篠原 匡

篠原 匡

ニューヨーク支局長

最近のトピックス

 記者時代は出張三昧でしたが、今は締め切りやら入稿やらで会社を出ることもできません。雑誌やムックを作る作業は極めて楽しいのですが、出張にいけないのがストレスな今日この頃。気分転換は家庭菜園と競艇とEテレ。このまま髪を巻き続けるかどうかが最近の悩み。

トランプのアメリカ~超大国はどこへ行く トランプ大統領の“ウォーターゲート事件”

焦点は共和党が大統領を見捨てるか否か

  • 2017年05月19日(金)
FBI長官を電撃解任されたコミー氏。同氏が残したメモが司法妨害疑惑の発端となった(写真:ロイター/アフロ)

 ホワイトハウスに乗り込んで以来、過激な政策や奔放な発言で物議を醸しているトランプ大統領。就任後100日あまりが経過したここに来て、就任以来、最大の危機に直面している。足元で火を噴いているのはロシア外相に対する機密情報の漏洩と、ジェームズ・コミー米連邦捜査局(FBI)長官の解任に端を発した捜査妨害だ。

 機密情報の漏洩はトランプ大統領がロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と5月10日に会談した際に、過激派組織「イスラム国」(IS)の国際テロに関わる機密情報を伝えたとされる問題だ。この問題を5月15日に報じた米ワシントンポストによれば、米国の諜報能力を証明するために衝動的に漏らしたようだ。今回の情報を収集したのはイスラエルと言われており、他国が収集した情報を安易に漏らせば関係国の情報共有に多大なる影響を与える。

 H.R.マクマスター国家安全保障担当大統領補佐官は、「(大統領の言動は)全く適切だった」と即座に火消しに走ったが、報道内容そのものは否定していない。トランプ大統領はラブロフ外相に明かしたのは極秘情報ではなく、情報を開示するかどうかは大統領の権限だとツイッターで弁明している。

 だが、報道によればラブロフ外相に伝えた内容は最高機密に分類されるもの。米軍の最高司令官たる大統領が最高機密とされている情報を、あろうことかロシアに提供していたとすれば、大統領自身がインテリジェンスの重要性や大統領の職責を全く理解していないというに等しい。

 この機密漏洩疑惑によってホワイトハウスは大混乱に陥った。さらに翌5月16日、ニューヨークタイムズが大統領による司法妨害をたたみかけるように報じたことで、反トランプの火勢は燎原の火のごとく広がりつつある。とりわけ司法妨害は致命傷になり得る。

    著者プロフィール

    篠原 匡

    篠原 匡(しのはら・ただし)

    ニューヨーク支局長

    1975年生まれ。1999年慶応大学商学部卒業、日経BP社に入社。日経ビジネス記者や日経ビジネスオンライン記者を経て、2012年10月から日経ビジネスクロスメディア編集長。建設・不動産、コミュニティビジネス、地域作り、人物ルポなどが得意分野。現在は別冊やムック、書籍などを作っている。趣味は家庭菜園と競艇、出張。

    アクセスランキング