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肖 敏捷(しょう・びんしょう)

エコノミスト

肖 敏捷

中国武漢大学を卒業後、バブルの最盛期に文部省(当時)国費留学生として来日。福島大学や筑波大学に留学した後、証券系シンクタンクに入り、東京、香港、上海と転々しながら、合計16年間中国経済を担当。その後の2年間、独立系資産運用会社に勤務。現在、フリーのエコノミストとして原稿執筆や講演会などの活動をしている。「日経ヴェリタス」の2010年3月の人気エコノミスト・ランキング5位に。中国経済のエコノミストがベスト5に入るのは異例。現在、テレビ東京の「モーニング・サテライト」のコメンテーターを担当中。

◇主な著書
人気中国人エコノミストによる中国経済事情』(日本経済新聞出版社) 2010

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 毎年3月、日経ヴェリタスは人気アナリストランキングを発表する。自分の仕事がお客様からどう評価されているのか、証券業界で働くアナリストやエコノミストたちにとっては、しのぎを削って競う努力目標。2010年、私はエコノミスト部門では5位に選ばれた後、独立系運用会社に転職したため、2011年と2012年はこの投票に参加する資格がなかった。

 昨年10月以降、知人の会社で籍を置きながらエコノミストの仕事を再開。2年間の空白があったうえ、証券会社のような組織の後押しもない状況下、果たしてお客さんが私のことを覚えているのか、2013年の投票結果はまったく期待していなかった。しかし、深呼吸してから買った新聞を開けてみると、15位にランキングされたことにびっくり!私に票を入れてくれたお客様に感謝すると同時に、これでもう1回スタートラインに立ったと、気を引き締めた。

肖敏捷の中国観~複眼で斬る最新ニュース

文系政治家が中国を変える

2013年4月2日(火)

 「全人代」閉幕後、習近平氏と李克強氏がそれぞれ国家主席と国務院総理に就任したのに伴い、地方政府のトップ交代も相次ぎ、「習李体制」が本格的に動き出す環境が整った。一方、「習李体制」下で中国が本当に変わるのか、その指導力を疑問視する見方も散見される。確かに、発足したばかりの新政権のお手並みを拝見するには時間がかかり、現時点では慎重に見守ったほうが良いのかもしれない。

 2003年に胡錦涛・温家宝政権が発足した際、中国が大きく変わるのではないかとの期待が高まったが、結果的にこの10年間、中国の改革・開放が大きく停滞し、期待はことごとく外れた。この「学習効果」も「習李体制」に対する慎重な見方を強めている一因だと考えられる。

 しかし、以下の理由で、私は「習李体制」の指導力に期待したい。

戦後生まれが政権の中枢を担う

 第一に、「胡温体制」最大の「実績」は、中国が抱えているすべての問題点を曝け出したこと、いわゆる「パンドラの箱」を開けてしまったことである。この箱の蓋を閉めるのは不可能であり、「習李体制」は自分たちの政権基盤を維持するために、逃げ隠れせずに真正面から問題を解決していく以外に選択肢はない。

 中国がどのような課題を抱えているのか。3月22日に経済協力開発機構(OECD)が公表した「対中経済審査報告」(Economic Survey of China 2013)は正確に捉えている。同報告書の中でOECDは、中国経済が抱えているリスクとして貧富格差、高齢化、地方政府の債務、住宅バブルなどを指摘したうえ、戸籍制度の一本化、金融の自由化などの構造改革を加速させるよう提案した。3月17日の就任記者会見で、李克強総理が「行動するしかない」と強調したのは、昨年3月の世界銀行の報告書(「China 2030」)及び今回のOECD報告書で取り上げられている問題に対し、危機意識を共有している姿勢の表れだといえる。

 第二に、昨年11月に開催された共産党「18大」で、胡錦涛氏は共産党総書記のみならず、共産党軍事委員会主席のポストまでも習近平氏に渡した。この決断をした背景に何があるのか、ネット上では様々な憶測が流れている。真相の究明は専門家に任せるが、胡錦濤氏のこの決断は、中国の「長老政治」に画期的な変化をもたらす可能性を秘めていると評価すべきであろう。

 日本では、衆参両院のねじれ現象が「決められない政治」の元凶といわれているが、中国では、現役を引退したはずの古参指導者たちが人事などを操る「長老政治」が「政令が中南海から出ない」と揶揄される「実行できない政策」の原因だと指摘されている。

 今回、慣例を破って、胡錦濤氏が完全引退したことで、少なくとも、制度上は習近平氏が全権を掌握することになり、政治力を発揮しやすくなるはずだ。これに対し、7名の政治局常務委員の何人かは、長老の意向を反映した人選ではないかとの反論があるかもしれない。それが事実かどうかはともかく、全権を掌握している習近平氏に対抗する「空気の読めない」メンバーが果たして存在するのかは疑問である。また、適切な表現ではないかもしれないが、ご本人たちの意志と関係なく、政治に口を出すほどのエネルギーが長老たちにどれだけ残っているのか、自然の摂理で考えれば常識的な結論が出てくるかもしれない。

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