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御立 尚資(みたち・たかし)

ボストン コンサルティング グループ シニア・パートナー&マネージング・ディレクター

御立 尚資

京都大学文学部卒。米ハーバード大学経営学修士(MBA with High Distinction)。日本航空を経て現在に至る。
事業戦略、グループ経営、M&A、経営人材育成などのプロジェクトを手掛ける。
経済同友会 副代表幹事
国連WFP協会 理事

◇主な著書
変化の時代、変わる力――続・経営思考の「補助線」』(日本経済新聞出版社) 2011
経営思考の「補助線」――変化の時代とイノベーション』(日本経済新聞出版社) 2009
戦略「脳」を鍛える』(東洋経済新報社) 2003

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 自社の経営会議が、世界中持ち回りで開催されるので、あちらこちら飛び回ることになります。びっくりするのが、どこへ行っても日本に詳しい方がいらっしゃること。ただ問題なのは、日本を学ぶソースがいまだに明治期に出された書籍であること。岡倉天心「茶の本」、新渡戸稲造「武士道」、内村鑑三「代表的日本人」という英語で書かれた3冊です。

 現代版「茶の本」、新興国偏重から日本再発見にシフトしつつある今こそ、出すべき本なのではないでしょうか。

御立尚資の帰ってきた「経営レンズ箱」

山本益博さんの「3年で仏料理2000回」に学ぶ

2017年3月13日(月)

「すきやばし次郎」を世界に知らしめた山本さん

 鮨の名店、すきやばし次郎を世界に知らしめた山本益博さん。彼の著作が好きで、ずっと読んできたのだが、1996年に出された『食べる:店の流儀、客の心得』(服部幸應さんとの共著、講談社)にこんな一節がある。

 「日本人がフランス料理を理解する道筋はなんでしょうか」という私の問いに対して、こういったんです。「毎日たべることです」と。(中略)
 「フランス料理と毎日付き合わなければ、フランス料理のことは終生わからないよ。それはフランス人だって同じことさ」。 で、私は3年間に2000回食べ歩くというフィールドワークを実行したというわけです

 これは、山本さんがフランス料理というものに出会い、もっと理解したいと思って、フランスの有名シェフたちに問いかけをした部分だ。

 自分のものさしを持つために、徹底的に経験を積み重ねる。これを実行することが、評論家としてひとかどのことを言えるようになるための前提条件だった、ということを他のご著書でも繰り返し語っておられる。

安倍首相がオバマ米大統領をもてなした鮨の名店「すきやばし次郎」。店主の小野二郎さんと山本益博さんは、鮨の魅力を英文併記で世界に紹介する書籍『鮨 JIRO GASTRONOMY』(小学館)を共著で出版している。(写真:Photoshot/アフロ)

「今までとは違うレベル」で楽しむための「ものさし」

 とてもとても評論家のレベルには達し得ないが、自分自身の体験でも、確かに、文化的なもの、ソフトなものの大部分は、一定の経験を踏まないと、その良さが部分的にしかわからないものだ。

 本格的なフランス料理や中国料理、あるいは歌舞伎やクラシック音楽。こういったものは、たまたま最初に好きだと思えるものに出会えても、その深さや拡がりを楽しめるようになるには、ある程度の場数が必要なのだろう。

 典型的な和食ベースの家庭料理と若干の洋風もの(たとえば、ハンバーグやエビフライ!)だけを食べて育ってきた私など、はじめてリドボー(子牛の胸腺肉)のムニエルだの相当酸っぱいキャロットラぺ(ニンジンのサラダ)を食べた時には、正直しみじみ美味しいとは思えなかった記憶がある。

 それが、場数を踏んで、自分なりのものさしができてくると、それまでとは違ったレベルで、十二分に楽しめるようになる。

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