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山内 明(やまうち・あきら)

弁理士/AIPE認定 知的財産アナリスト(講師)

山内 明

大手メーカーにて精密機器開発に従事し、優秀発明賞(社長賞)を受賞。大手特許事務所勤務を経て知財ベンチャーに転身し、カーボンナノチューブの事業化支援(事業会社設立に貢献)やロボットスーツの知財権利化支援(21世紀発明賞受賞に貢献)等を担当。2006年以降、三井物産グループ向け知財コンサル部門を統括し、知的財産デューデリジェンス、知的財産価値評価、知財情報解析活用によるマーケティングやアライアンス支援等、攻守に亘る広範なサービスを提供している。
知財経営に役立つ知財情報戦略(解析)をテーマとし、弁理士継続研修、知的財産アナリスト認定講座、大学院(MOT)講座等の講師を多数担当。

◇主な著書
「オープンイノベーション時代の知財経営に役立つ知財情報解析」知財研フォーラム 2012 Winter Vol.88』(知的財産研究所) 2012

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

知財情報から見える企業イノベーション

強力な特許ポートフォリオを持つマイクロソフト

2013年5月29日(水)

 米マイクロソフトといえば、Windowsシリーズに代表されるパッケージソフトウエア事業が中心。しかし近年、企業向けITソリューションや家庭用ゲーム機(Xbox)など、事業の多角化にも余念がない。以前は、2007年に提訴されたカナダi4iとの特許訴訟に敗訴し、Wordに含まれるカスタムXMLの文書管理関連のプログラムの修正を余儀なくされるととともに、約2億9000万ドルの損害賠償命令を下されるなど、知財戦略に長けているとは言いがたい状況であった。

 ところが特許訴訟での敗戦を教訓とするかのごとく、研究開発への投資を加速させた。米国年間特許取得件数において2000年には244件(第45位)であったのが、2006年は1463件(第12位)、2009年は2906件(第3位)と急増させている(直近の2012年も2613件で2000件台後半を堅持)。しかも近年では、同社が保有するAndroid関連特許のライセンス供与などの権利活用にも積極的(マイクロソフトのホームページ参照)である。得られたライセンス料を研究開発に再投資するという、PDCAサイクルを実践している企業としても注目されている。

 今回はマイクロソフトに注目し、上述したAndroid関連特許などのモバイル機器関連の知的財産に焦点を当てて分析する。これまでの米アップル、韓国サムスン電子、米グーグルの分析結果との対比を適宜しながら、同社の強みを分析する。本分析/予測には、これまでと同様に知財情報戦略を適用する。知財情報戦略は、知財情報を適切に絞り込んで母集合を設定する検索ステップと、設定した母集合をいろいろと分析した上で将来予測をする分析ステップとからなる。今回も、検索ステップでは米国特許商標庁(USPTO)が特許出願ごとに、技術内容に応じて付けるインデックスの中で、国際特許分類《注1》に着目。その中でもG06F(電気的デジタルデータ処理)を用いて絞り込む。これを使用することで、モバイル機器とは関連が薄いマイクロソフトのパッケージソフトウエア事業に関連する特許出願などをノイズとして除外できる。

《注1》International Patent Classification(IPC)。国際共通の特許分類であり、グローバルな特許調査や分析に好適。上位から順にセクション、クラス、グループという階層構造を持つため、目的に応じた大小の分類が可能。なお、米国におけるUS Classification(USC)など、独自の特許分類を併用する国がある。

 続く分析ステップでは、まず主要プレーヤーとのポジションを把握。その後、マイクロソフトのみを掘り下げて分析する。主要プレーヤーとしてはこれまでと同様に、マイクロソフトのほか、アップル、サムスン、グーグルの4社を選定した。また、米国特許には、「Utility Patents(日本で言う特許権)」と別に「Design Patents(日本で言う意匠権)」が存在する。本稿で単に「特許」という場合には、Utility Patentsを意味するものとし、単に「意匠」という場合には、後者を意味するものとする。

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