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上阪 徹(うえさか・とおる)

ライター

上阪 徹

1966年、兵庫県生まれ。89年、早稲田大学商学部卒。リクルート・グループなどを経て、95年よりフリー。経営、金融、ベンチャー、就職などをテーマに、雑誌や書籍などで幅広く執筆やインタビューを手がける。インタビュー集に累計40万部を超えるベストセラーとなった『プロ論。』(B-ing編集部編/徳間書店)シリーズ、『外資系トップの仕事力』(ISSコンサルティング編/ダイヤモンド社)、『我らクレイジー★エンジニア主義』(リクナビNEXT Tech総研編/講談社BIZ)がある。

◇主な著書
リブセンス』(日経BP) 2012
書いて生きていく プロ文章論』(ミシマ社) 2011
600万人の女性が支持する「クックパッド」というビジネス』(角川SSC) 2011

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 これまで3000人以上の成功者たちにインタビューしてきましたが、その「教え」は結局どういうものだったのか、私なりにまとめた書籍を5月末に刊行することになりました。そのために、過去にインタビューしたものを、昨年秋から古い雑誌なども含めて改めて読み直していたのですが、改めてみなさん、いいことをおっしゃっているなぁ、と感動。成功者に言葉あり、だと思いました。

 中でも印象的だった言葉に「自分がヒーローインタビューを受けているところを想像できるか」があります。成功する人の条件を尋ねたとき、ある経営者からの返答でした。インタビューに答えられないようでは、成功など望むべくもない。インタビューが受けられるほどに、波瀾万丈な経験をしてこい。それができないようでは、まだまだ成功はおぼつかない、と。なるほど面白い考え方だと思いました。実際、どんな分野の人であれ、成功している人でインタビューに困ることはありません。みなさんそれなりに語る何かを持っておられる。だからこそ、インタビューは成立するのです。それを最も読者に伝わる形にしてお届けするのが、私の使命です。

グーグルで最も活躍する日本人の軌跡

【最終回】彼が語ったグーグルで働くことの価値

2013年7月18日(木)

 日本の有名進学校を中退してアメリカの高校に編入し、アメリカの大学、大学院、シリコンバレーのベンチャー企業とキャリアを積んだのが、グーグルジャパンの顔として活躍する徳生健太郎である。シリコンバレーでリストラの憂き目にも遭った徳生は、2003年、グーグルのアメリカ本社に入社。かつて暮らした日本向けに、モバイル検索やグーグルマップをいち早く展開、アメリカ本社でも大きな注目を浴びる。2005年のことだ。

 その後、2009年に徳生はグーグルジャパンに製品開発本部長として赴任する。徳生の日本での生活も、既に4年目になった。日本勤務も含めたとき、改めてグーグルの強さは、どこにあると感じているのだろうか。

 「やっぱり人ですね。インディペンデントに動ける人材が集まっている会社なんです。いろいろなところでリーダーを経てきた人が集まっているから、個々の技能が高いことに加えて、自発的なモチベーションも高いので、放っておいても何かが起こる。良い意味でも、悪い意味でも。だから重要になるのが、リーダーのような人材が多い集団をまとめ上げることのできるリーダーシップなんです」

正しいことをしようとする引力が働く

 例えば、高いゴールを与える。そのゴールをみんなで決定させる。

 「ゴールがあって、ソリューションを作って、やり方まで伝えるのは本当に経験の浅い人には必要かもしれませんが、多くの場合は、課題をともに認識できれば、ソリューションを考え、具体的な手順を考え、実行していくんです。リーダーが想像していたよりも優秀なソリューションができるし、現場の人たちも、自分たちが課題を解決したんだ、という達成感と誇りを得られる」

 これは以前の回(シリコンバレーでも異質だったグーグルの組織文化)でも少し触れたが、徳生はこのリーダーシップスタイルに慣れない時期に失敗をしている。

 「今でもするときがあるんですが、説明し過ぎてしまうわけです。そうすると、“結局、ゴールは何ですか”なんて、とりあえず最終目標を求める声が飛んできたりします。“分かりました。後はエンジニアで任せてください”とピシャリとミーティングが打ち切られて(笑)。しかも相手は20代の社員だったりして。そういう気持ちのいい跳ね返りがあるから、この会社はやめられないなぁと思うんです」

 グーグルの強さと感じたものとして、もう1つ徳生が挙げるのが、「正しいことをしようとする引力が働いている」ことだ。

 「例えば社内の議論では、ユーザーにとって何が正しいかということが、まず最優先事項になるんです。だから、誰にも説明がしやすい。正しいことをすればユーザーがついてきてくれる、というのは創業から変わらないグーグルの考え方です」

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