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遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

遙 洋子

大阪府出身。関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、その体験を綴った著書『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

◇主な著書
主婦たちのオーレ!』(筑摩書房) 2008
女ともだち』(法研) 2008
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(ちくま文庫) 2004

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」

先生、セクハラを止められるのはあなたです

2017年11月10日(金)

ご相談

最近、国会議員のセクハラ疑惑が相次ぎ告発されています。アメリカの映画界などでも。セクハラやパワハラ、いけないことだと散々言われているのに、いっこうに後を絶ちません。私も以前の職場で上司のセクハラに悩まされ、会社に相談しましたが、うやむやにされてしまった苦い記憶があります。そんなことが今もあちこちで起こっているのだと考えると、暗澹たる気持ちになります。(30代女性)

遙から

 権力がどのような状況でどのような瞬間に誕生するのか、経験した。

 それは私自身がもはや権力側に立つという、ベテランの立場がもたらす、私自身に選択権のない、何をどうやっても引っ付いて離れない困った現象としてあった。

 ただベテランになっただけで自動的に権力が引っ付いてくる。そして、逃げられない。

 権力に過敏で苦手で格闘してきたつもりの私にとって、「え? 私がそっち側?」と途方に暮れることになった。

他に注文は?

 しばらく休んでいた番組に、久しぶりに出演することになった。

 楽屋受付の年配女性が満面の笑みで迎えてくれた。昔から、局入りすると彼女は必ず聞く。

 「お飲物は?」

 それをお断りしたときに、彼女の仕事をなんだか否定したみたいな、ちょっと寂しそうな目の表情を見つけた私としては、必ず飲み物を注文することにしていた。

 「アイスコーヒーを」
 「わかりました!」

 メイク室で準備をしていると、喫茶部の年配男性が制服を着て、盆に乗せたコーヒーを高くかかげて持って来てくれた。

 が、それはホットコーヒーだ。

 瞬時、私は考えたが、最も騒ぎにならず、最も穏便に事を済ます方法を実行した。

 「他に、コーヒーを注文したタレントはいますか?」
 「いえ。遙さんだけです」

 これで注文ミスが確定した。
 「では、それは間違いなく私のコーヒーですね。有難うございます」

 そういって、受け取ることにした。

 これがもし、「頼んだのは、アイスコーヒーです」というと、まず、大騒ぎになる。私はそれを知っている。

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