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武田 紀久子(たけだ・きくこ)

国際通貨研究所 経済調査部上席研究員

武田 紀久子

1989年慶應義塾大学卒業、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社以来、一貫して市場関連業務に従事。市場企画や外貨ALM、トレーディングなどを経て、1999年、為替アナリスト班立ち上げメンバーに。以降、マーケット・エコノミストとしての活動を続けている。2004年為替資金部シニア・アナリスト、2007年ロンドン駐在シニア・カレンシー・エコノミスト。2014年に帰国、円貨資金証券部シニア・アナリストに。2015年10月より国際通貨研究所へ出向。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ニュースを斬る

トランプ氏「ドルは強すぎる」発言の矛盾と限界

2017年4月18日(火)

日米経済対話を前に、円相場が急上昇している。シリア攻撃や北朝鮮問題による「安全資産=円」へのマネーの逃避に、トランプ大統領の「ドルは強くなり過ぎている」発言が追い打ちをかけた。だが、トランプ大統領の為替問題に対する姿勢には3つの矛盾が内包しており、口先介入によるドル安円高は長続きしない。国際通貨研究所の武田紀久子・経済調査部上席研究員が分析する。

(写真:ロイター/アフロ)

日米経済対話直前に円相場が急上昇

 円相場が対ドルで108円台へ上昇している。きっかけはトランプ大統領が4月12日に米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで「ドルは強くなり過ぎている」と発言したこと。続く14日にはトランプ政権下で初となる半期毎の「為替報告書」を米財務省が公表したが、同大統領が12日のインタビューで示唆した通り、選挙公約の目玉の一つであった「中国の為替操作国認定」は見送られている。

 日米経済対話の初回会合が18日に都内で開催され、その後20~21日には米ワシントンでG20(主要20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議が実施されるなど、この先も重要イベントが目白押しだ。そのため、為替問題を巡るトランプ政権の出方に、改めて大きな注目が集まっている。

トランプ政権のドル高牽制で浮かび上がる3つの矛盾

 もっとも、今のトランプ政権には為替問題に対する首尾一貫した方針やコミュニケーション・スタイルがうかがえず、そのこと自体が混乱を招いている面は大きい。そして、残念ながら「日米経済対話」や「G20財務相・中銀総裁会合」を境に一気呵成にそれが確立されるとも思えず、しばらくはこうして「ブレ」の激しい状況を覚悟する必要がありそうだ。

 一方で日本政府にしてみれば、日米間に是正すべき為替問題は存在しない、というのが基本スタンスであろう。「対話」において為替問題がどのような優先順位で取り扱われるか現時点で見極めは難しいが、戦術的には初回「対話」直前にドル安円高が大きく進んだことで、むしろ「現在は円が増価している」「市場の変動幅が非常に大きいことを懸念する」などと言い込む“のりしろ”が確保できたと言えるのかもしれない。

 一連の重要イベント直前であるため、本稿では、ドル政策を巡りトランプ政権が直面している政治経済的な「3つの矛盾」に触れておきたい。それは、以下の3つである。

 (1)「国境調整税(BAT)」も含め、トランポノミクスの柱の多くが実はトランプ支持者の直接的メリットにならない政治的矛盾

 (2)米連邦準備委員会(FRB)が推進する超緩和政策からの出口戦略は、本質的にはドル高要因であるという金融政策との矛盾

 (3)長い目で見た場合、財政・経常赤字とドル高の併存は持続可能ではないという経済理論的な矛盾(とそれがもたらすリスク)

 まずは、1つ目の矛盾から見ていきたい。

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