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森辺 一樹(もりべ・かずき)

スパイダー・イニシアティブ株式会社 代表取締役社長

森辺 一樹

2002年、中国・香港にて、新興国に特化した市場調査会社を創業し、代表取締役社長に就任。2013年、調査会社を売却し、新たに海外販路開拓を主事業とした、スパイダー・イニシアティブ株式会社を創業し、代表取締役社長に就任。大手を中心に1,000社を超える企業に対して新興国展開支援の実績を持つ。

◇主な著書
「アジアで儲かる会社」に変わる30の方法』(中経出版(KADOKAWA)) 2012

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 いま、日本企業が実践すべきは『グローバル・マーケティング』である。グローバル・マーケティングの中で最も重要なのは『チャネル』である。なぜならば、かつて日本企業しかつくれなかったモノが、アジアの企業でも作れるようになってしまったからだ。「技術力こそ最強の武器」はもはや過去の話となった。日本企業は今こそ「チャネル構築」への戦略的投資をすべきである。

 海外販路開拓とは、売り先の確保ではなく、チャネルの構築でる。強いチャネルを構築した企業だけが、アジア新興国市場において、サステイナブルな成長を実現できる。

アジアにおける戦略的チャネル構築

P&Gから学ぶアジアのチャネル構築

2014年11月17日(月)

歴史、生い立ちの違いを知れ

 P&Gの創業は、1837年。直近の売上は9兆円強、時価総額23兆5000億円を誇る世界最大の一般消費財メーカーだ。衣料用洗剤・柔軟剤、台所用洗剤、ヘアケア製品、紙おむつや生理用品、スキンケアや化粧品に至るまで、P&Gの製品は、世界中のどこででも買うことができる。アジア新興国においても、都市部は勿論のこと、僻地であってもそれは変わらず、その配荷力の凄まじさには驚きを隠せない。

 P&Gと日本企業では、アジア新興国のチャネル構築における、歴史や生い立ちにそもそも圧倒的な差が存在する。P&Gが、アジア新興国市場に照準を合わせたのは、1980年代後半だ。日本はまだまだバブル景気を謳歌していた時代だが、アジア新興国は、大手小売りチェーンや、ディストリビューターという業種が殆ど存在しない時期であった。その時期から販売を行っているP&Gは、ディストリビューターよりもアジア新興国におけるディストリビューションを知っている企業なのだ。

 そんな状況下において、ここ10年足らずで日本企業がとにかく現地法人を設立して、そこに駐在員を送り込み、表面上だけのチャネル構築を行っても歯が立たないのは当然のことである。今、アジア新興国で比較的成功していると言われる日系企業でも、市場と捉えて販売を開始したのは、せいぜいここ10年程度のことだ。

 勿論、日本のどの一般消費財メーカーも、P&Gに勝とうなどとは思っていないのかもしれない。しかし、二番手、三番手を狙うにしても、P&Gのアジア新興国市場における長い歴史や生い立ちから学べるケーススタディは多い。その歴史や生い立ちを知ることから始めるのが、まずはスタートラインに立つということである。

P&Gと日系先進グローバル企業がアジア新興国を市場と捉えた時期
出所:スパイダーにて作成。
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