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小田嶋 隆(おだじま・たかし)

コラムニスト

小田嶋 隆

1956年生まれ。東京・赤羽出身。早稲田大学卒業後、食品メーカーに入社。1年ほどで退社後、小学校事務員見習い、ラジオ局ADなどを経てテクニカルライターとなり、現在はひきこもり系コラムニストとして活躍中。

◇主な著書
場末の文体論』(日経BP) 2013
もっと地雷を踏む勇気~わが炎上の日々』(技術評論社) 2012
小田嶋隆のコラム道』(ミシマ社) 2012

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明

いま、そこにある恐怖

2018年2月16日(金)

 今回は、さる国際政治学者がテレビ番組の中で発信したコメントの余波について書こうと思っている。

 番組内での発言そのものについては、この数日、様々な場所でさんざんに議論されてもいるので、簡単な紹介にとどめるつもりでいる。

 以下、番組を見ていない人のために、国際政治学者の三浦瑠麗氏が、「ワイドナショー」(毎週日曜日午前10時よりフジテレビ系列より放送)の中で「スリーパーセル」について語った部分の書き起こしを引用する。

三浦:もし、アメリカが北朝鮮に核を使ったら、アメリカは大丈夫でもわれわれは反撃されそうじゃないですか。実際に戦争が始まったら、テロリストが仮に金正恩さんが殺されても、スリーパーセルと言われて、もう指導者が死んだっていうのがわかったら、もう一切外部との連絡を断って都市で動き始める、スリーパーセルっていうのが活動すると言われているんですよ。

※ここで『スリーパーセル 一般市民を装って潜伏している工作員やテロリスト』というテロップが画面上に表示される。

東野:普段眠っている、暗殺部隊みたいな?

三浦:テロリスト分子がいるわけですよ。それがソウルでも、東京でも、もちろん大阪でも。今ちょっと大阪やばいって言われていて。

松本:潜んでるってことですか?

三浦:潜んでます。というのは、いざと言うときに最後のバックアップなんですよ。

 そうしたら、首都攻撃するよりかは、他の大都市が狙われる可能性もあるので、東京じゃないからっていうふうに安心はできない、というのがあるので、正直われわれとしては核だろうがなんだろうが、戦争してほしくないんですよ。アメリカに。 

 番組への反響や、三浦氏からの再反論についてより詳しく知りたい方は、リンク先にあるハフポストの記事を参照してほしい(こちら)。

 多くの人が指摘している通り、「スパイ」なり「工作員」なりが実在することはまず間違いなく事実だ。わが国にせよ、ほかの国にせよ、北朝鮮の工作員や、ほかの国や組織から送り込まれたスパイの暗躍を完全に阻止できている国はおそらく存在しない。

 その意味からすれば、三浦氏が、市民になりすまして潜伏する工作員の存在を示唆したことそのものは、さして目新しい指摘でもなければ、驚くべき暴挙というのでもないのだろう。

 ただ、彼女は、「スリーパーセル」という通称を明らかにしつつ、「大阪」という地域を特定したうえで、「ヤバい」という言い方で危機意識を煽っている。

 さらに、その大阪の地に潜伏する工作員について、「指導者が死んだっていうのがわかったら、もう一切外部との連絡を断って都市で動き始める」「テロリスト分子」「いざという時の最後のバックアップ」などと、具体的な描写をしている。

 こういうふうに特定の都市を名指しにして具体的な危機を指摘する言葉は、一般論としての注意喚起とは別のカテゴリーのトピックになる。

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