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山川 龍雄(やまかわ・たつお)

日経ビジネス編集委員(BS「日経プラス10」キャスター)

山川 龍雄

1965年10月熊本県生まれ。89年京都大学経済学部卒業後、花王を経て、91年日経BP入社。物流雑誌「日経ロジスティクス」の編集に携わった後、95年「日経ビジネス」に異動。自動車、商社業界などを担当後、2004年~08年までニューヨーク支局長を務める。日経ビジネス副編集長、日本経済新聞証券部次長を経て、2011年4月から日経ビジネス編集長。2014年4月から現職。企業トップへの豊富な取材実績を基に、これからの企業経営の在り方について誌面上で提言を続けている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

キャスターの目

地方も会社も生かすコマツの経営

2015年4月3日(金)

 4月1日水曜日のトークプラスは、コマツの坂根正弘(さかね・まさひろ)相談役のインタビューでした。坂根さんは、赤字経営からV字回復を成し遂げ、建機メーカー世界第2位に導いた立役者。そして現在は、政府の「まち・ひと・しごと創世会議」のメンバーを務めており、コマツは東京に置いていた一部の機能を創業の地である石川県に移転させるなど、地方活性化に取り組んできた実績があります。そこで小谷真生子さんと私とでコマツ本社に出向き、地方創生について、じっくりと伺ってきました。

 話の中で、とりわけ強く印象に残ったのは、石川県と東京で働く従業員の結婚している割合や子供の数を比較したデータでした。石川の女性従業員(30代以上)の既婚率は90%で、1人当たりの子供の数は1.9人。これに対して、東京は50%、0.7人だというのです。子供の数については、実に2.7倍の開きがあります。「まさに理屈通りなのですよ。東京に来ると生活コストも高いし、周りにおじいちゃんおばあちゃんもいないから、子どもも産めない」。都会と地方とでは、出生率に違いがあることは私も承知していますが、改めて、これだけリアルな数字を示されると、愕然とします。

 「私は何も少子高齢化の解決や社会貢献のために、企業は地方に機能を移転させるべきだと言っているのではありません。経営の合理性の観点からも、移転した方が有利なものがある。であれば、少子化や地域への貢献にもつながるのだから、その部分は、移転した方がよい、と言っているのです」

 コマツが東京から石川県に移したのは、購買や研修などの機能でした。購買は主力工場の近くにいて一緒に仕事をした方がよい、研修はあえて本社に置くよりも、むしろ現場の視察も兼ねられる場所の方が適しているといった判断があったそうです。結果、会社は生産性を向上させ、従業員は子育てしやすくなるなど、様々なメリットがありました。

 企業の合理性追求と地方移転は二律背反するものではなく、両立するというのが坂根さんの主張です。「政府も企業も大がかりなことを考えるのではなく、できるところの機能から地方に移転させ、その部分は極力、地方で採用していく。そうやって、皆が実行していくことが大事だと思います」。

 今年最大のテーマの1つは地方創生であり、4月には統一地方選もあります。地方が元気にならなければ、日本は元気になりませんし、アベノミクスが成功したとは言えません。そこで日経プラス10は、これから「シリーズ 地方創生」と題して、様々な分野で地方を活性化させてきた人物や事例を紹介していきます。

 坂根さんを皮切りに、来週は「里山資本主義」で知られる日本総研の藻谷浩介主席研究員、「ななつ星」の次を見据えるJR九州の青柳俊彦社長、「くまモン」の生みの親としても知られる放送作家・脚本家の小山薫堂氏らを迎え、様々な角度から、地方創生の在り方を考えていきます。さらにその次の週以降も積極的にこのテーマを取り上げていきます。ご期待ください。

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