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鈴木 友也(すずき・ともや)

トランスインサイト代表

鈴木 友也

ニューヨークに拠点を置くスポーツマーケティング会社、「トランスインサイト」代表。1973年東京都生まれ。一橋大学法学部卒、アンダーセン・コンサルティング(現アクセンチュア)を経て、米マサチューセッツ州立大学アムハースト校スポーツ経営大学院に留学(スポーツ経営学修士)。日本のスポーツ組織、民間企業、メディア、教育機関、自治体などに対してコンサルティング活動を展開。講演、執筆でも活躍中。中央大学非常勤講師(スポーツ経営)。Yahoo!ニュース「個人」オーサー

◇主な著書
勝負は試合の前についている ~米国スポーツビジネス流「顧客志向」7つの戦略』(日経BP) 2011
60億を投資できるMLBのからくり』(ベースボール・マガジン) 2007
スポーツ経営学ガイドBOOK』(ベースボール・マガジン) 2003

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 今年で40になります。32、33歳くらいから年齢はあまり意識しない(数えない)ようになったのですが(本当に自分が何歳なのか時々分からなくなりました)、40歳を目前にすると、少し身構えるものですね。幸福のベースになる「健康」と「家族」を大切に、一歩一歩丁寧に歩んで行こうと思います。

 最近は優秀な若い人に会う機会が増えたと感じます。30代だった今までは「自分が、自分が」という気持ちが比較的強かったかもしれません。これからは優秀な若い人に活躍の機会を創りだすことも自分のミッションとして明確に意識しようと思います。

鈴木友也の「米国スポーツビジネス最前線」

トランプ政権はMLB拡張と五輪招致に悪影響か

2017年3月9日(木)

 米国ではトランプ政権が誕生して1カ月が経ちました。政治経験のない大統領ということで就任以来、既存の枠組みにとらわれない、良く言えば破天荒な、悪く言えば無茶苦茶な政治手腕を発揮しています。

 私が仕事の拠点を置くニューヨーク市マンハッタンはリベラルの牙城です。下馬評を覆して「トランプが勝利するかもしれない」というまさかの開票結果が流れ出した11月8日の夜は、街中がまるでお通夜のような雰囲気でした。これは、祝福のため自動車のクラクションが鳴り響いた、2008年のオバマ大統領誕生の時とは対照的でした。

 私は米国に17年住んでいますが、ここまで米国社会が不安に満ち、先が見えなくなったのは初めてのことです。一住民として言いたいことは色々ありますが、それは私の専門分野ではないのでここでは置いておくことにします。今回のコラムでは、トランプ政権の誕生が米国スポーツ界に与える影響について整理してみようと思います。

隣国へのMLB拡張に冷や水

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メキシコ国境に壁ができれば、米メジャーリーグ(MLB)の拡張計画も頓挫しかねない。(写真提供:ロイター/アフロ)

 トランプ政権は製造業の生産拠点を米国内に取り戻すことによって雇用を生み出す方針を掲げ、メキシコで工場建設計画を進めていたフォード・モーターやトヨタ自動車がトランプ氏の“ツイッター砲”のやり玉に挙げられたのはご存知の通りです。こうした産業保護政策の影響を最も大きく受けるのは、実は米メジャーリーグ(MLB)かもしれません。

 米国プロスポーツは国内市場の成熟化に伴い、海外市場への進出を積極的に推進しているところですが、従来まで海外ではテレビ放映権やインターネット配信、広告など権利ビジネスが中心でした。要は、製品である試合は米国内で“製造”し、国外ではその映像配信ビジネスで儲けていたわけです。

 しかし、近年、チーム数を増やす(エクスパンション)ため、海外にチームを設立しようとする動きが活発化してきています。球団を設立すれば、フランチャイズ都市を中心にファンが生まれ、より強固なビジネス基盤を構築できるためです。そして、海外に球団を設立しようとする急先鋒がMLBです。

 MLBは近年、米国に隣接するカナダ(モントリオール)とメキシコ(メキシコシティ)に新たに球団を設立する計画を進めていました。これは見方を変えれば、製品(試合)の製造拠点を海外にも作るという話です。しかし、トヨタのように「メキシコに球団を作るくらいなら米国内に作って雇用を増やせ」と批判を受けるかもしれません。

 特に、トランプ大統領は選挙中からメキシコ国境に壁を作ることを公言しており、実際に大統領就任後、いち早く大統領令を出して壁建設に着手しようとしています。米国内の不法移民排斥の動きも相まって、今や米国とメキシコの関係は悪化の一途をたどっています。

 既にメキシコではコカ・コーラやマクドナルド、スターバックス、ウォルマート、フォードなど代表的な米国企業の製品の不買運動も一部で起こっており、このような中でのメキシコへの新球団設立は地元住民からの反発を招く恐れもあります。選手の安全を確保するセキュリティーコストも跳ね上がってしまうかもしれません。こうした不安定な情勢の中では、選手会も簡単には首を縦に振らないでしょうから、MLBはより慎重な対応を練らざるを得なくなってしまいました。

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