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北村 豊(きたむら・ゆたか)

中国鑑測家

北村 豊

1949年長野県生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。住友商事入社後、アブダビ、ドバイ、北京、広州の駐在を経て、住友商事総合研究所で中国専任シニアアナリストとして活躍。2012年に住友商事を退職後、2013年からフリーランサーの中国研究者として中国鑑測家を名乗る。中央大学政策文化総合研究所客員研究員。中国環境保護産業協会員、中国消防協会員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 昨年12月末に40年と9カ月勤めた会社を退職して無職の年金生活者となりましたが、幸せなことに健康で気力も充実。論語は「30にして立つ」ですが、今や“六十三而立(63にして立つ)”と思い定めて、中国鑑測家と名乗って文筆業に打って出ました。中国・キタムラリポートは2006年4月の日経ビジネスオンラインのスタート時点から連載を始めたもので、すでに丸7年が過ぎ、今年4月からは8年目に突入しますが、さらなる充実を目指します。

世界鑑測 北村豊の「中国・キタムラリポート」

女子大生を餌食にする中国「裸ローン」の罠

2017年4月21日(金)

 “恩施市”は、湖北省の西南部に位置する“恩施土家族苗族自治州”の州政府所在地で、海抜900m以上の山岳地帯にある常住人口75万人の風光明媚な地域である。省都 の“武漢市”からは直線で500kmの距離にあり、自動車なら6.5時間かかる。4月3日、その恩施市の農民である周さんは自分の携帯電話に1通の写真付きメールを受領した。何だろうとメールを開くと、周さんは自分の目を疑った。携帯電話の画面には娘の“小周”(仮名)の“裸照(ヌード写真)”が写っていたのだった。

身分証明書を持って全裸写真を自撮り

 4月10日付の湖北紙「楚天都市報」は、『武漢女子大生の“裸貸(裸ローン)”5000元(約8万円)が雪だるま式に増えて26万元(約416万円)に』と題する記事を報じた。その概要は以下の通り。

【1】20歳の小周は、武漢市”にある某職業技術学院大学の2年生である。2016年10月の或る日、大学のトイレに入った小周は、個室のドアに貼ってあった消費者金融業者の広告に目を止めた。当時、小周には買いたい物があったが、懐が寂しく、到底手が届きそうになかった。そうだ、一時的に借金すれば欲しい物が買える。そう思ったら、何かに取りつかれたように、自身のスマートフォン(以下「スマホ」)で広告に書かれていたSNSの“微信(WeChat)”に連絡を入れ、先方の担当者に借金したい旨を伝えていた。

【2】ひとしきりチャットを続けて、カネを借り入れる意向を示すと、消費者金融業者の担当者から身分証の写真、学生証の写真、スマホの通話履歴を微信で送るよう要求された。小周が指示通りの物を送信すると、担当者はさらに次の物を微信で送信するよう要求した。

(1)“手拿借條”:担当者が送信するひな型に通りに手書きした借用書に自分の署名を行い、署名済みの借用書を手に持って上半身を撮影した画像。

(2)“裸條”:“全身赤裸手持身分証自拍(全裸で身分証を手に持って自撮りした)”写真あるいは動画。

【3】欲し物を買いたい一心の小周も“裸條”にはさすがに躊躇した。これを担当者に伝えると、この写真や動画は担保であり、万一返済期日までに返金されなくても、必ず流出する訳ではないので心配不要だと答えた。これで安心した小周は借入額もさほど大きくないので、返金は問題なくできると判断して、担当者の要求通りに(1)と(2)を送信した。

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