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北方 雅人(ほっぽう・まさと)

日経トップリーダー編集長

北方 雅人

1991年一橋大学社会学部卒業後、日経BP社に入社。日経ベンチャー(現日経トップリーダー)、日経レストランなど経営誌の編集部を経て、2010年より日経トップリーダー副編集長。17年1月より現職。中小企業経営のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ベンチャー最前線

自社オリジナルの教材で若手社員が大きく成長

2018年1月15日(月)

 「日経トップリーダー」が、中小企業基盤整備機構と東京商工リサーチによる協力の下、2014年からスタートした「日経トップリーダー・人づくり大賞」。企業経営の根幹である人材育成に優れた中堅・中小企業にスポットを当て、表彰している。

 ここでは、人づくり大賞受賞企業の1社、長野県飯山市に本社を置くフクザワコーポレーションの人づくりの取り組みを紹介する。最大の特徴は、社員目線で作り上げた独自の教材にある。

 公共土木工事などを手掛ける、フクザワコーポレーション(以下フクザワ)の社員は20、30代が7割を占める。高齢化が進む土木業界では珍しい。しかも、13年連続で長野県の優良技術者表彰を受けており、技術に対する評価は県内トップクラス。この若い技術者集団は、緻密な社員教育プログラムによってつくられる。

フクザワコーポレーションの社員たち。20~30代の若手が多いのが特徴だ。周囲にスキー場が点在する長野県飯山市にある(写真:菊池一郎、以下同)

 新入社員は2カ月かけて13の研修プログラムを受講する。使うのは、百科事典の厚さほどもある自作教材。内容は下に掲載したように極めて実践的だ。

新人研修用の教材には、仕事に即した具体性のある例題が多く盛り込まれている(上は、ある社員が実際に使った教材で、手書き部分は本人の回答)。先輩社員の講義のほか、新人同士の議論や自分の考えを発表する場も設けている

 ある重機を会社から現場に運ぶ場合、何時に起床すれば間に合うか──。初歩的な時間計算問題だが、こうした計算を怠って訪問先に遅刻するミスは、どの業界の若手社員にも起こりがちだ。

 教材に掲載している例題には過去、実際に社内で起きた問題がいくつも含まれている。現場で使用する道具の使い方から、土木業界の仕組みまで幅広くカバーしており、仕事にそのまま使えるリアルさがこの教材の特徴だ。

社長のノートを教材に

 福澤直樹社長は「教材は、もともと私自身のメモをベースに作った」と言う。先代の父から、廃業するかもしれないと明かされた福澤社長は大学院を中退し、会社に飛び込む。ただ土木工事の知識はほとんどなかったため、先輩社員から聞いたことを全部、必死になってノートにメモした。

福澤社長は1965年生まれ。信州大学工学部卒業。同大学院を中退し、89年、父(現会長)が営むフクザワコーポレーションに入社。早くから経営に携わり、2015年社長に就任

 福澤社長の入社は1989年。その数年後から新卒採用を始めたが、当初は育成のノウハウが確立されておらず、退職者が続出したという。しかし、この教材を使った教育や、後で紹介する社内検定制度の導入により、次第に若手社員が定着するようになる。

「日経トップリーダー大学」第6期が始まります

 フクザワコーポーレーションの福澤直樹社長をはじめ、トップが月1回、計12人登壇し、自身の経験を通じて体得した経営の要諦を語る通年セミナー「日経トップリーダー大学」第6期が4月から始まります。

 今回は「より深く学び、より広く体験する」をテーマに掲げ、プログラムをリニューアルしました。トップの講演・質疑応答はもちろん、受講生同士のディスカッションや年4回の現場視察(企業訪問)の内容を充実させています。特に現場視察は、ジャパネットたかた前社長で現在、J1に昇格したV・ファーレン長崎の髙田明社長の講演、試合観戦など盛りだくさんの内容です。

 経営力を高め、景気の波などの外部環境に左右されない強い企業をつくりたいと真剣に考える中小企業経営者のための年間プログラムです。こちらの本講座の詳細をご覧の上、ぜひ参加をご検討ください。

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デーブ・スペクター 放送プロデューサー、コメンテーター