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川端 裕人(かわばた・ひろと)

文筆家

川端 裕人

20世紀末に書いた、“ロケット打ち上げ小説”『夏のロケット』(第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞)が、近年の民間宇宙開発の流れの中で、“現実に追い越された”と実感。「青い海の宇宙港 春夏篇」「同・秋冬篇」(早川書房)を執筆。

◇主な著書
太陽ときみの声』(朝日学生新聞社) 2017
天空の約束』(集英社文庫) 2017
青い海の宇宙港 春夏篇』(集英社文庫) 2016

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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 20世紀末に書いた、“ロケット打ち上げ小説”『夏のロケット』(第15回サントリーミステリー大賞優秀作品賞)が、近年の民間宇宙開発の流れの中で、“現実に追い越された”と実感。「青い海の宇宙港 春夏篇」「同・秋冬篇」(早川書房)を執筆。

研究室に行ってみた

恐竜研究を志す高校生が単身カナダに渡るまで

2018年1月13日(土)

恐竜の研究を志して高校時代に単身カナダに留学。夢を叶えて、現在、世界的に活躍する若き日本人研究者がいる。ナショジオが選んだ「2016年ドラマチックな科学ニュースベスト6」の2つにも関わったその宮下哲人さんに、多岐にわたる研究活動について聞いてみた!

(文=川端裕人、写真=内海裕之、撮影協力=国立科学博物館)

宮下哲人さんはやはり物心つく前から恐竜少年だった。

「僕が覚えている限りでは、きっかけは『ジュラシック・パーク』だったと思います。何かのご褒美で、親に映画館に連れていってもらったんです。でも、親によると、僕は、実は5歳か6歳のときに既に恐竜に興味があったみたいですね。割り箸を骨格にして、新聞紙を巻き付けて、自分で恐竜を作って遊んでいたというんですよね。色まで塗っていたらしくて。僕は覚えてないんですけど、そういう背景もあって『ジュラシック・パーク』で恐竜にはまったんでしょうね」

 1993年に日本で公開された映画『ジュラシック・パーク』は、当時の子どもたちに実に大きな衝撃を与えた。もちろん大人たちにもだ。ぼく自身の記憶によると、当時、テレビ局勤めで夜勤明けかなにかで映画館に行ったにもかかわらず、とても混んでいて驚かされた。そして、ほとんど眠っていなかったのに、一瞬たりとも眠気を感じる暇がなかった。黎明期の3DCGで生命を吹き込まれ、画面の中で躍動する恐竜たちは、「彼らは野生動物だ」という当たり前のことを気づかせてくれたと感じている。

 宮下さんは当時8歳で、強いインパクトを受けた子どものうちの1人だ。その後、巻き起こった空前の恐竜ブームの中で、さらに関心を深めていく。当時、いくつもの月刊科学雑誌があって、頻繁に恐竜特集をしたし、さらに93年からの2年間については、「週刊 恐竜サウルス!」といった専門誌まであった。恐竜はいつでも人気の古生物だが、この時代、さらに前景に飛び出して、社会的な現象ですらあった。

「つぎに動きがあったのが、『ジュラシック・パーク』から多分3年後、10歳の時です。両親がカナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館のフィル(フィリップ・カリー)の本を買ってくれたんです。『イラストで見る最新恐竜ハンドブック』というタイトルです。それまでにも、日本で恐竜本っていっぱい出ていたと思うんですけど、この本は毛並みが違っていて、フィルが個人的に発掘をして研究した種類を中心に書いているんですね。彼の研究者としてのエピソードですとか、リアルな研究の様子が伝わってきて、そこが気に入っていました」

 フィリップ・カリー博士は、当時、カナダ、アルバータ州ドラムヘラーにあるロイヤル・ティレル古生物学博物館の研究部門の長だった人物で、世界の恐竜研究者の五指に入ると言ってよい。鳥類の起源は恐竜だったという、今でこそ定説になっている考え方を推し進めた立役者の1人だ。

 宮下さんにとっては、師事するために海を渡ることになる運命の研究者である。とにかく、10歳の時に彼の本に出会ったことで、宮下さんの頭の中に、カナダ、アルバータ州ドラムヘラー、ロイヤル・ティレル古生物学博物館、そしてフィリップ・カリー博士といった一連の固有名詞がインプットされた。

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