまとめられた。

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