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清水 勝彦(しみず・かつひこ)

慶應義塾大学大学院経営管理研究科教授

清水 勝彦

東京大学法学部卒業。ダートマス大学エイモス・タックスクール経営学修士(MBA)、テキサスA&M大学経営学博士(Ph.D)。戦略系コンサルティング会社のコーポレィトディレクションで10年間の戦略コンサルティング経験のあと、研究者に。
専門分野は、経営戦略立案・実行とそれに伴う意志決定、M&A、戦略評価と組織学習。テキサス大学サンアントニオ校准教授(2000~2010年、テニュア取得)を経て、2010年4月から現職。

◇主な著書
経営意志決定の原点』(日経BP) 2008
戦略と実行-組織的コミュニケーションとは何か』(日経BP) 2011
実行と責任 日本と日本企業が立ち直るために』(日経BP) 2012

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

MBAプラスアルファの読書術

気鋭の企業が導入する「悪いガバナンス」?

2015年10月29日(木)

 10月3日から6日にかけてデンバーで開かれた第35回Strategic Management Society(SMS)で論文を発表してきました。この学会は、その名の通り戦略及び周辺領域が中心で、夏に開かれる経営学分野では世界最大のAcademy of Management (AOM)よりもフォーカスも参加者もぐっと絞られています(それでも発表によれば参加者は1000人を超えるとあります)。そして、この学会のもう1つの特徴は「参加費の高額さ」です。AOMが少し上がったとはいえ270ドルなのに対して、ちょっと豪華なパーティーを組み込んで(今回はデンバー美術館で開かれました)1000ドル近く取ります(論文発表者は2割引きくらいになります)。

 ですから、数年前までは「学生や若手の先生を来られなくするため」であるといううわさがまことしやかにささやかれていたのですが、前回のマドリッドも今回も、多くの博士課程の学生が発表をしています。今回、アジアの参加者の比率は8%ということでしたが、実際には欧米の有名大学の博士課程に在籍するアジア系の学生も多く、現実はその2倍超という印象でした。

 ちょうど1週間前にボストンから帰ってきたところということもあり、時差ボケと体調管理に悩まされた一方(何しろ、両方ともビールがおいしいので)、短い期間でしたがいくつか「はっ」と思わされることがありました。コラムの執筆からいったん「引退」を決めながら、まかり越したのはそんなところが理由です。

これまでの多角化 vs. これからの多角化

 ほんの少し前まで、「多角化」はビジネス界でも学界でもあまり人気のないトピックでした。1970年代から80年代の後半くらいまでは結構人気があり、「ポートフォリオマネジメント」「BCGマトリックス」なんてアメリカの教科書にも載っていたのですが、いつの間にかなくなってしまいました。そもそも戦略を考えるときに必要な2つのレベル、事業戦略と企業戦略のうち、後者が多角化にあたり、さらにそれを「商品多角化」「地域多角化」と区別するのが普通でしたが、今では「地域多角化」を「グローバル化」と呼び、「多角化」「シナジー」は「ツチノコ」と同じで、「聞いたことはあるが実際に(機能しているの)は見たことがない」状態になりつつありました(注1)。バブルのときにあまりにも節操なくいろいろな事業に手を出し、痛手を受けた企業が「失敗から学んだ」ということかもしれません。「本業回帰」の傾向は今でも続いており、例えば最近の米ゼネラル・エレクトリック(GE)が金融部門を売却し、メーカーに回帰するというのはその良い例でしょう(ただし、実際は付随のサービス業に比率を高めようとしているわけですが)。

(注1)このあたりの基本的なところは、例えば拙著『戦略の原点』(日経BP社)をご覧ください。

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