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武田 安恵(たけだ・やすえ)

日経ビジネス記者

武田 安恵

2006年東京大学大学院学際情報学府修了。専門はジャーナリズム、メディア論。日経ホーム出版(2008年に日経BPと合併)に入社。日経マネー編集部にて個人向けの投資やマネープランに関する情報を提供する。2011年4月より現職。マクロ経済、金融、マーケット担当を経て現在は百貨店、ホテル、レジャー業界なども担当する。特技は空手(松涛館流2段)。

◇主な著書
私のマネー黄金哲学』(日経BP出版センター) 2010

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 家事と育児、仕事の両立に行き詰った時に読み返す本があります。柏木博著『家事の政治学』(青土社)初めて読んだのは学生時代ですが、読むたびに新鮮な発見がある本です。内容を簡単に紹介すると、生活者にとっては究極ともいえる「家事の省力化」という課題に近代以降の人々はどう取り組んできたのかを歴史社会学的な視点から追った本です。しかし結局のところ、家事を「生活の営み」とみなすのか「労働」として考えるのか。この問題に行き着くのではないでしょうか。

 家事は、近代以降に生まれた概念ともいえます。資本主義が発達した近代以降、人々は労働者として外で働いて賃金を得て、その賃金で生活に必要なものを購入するようになりました。労働そして消費が対となって資本主義システムが機能するわけです。しかし、このシステムに組み込まれなくなったのが「家事」です。近代以前の自給自足の生活では、食糧を得て料理する、裁縫、住まいのメンテナンスなどといったことは「生きるための労働」でした。それが近代以降の賃金労働は必ずしも生きるための労働ではなくなったため、生活維持に必要な一連の作業が「家事労働」という形で発生するのです。

 問題は「誰がやるか」ということです。我が家は共働きですが、どうしても負荷は私にかかってきます。このやるせなさを解消するために時々私は『家事の政治学』を読み、考えるのです。家事とはなんぞや・・・。

 

Special Report

投信販売、背水の陣 顧客本位に変われるか

2017年9月4日(月)

長期投資に適すると金融庁が認める投資信託商品は、わずか1%。あまりにお寒い現状に、森信親長官が痛烈な言葉で批判を続けている。業界の改革はどこまで進むのか。トップの「覚悟」と販売現場の実態に迫った。

(日経ビジネス2017年6月12日号より転載)

 「手数料獲得が優先され顧客の資産を増やすことができないビジネスは、そもそも社会的に続ける価値があるものなのか」

 「おいしいレストランは繁盛し、まずくて高い店は淘汰される。投資商品についても同様のインフラが作られることが望ましい」

金融庁の森信親長官は就任以降、一貫して毎月分配型投信とその販売体制を批判してきた(写真=共同通信)

 森信親金融庁長官によるこんな批判が、投資信託の運用・販売に関わる銀行、証券会社、運用会社を震撼させた。4月に開かれた日本証券アナリスト協会での国際セミナー。そこに招かれた監督官庁のトップが投信の現状をばっさりと切り捨てたのだ。

 森長官は2015年7月の就任以来、ことあるごとに日本における投信の手数料の高さや設定期間の短さなどの問題点を指摘してきた。「フィデューシャリー・デューティー対策室」といった名称の社内組織を急ごしらえする会社が相次いでいるのは、そのためだ。英語で「顧客本位の業務運営」を意味するこの横文字に業界は、「右往左往している状態」(セゾン投信の中野晴啓社長)だという。

業界への風当たりは厳しくなる一方
●投信販売に対する主な金融庁の発言、動き
出所:金融庁ウェブサイト、各種報道より編集部作成

 改革スピードが遅い業界に金融庁の姿勢は先鋭化してきた(上の表を参照)。そしてついにトップ自ら「社会的に続ける価値があるのか」とまで言い放った。運用会社関係者は「森さんは本気なんだという姿勢が伝わってきた」と振り返る。

 株や債券に直接投資するよりも少ない金額でリスク資産を長期保有できる投信は、個人にとってハードルが低く、資産形成の手段として活用しやすい金融商品の一つだ。金融庁は14年に年間120万円、5年間の取引を非課税とする少額投資非課税制度(NISA)をスタートし、個人マネーを投信に誘導する流れを作った。そして18年から始まるのが年間40万円を20年間非課税とする「積立NISA」。株式などを分散保有し長期投資で資産形成する、投資信託という金融商品の特性を最大限生かせるようにした制度だ。

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中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長