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岩下 真理(いわした・まり)

SMBCフレンド証券 シニアマーケットエコノミスト

岩下 真理

1988年慶応義塾大学商学部卒業、旧太陽神戸銀行入行。三井住友銀行の市場部門で15年、日本経済、円金利担当のエコノミストを経験。2006年に旧大和証券SMBCに出向、2008年4月からチーフマーケットエコノミストとして債券顧客向けの情報提供、顧客訪問、セミナー等講師を務める。その後、2009年10月に旧日興コーディアル証券(現SMBC日興証券)のホールセール調査の立ち上げに参画。日銀ウォッチャーとして、グローバルに金融・経済情勢を分析。2013年10月より現職。数少ない民間女性エコノミストとして、総務省消費統計研究会委員、景気循環学会幹事を務める。仕事のモットーは、ホットな情報提供とわかりやすく楽しい経済解説。趣味は世界地図を見ること。パンダ好き。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 私にとって今から2年前、2012年の「日銀バレンタイン会合」は、予想外にも金融緩和の強化を全員一致で決定した忘れられないイベントです。その内容は、(1)「中長期的な物価安定の目途(the price stability goal)」を示し、当面は1%を目途とすること、(2)物価安定の目途が見通せるようになるまで、実質的なゼロ金利政策と金融資産の買い入れ等の措置により、条件つきで強力に金融緩和を推進していくこと、(3)資産買入等基金の10兆円増額(買入対象は長期国債のみ)の3つでした。

 その後、黒田東彦総裁体制下で2013年4月4日の「量的・質的緩和(QQE)」の決定を見てしまうと、2年前の白川方明総裁時代のバレンタイン会合は、“チョコっと”の決定に思えてしまいます。しかしながら、当時は「日銀が実質的な物価目標導入に踏み切った(正式には2013年1月22日)」、「日銀はルビコン河を渡った。本気だ」と海外勢に受け止められて、1カ月程度は円安・株高が進行しました。 黒田総裁体制の2年目も、引続き海外勢とのコミュニケーション力が重要な鍵を握ることになるでしょう。目先はQQE決定から1年後の今年4月に発信するメッセージが大切です。2014年は女性初のFRB議長誕生という記念すべき年です。岩下はこれからも中央銀行ウオッチャーとして、分析を極めていきたいと思っています。

岩下真理の日銀ウオッチング

厳冬にも負けないFRBと日銀

2014年2月14日(金)

 今年の冬も寒さが身にしみるが、北半球の大寒波に凍えるだけでなく、世界の金融市場が一気に冷え込んだ。発端は1月23日のアルゼンチンペソの急落で、経常赤字国であるトルコのリラ、南アフリカのランドといった新興国の通貨連鎖安に波及。その後、世界的な株安も広がり、円の対ドル相場も一時1ドル=101円台まで急速に円高が進行した。

 新興国不安がきっかけではあっても、底流には、米国の金融緩和縮小の見通しを前提として昨年末に傾け過ぎたリスクポジションを足元でいったん落とす動きが加速したと推察される。

 2014年の世界経済は新興国の停滞感が残ると想定されるものの、一部の先進国の牽引で全体のベクトルは緩やかな上向きであり、局地的な弱さが続いたとしても、全体の底堅さは崩れないと見ている。

イエレン新体制に試練

 年明け後に米連邦準備理事会(FRB)の金融政策への不透明感が増したことも、「リスクオフ相場」の一因と思われる。

 2月からFRB議長がイエレン氏に代わったが、そもそもFRB議長の交代期には相場波乱が生じやすいとのジンクスがある。その代表事例は、グリーンスパン氏が1987年8月11日にFRB議長就任、2カ月後の10月19日にブラックマンデーを招いたこと。そして、2006年2月1日就任のバーナンキ議長はすぐに波乱はなかったが、2008年9月にリーマンショックに見舞われた。

 イエレン体制発足を前に1月下旬からの相場の急変は、世界的な株安を先取りした動きとも言えそうだ。

 それでも、昨年5月の市場混乱との違いは、米長期金利は上昇せずに2.7%割れまで低下していることだ。この長期金利の低下地合いは、米国株相場の調整期間を短くする作用があるはずだ。長期金利が安定していれば、リスクオフ相場の長期化は考え難い。

大物副議長指名と強硬タカ派の加入

 1月10日にオバマ米大統領が、次期FRB副議長に前イスラエル中銀総裁のスタンレー・フィッシャー氏を指名した。フィッシャー氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)で博士号取得後、同校の教授時代にバーナンキFRB議長、ドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁、サマーズ元財務長官と、主要ポストを担う人々の恩師である。

 また、世界銀行チーフエコノミストや国際通貨基金(IMF)の筆頭副専務理事を歴任し、IMFでアジア通貨危機などに対処する行政経験は豊富で、金融政策の実務にも精通し、人脈もあるという大物過ぎる副議長だ。本来、副議長は議長のサポート役だが、政治交渉力および人脈面からも、フィッシャー氏が影の実力者になるとの見方が出始めている。

 雇用重視のイエレン氏に対し、フィッシャー氏が金融市場の安定を重視するなら、両氏の政策姿勢が異なってくる可能性がある。

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