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吉田 健一郎(よしだ・けんいちろう)

みずほ総合研究所 欧米調査部/市場調査部 上席主任エコノミスト

吉田 健一郎

1972年東京都生まれ。96年一橋大学商学部卒業、2012年ロンドン大学修士(経済学)。富士銀行(現みずほ銀行)新宿西口支店入行。98年同国際資金為替部にて対顧客為替ディーラー。2004年よりみずほ総合研究所に出向し、08年よりロンドン事務所長。2014年10月から現職。著書に『オイル&マネー』(共著、エネルギーフォーラム社)、『迷走するグローバルマネーとSWF』(共著、東洋経済新報社)など。

◇主な著書
迷走するグローバルマネーとSWF―国際金融危機の深層』(東洋経済新報社) 2008
オイル&マネー』(エネルギーフォーラム社) 2008

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ニュースを斬る

さよなら”欧州”、次の焦点は「脱退通告」

2016年6月24日(金)

 英国が欧州連合(EU)からの離脱を決めた。1973年の欧州共同体加盟から43年を経て、英国は”欧州”と袂を分かつことになる。

 これから何が起こるのか。当面の注目の一つは、英政府がEUに対して行う「脱退通告」のタイミングであろう。脱退通告はEUからの脱退を定めたEU条約第50条において決められている手続きであり、それが脱退を巡る英国とEUの交渉開始のトリガーとなる(図表1)。英国の国民投票法上は、国民投票で離脱が選択された場合でも、必ず離脱手続きを始めなくてもよい。しかし、国民の意思を尊重し、英政府はいずれかのタイミングでEUに対して「脱退通告」を行うことになろう。

(注)赤字は筆者
(資料)東信堂「ベーシック条約集」より、みずほ総合研究所作成

「脱退協定」締結までの猶予は2年間

 EUへの「脱退通告」の実施は、「2年後のEU法適用の停止」という期限へのカウントダウンが始まることを意味する。脱退を巡る交渉でどのようなことが話し合われるかについて、50条では特に定められていないが、EUからの脱退日や移行期間、現在英国に住むEU市民(あるいはEUに住む英国民)の取り扱いなどが、話し合われることになろう。50条では、脱退の際に締結される「脱退協定」は、脱退後の英国とEUの関係を決める新協定を「考慮に入れて」話し合われることが定められているため、英国とEUの間の新たな関係性を定めた新協定も同時並行で話し合われる公算が大きい。

 脱退協定や新協定の締結に向けた交渉が行われている2年間は、EU法は英国に引き続き適用される。しかし、EU28カ国全てが交渉の延長に合意しなければ、通告後2年でEU法の英国への適用は停止される。仮に英国とEUの間の協定が2年間で合意に達することが出来なければ、一時的か恒久的かは別としても、英国はEUの単一市場からは外れ、WTO(世界貿易機関)の枠内での貿易取引を行うことになる。この場合、現在よりも高い関税率が英国からEUへの輸出品にかけられ、在英輸出企業の競争力に影響を与えるだろう。通告から2年間はEU法が適用されるため、影響が今すぐに出るという話ではないが、将来的に在英日本企業にも影響を及ぼす可能性があり、日本企業は交渉の進展をみながら、備えをしておく必要があろう。

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