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大東 威司(おおひがし・たかし)

資源総合システム 太陽光発電事業支援部 社長補佐 担当部長

大東 威司

1996年3月早稲田大学大学院理工学研究科資源工学専攻修了(工学修士)、1995年10月株式会社資源総合システム 入社。

経済産業省及び新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)をはじめとする太陽光発電システムに関する普及、技術、市場に関する調査多数。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

エコロジーフロント

窮地に追い込まれる中国太陽電池メーカー

2013年5月27日(月)

 世界の太陽光発電システム市場は、年を追うごとに拡大しており、各国でのエネルギーセキュリティや地球温暖化防止への関心の高まりもあって一般社会の耳目を集めるようになった。

 従来、ドイツを中心とするヨーロッパ諸国がフィードインタリフ(FIT=固定価格買取)制度などをてこに太陽光発電システムの普及を主導してきたほか、米国でもRPS制度や税額控除制度などにより普及が進んだ。

 日本は、特に補助金をベースに住宅用太陽光発電システムの普及を進めてきたが、昨年からはFIT制度の開始により、メガソーラーや産業用太陽光発電システムの導入が急拡大している。

 また、主なサプライヤーとしては、中国の太陽電池メーカーが急速に台頭し、台湾勢と共に世界の半分以上を供給している。かつて世界トップレベルを誇った日本メーカーは、これら新興企業に圧倒され、低価格競争に苦しんでいる・・・という構図になっているが、厳しい競争に苦しんでいるのは、そのきっかけを作った中国企業においても同様である。

新規参入続出による供給過多の状況

 2013年3月のSuntech Power(サンテックパワー)の太陽電池製造子会社の破綻のニュースは記憶に新しい。それ以外にも、Yingli Green EnergyやTrina Solarのほか、JA Solar、Jinko Solar、LDK Solarといった名だたる企業においても、四半期決算での営業赤字が継続している。

 多くのメーカーが多額の負債を抱え、転換社債などの償還期限が次々と迫っている。一部は出資者との協議で償還期限の延期も実施されているが、将来的に返済のメドがどの程度ついているのかは非常に不透明である。

 また、中国国家開発銀行(CDB)をはじめ、国営企業や地元の地方自治体関係者がプロジェクト開発や雇用維持の名目で太陽電池メーカーに出資し、再建を目指して経営権を握るなど、国営化へ向けた動きが見られる。

 これらの原因は、ヨーロッパを中心としたFITなどインセンティブの魅力減退による需要の伸び悩みや後退、過剰な設備投資が招いた太陽電池工場の稼働率の低下、厳しい低価格競争といった悪循環が続いていることにある。

 太陽光発電という新しい産業が完全に政策主導であり、需要創出の側面と新規参入続出による供給過多の状況とが整合していないことは明らかである。

 中国の多くの太陽電池メーカーが、太陽電池セルあるいはモジュールという太陽光発電システムの一部のパーツを専業とする企業であり、バランスシートが悪化していることから、“バンカビリティ”(融資適格性)を重視する機関投資家はその事業リスクの度合いを慎重に測っている状況である。

 これに対して、中国政府はどう考えているのであろうか。

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