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松本 真由美(まつもと・まゆみ)

東京大学 客員准教授

松本 真由美

熊本県出身。上智大学外国語学部卒業。東京大学教養学部客員准教授(教養教育高度化機構 環境エネルギー科学特別部門)。NPO法人・国際環境経済研究所(IEEI)理事。専門は、環境コミュニケーション。研究テーマは、環境とエネルギーの視点から持続可能な社会のあり方。大学卒業後、TV朝日の報道番組のキャスター、レポーター、ディレクターとして取材活動を行い、その後、NHK衛星第一放送でワールドニュースキャスターとして「ワールドレポート」等の番組を6年間担当した。現在は、東京大学教養学部での学生への教育と研究を行う一方、講演、シンポジウム、MC、執筆など幅広く活動する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

エネルギー論壇

日本の建物はこんなに「燃費」が悪い

2013年7月22日(月)

 本格的な夏が到来した。3.11以降、「クールビズ」などの節電アクションはすっかり定着したと言ってもいい。国は昨夏のように具体的な節電目標を掲げるのではなく、今夏は家庭や事業者に無理のない範囲で、できる限りの節電を求めている。

 日本は、国民の生活様式が元来省エネ志向であるため、エネルギー消費量は他国と比較しても多くはない。しかし、生活様式が徐々に欧米化してきているため、エネルギー消費量は年々増加傾向にある。

業務部門で省エネ進まず

 製造業では、1970年代からGDPとエネルギー消費のデカップリングが見られ、省エネや節電対策が進んできた。また運輸部門でも90年代後半をピークにGDPとエネルギー消費のデカップリングを達成している。しかし、残念ながら業務部門においては、GDPとエネルギー消費の相関関係が依然高く、民生部門の省エネ・節電対策はこれからの状態である。

製造業のエネルギー消費と経済活動
(注1) 「総合エネルギー統計」では、1990年度以降、数値の算出方法が変更されている。
(注2)1979年度以前のGDPは(財)日本エネルギー経済研究所推計
(出所)経済産業省「鉱工業指数」、資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」をもとに作成
業務部門におけるエネルギー消費の推移
(注1) 「総合エネルギー統計」では、1990年度以降、数値の算出方法が変更されている。
(注2) 1979年度以前のGDPは(財)日本エネルギー経済研究所推計
(出所)内閣府「国民経済計算年報」、(財)日本エネルギー経済研究所「エネルギー・経済統計要覧」、資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」より経済産業

 オフィスはクールビズなど節電アクションを取りやすく、空調の設定など自分たちが我慢すればいいだろう。しかし、働く人の集中力が低下し生産性が落ちるのは否めない。また百貨店、スーパーマーケットなどのお客様相手の業種の場合、例えば照明を落とすと購買意欲が低下するといった懸念もある。また、ぎりぎりまで我慢して一斉に皆が空調をつけると、社会全体として電力のピークカットにはならない。

 現在の日本における節電には2つの軸があると言えるだろう。1つは、原発停止中の火力発電による化石燃料の消費増大から、国民的に省エネルギー化への取り組みが求められていること。2012年の燃料費は前年に比べて3兆円増え、2012年のCO2排出量も前年比5.8%増えている。

 2つ目は、電力消費量のピークカットとしての省エネ・節電活動である。夏と冬の一定時間帯における電力消費量が瞬間的に増加し、エネルギー供給量がひっ迫する問題が起きている。このピークカット問題をどうするかが緊急の課題である。

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