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林 則行(はやし・のりゆき)

投資家

林 則行

世界最大の政府系ファンド・アブダビ投資庁の元日本株式運用部長。中東でただ1人、日本人としてオイルマネーを運用。欧米の運用機関でもアナリスト、ファンドマネージャを歴任したプロ。
米国公認会計士。高校・大学時代までは英語が最不得意科目だったが、「投資の世界でどうしても一人前になりたい」とい思い、投資の本場米国で達人の相場ノウハウ修得を目指すために一念発起、全く喋れなかった英語の学習から始めた。
英検2級レベル、TOEFLは合格基準点以下の成績ながら、株式投資の力が評価されてウォール街に最も近いコロンビア大学MBAにぎりぎり合格。「英語が苦手なら英語以外で勝負すればいい」と発想し、英米ビジネスエリートの仕事力、日本人の気遣いが国際社会を生き抜くカギだと見出した(この連載はそのノウハウの公開です)。
MBA修了後、日本人が誰もいないボストンの会社に入社、カタコト英語ながら、ネイティブの英文を直したり、プレゼンテーションの指導をしたりすることができた。
現在は、英語は金メダルレベル(英米人の50%)に到達、松本道弘の弟子。

◇主な著書
「銅メダル英語」をめざせ!』(光文社新書) 2011
株の公式』(ダイヤモンド社) 2010
株の絶対法則』(ダイヤモンド社) 2013

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 「仕事力を伸ばすうえでこれまで最も効果的だったことは何か?」
と問われれば、
「話せもしない英語の世界に飛び込んだこと」
というのがぼくの答えです。もし英語ぺらぺらの日系2世として生まれていたならば、今のような仕事力は身につかなかったでしょう。

 逆境が企業や人を強くすると言われます。企業に中興の祖が現れるのは危機が迫った時です。営業の成績は歩合制社員の方が上がります。残業をしたことがないビジネスパーソンでも独立すれば、土日も働くようになります。

 国際部門に異動になったり、外資系企業に転職した人には言葉の壁が立ちはだかります。海外勤務や、出張、英語での会議を想像してみてください。日本語のように、言いたいことがすらすら言えるわけはありません。ハンディを補うための作戦がいつも必要になります。言葉による説明を補える図表を利用するのはその一例です。

 加えて、海外での仕事は、業務そのものが難しくなります。日本の支店と海外の支店で全く同じ商品を売っていたとしても、海外支店の方が仕事内容が厳しいのです。法律や規制、さらに顧客の嗜好や要求も違うからです。国内で培ってきたノウハウやマニュアルは通用せず、支店レベル、個人レベルで独自のやり方を考えざるを得ません。

 ただし、連載で紹介してきたノウハウ――企画、折衝、プレゼン、読解、メール、気遣い、ユーモアなど――を駆使すれば、仕事力が高まります。急場をしのぐため、火事場の馬鹿力を使っているうちに本物の力がついてきます。ひと言で言えば、考える力が育ってくるのです。

TOEIC500点でも国際人になれる

「自慢話をしない」がコミュニケーションの切り札

2013年11月22日(金)

 ネイティブと話すのって億劫ではありませんか。実は話す必要はないのです。ただひたすら聞くだけで、自然と友人が増え人望が高まります。こちらは英語が満足にできませんから、相手の話を聞く側に回ることになります。それでいいのです。英米人だって日本人と同じように、自分の話を聞いてもらいたくて仕方がないのですから。国際ビジネスで成功したいなら、聞く力を高めることが重要です。

 「起きたんだね。退屈だから後ろの人と話してたんだ」。隣に座ったアメリカ人はそう言いながら、自分の座席に戻ってきました。ぼくが留学に向かう飛行機の中での会話です。

 この時のぼくの語学力は、これから2年間米国で学ぶのにまるで足りないレベルでした。カタコトもいいところだったのです。それでも、やり抜かなくてはなりません。「隣の人と話をしてみよう。ここで通じなかったら、大学で通じるわけがない」という悲壮な覚悟を持って声をかけました。

 案の定、相手の話はよく分かりませんでした。それでもぼくが頷くので相手は話が通じていると思ったのでしょう、どんどん話をしてきました。ただ、飛行機の中は騒々しいので、「何て言ったの?」と何回聞き返しても不自然にはならないことに救われました。それでも、これから13時間も英語が続くのかと思うと憂鬱でした。

相槌だけで人は魅了される

 ぼくは途中で眠くなって寝てしまいました。出発までの準備で疲れていたせいでしょう。1時間後に目が覚めて、話の途中だったことに気づきました。彼は席にいませんでした。

 数分後、彼は戻って来ました。退屈だから後ろにいる別の乗客と話していたが、面白くなかったので戻って来た。君が目覚めたようだから、また話そうよ、ということのようでした。つまり、後ろのアメリカ人よりぼくとの会話の方が楽しい、と言っていたのです。

 これには驚きました。こちらはちんぷんかんぷんだったのですから。ぼくはこう考えました。会話は普通、半分は自分が話すが、半分は相手の話を聞かなくてはならない。相手の話は退屈な場合もある。これに対して、ぼくは相槌一筋だから、100%聞いていることになる。人は話を聞いてくれる人に魅了されるのだ。

 概して人は、他の人に「話を聞かせたい割に、話の中身はたいしたことない」ものです。たまたま隣に座った乗客に折り入って話さなければならないことなどあるはずがありません。「自分は100回以上飛行機に乗っている」とか「六本木なら、日本人の君より詳しい」といったとりとめのない話でした。

 ぼくはここに光明を見た思いがしました。留学でこの手が使えると思ったのです。と同時に、その頃覚えた1つの英単語が頭に浮かんできました。

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