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樋口 晴彦(ひぐち・はるひこ)

警察大学校警察政策研究センター教授/危機管理システム研究学会常任理事/失敗学会理事

樋口 晴彦

1984年東京大学経済学部卒業。上級職公務員として警察庁に。外務省、内閣官房内閣安全保障室への出向経験あり。1994年に米国ダートマス大学MBA。2012年に組織不祥事研究で博士(政策研究)を取得。
危機管理、リスク管理に関して広い知見を有し、特に企業不祥事の研究では第一人者。また、戦国時代、日清・日露戦争、第二次世界大戦などの戦史をマネジメントの観点から分析。

◇主な著書
組織の失敗学』(中央労働災害防止協会) 2012
組織不祥事研究』(白桃書房) 2012
不祥事は財産だ』(祥伝社) 2009

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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 通勤の時に気が付くのが、新聞や雑誌を読んでいる人が、昔と比べて少なくなったということです。これでは出版不況になるのも当然でしょう。その代わりに増殖したのが、スマホでメールをしたり、ゲームをしたりする人々です。利用可能な情報量が飛躍的に増えたとはいえ、将来に役立つ情報を身につけるという点では退化しているのでは。

常識をくつがえす戦史講座~日露戦争

日本海海戦は決して『奇跡的な勝利』ではなかった

2013年6月4日(火)

[一般のイメージ] 日本海海戦において、日本海軍は、ロシア海軍の強力なバルチック艦隊を全滅させるという奇跡的な勝利を成し遂げた。
←日本海海戦は決して『奇跡的な勝利』ではなく、実力どおりの順当な勝利であった。

 ロシアは、日本軍によって封じ込められた旅順艦隊に増援を送るため、バルト海方面の艦隊から艦艇を引き抜いてバルチック艦隊(正式名称は「第二太平洋艦隊」)を編成した。1904年10月にリバウ軍港を出航した同艦隊が、対馬沖にその姿を現したのは、翌1905年5月27日のことである。

 日本海海戦に参加した戦艦数は、日本側が4隻、ロシア側が8隻だった。日本側の戦艦は、「敷島」型3隻(「三笠」「朝日」「敷島」)と「富士」の4隻である。「富士」の排水量は約1万2500トンで、約1万5000トンの「敷島」型と比べてサイズがやや小さい。しかし、主砲の装備と速力では同等――いずれも30センチ主砲4門、最大速力は18ノット――であった。このように各艦の性能が揃っていることは、艦隊として行動する上で非常に有利であった。

表1 日本側主力艦
艦名 完成年 排水量 最大速力 主砲 副砲
三笠 1902年 15,100トン 18ノット 30センチ砲×4 15センチ砲×14
朝日 1900年 15,200トン 18ノット 30センチ砲×4 15センチ砲×14
敷島 1900年 14,800トン 18ノット 30センチ砲×4 15センチ砲×14
富士 1897年 12,500トン 18.2ノット 30センチ砲×4 15センチ砲×10
(装甲巡洋艦)
出雲 1900年 9,700トン 20ノット 20センチ砲×4 15センチ砲×14

実戦投入が早すぎたロシア戦艦

 ロシア側の戦艦は、「ボロジノ」型戦艦4隻(「スワロフ」「アレクサンドルIII世」「ボロジノ」「アリョール」)と、「オスラービア」「シソイ・ウェリキー」「ナワーリン」「ニコライⅠ世」の計8隻である。「ボロジノ」型戦艦とそれ以外の4隻には、速力や主砲に違いがあって、共同作戦が容易でないことが見てとれよう。

表2 ロシア側主力艦
艦名 完成年 排水量 最大速力 主砲 副砲
スワロフ 1904
13,500
トン
17.6
ノット
30センチ砲×4 15センチ砲×12
アレクサンドルⅢ世 1903
13,500
トン
17.6
ノット
30センチ砲×4 15センチ砲×12
ボロジノ 1904
13,500
トン
17.6
ノット
30センチ砲×4 15センチ砲×12
アリョール 1904
13,500
トン
17.6
ノット
30センチ砲×4 15センチ砲×12
オスラービア 1901
12,600
トン
18
ノット
25センチ砲×4 15センチ砲×11
シソイ・
ウェリキー
1896
10,400
トン
15.6
ノット
30センチ砲×4 15センチ砲×6
ナワーリン 1895
10,200
トン
15.8
ノット
旧式
30センチ砲×4
旧式
15センチ砲×8
ニコライⅠ世 1891
9,600
トン
16.8
ノット
旧式
30センチ砲×2
旧式
23センチ砲×4
(装甲巡洋艦)
ドミトリー・
ドンスコイ
1886
5,600
トン
16
ノット
旧式
20センチ砲×2
旧式
15センチ砲×14

 ロシア側の主力である「ボロジノ」型戦艦は、排水量1万3500トン、30センチ主砲4門、最大速力17.6ノットであり、仕様上では日本側の戦艦と同等であった。しかし、「ボロジノ」型4隻のうち3隻は、出撃直前の1904年8月または9月に完成したばかりだった。対する日本戦艦は、完成後に数年が経過し、兵器としての機能を十分に発揮できる「脂の乗り切った」状態だった。

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