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遙 洋子(はるか・ようこ)

タレント・エッセイスト

遙 洋子

大阪府出身。関西を中心にタレント活動を行う。東京大学大学院の上野千鶴子ゼミでフェミニズム・社会学を学び、その体験を綴った著書『東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』を執筆。これを機に、女性の視点で社会を読み解く記事執筆、講演などを行う。

◇主な著書
主婦たちのオーレ!』(筑摩書房) 2008
女ともだち』(法研) 2008
東大で上野千鶴子にケンカを学ぶ』(ちくま文庫) 2004

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

遙なるコンシェルジュ「男の悩み 女の嘆き」

籠池氏のニヤリの奥にあるもの

2017年4月14日(金)

ご相談

 新年度がスタート。気持ちも新たに「仕事で成功したい!」と自らに気合を入れていますが、その一方で、「そもそも成功ってなんだろう…」と、ふと考え込んでいる自分もいます。成功とは、一発当てて脚光を浴びることでしょうか。大金を得ることでしょうか。人望を得ることでしょうか。(30代男性)

遙から

 それは、いわゆる「森友学園問題」で国会の証人喚問に呼ばれた籠池泰典氏が、山本太郎議員の「梯子を外され、怒りを感じた政治家は?」といった質問に答えたときのことだった。「大阪府知事」との発言にざわめきが起こったが、私が着目したのは、繰り返される質疑の合間に、籠池氏がニヤリとした一瞬の表情の崩れだ。

 なぜ微笑むのか。

 彼は窮地に立たされている。誰に否があるのかなどは未だ解明されぬままながら、籠池氏が含みを持たせた「籠池砲」が炸裂するどころか、自らが火だるま状態に見える。証人喚問時にそれは予期できた。刑事訴追の可能性は自らも口にしていた。莫大な建設費の支払い、家宅捜索、本業の経営危機など、彼の前途は真っ暗に見える。

 なのに、微笑んだ。

眩い光は現実を消し、幻影を映す

 私はその表情に、脚光を浴びることの危険性、というものを改めて目撃した気がした。

 総理大臣と一戦まみえる自分。メディアが作り出した強烈な脚光。それがもたらす麻薬的な快楽とでも言おうか。脚光は、メディアに消費される側というリアルな現実を見えなくさせ、脚光自体にまるで意味や価値があるかのような幻影をもたらす。

 脚光=権力を得たかのような勘違いと言えばいいか。それは消費され終わった段階で、ただの幻影だったと知ることになる。

 以前、松任谷由実さんがテレビで言っていた。

 「成功は虹みたいなもの。そこには何もない」

 深い言葉だと思った。誰からも憧れられる真っ白な成功でも、当事者は「何もない」と言い切る。勇気ある意味深な発言だと思った。

 成功はチョー気持ちいいから、皆もぜひ成功しなよ、と安易に人を煽らないことに感動もした。

 脚光の中心に居て、「何もない」と極めて冷静で理性的だ。

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