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北方 雅人(ほっぽう・まさと)

日経トップリーダー編集長

北方 雅人

1991年一橋大学社会学部卒業後、日経BP社に入社。日経ベンチャー(現日経トップリーダー)、日経レストランなど経営誌の編集部を経て、2010年より日経トップリーダー副編集長。17年1月より現職。中小企業経営のスペシャリスト。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

トップリーダーかく語りき

大戸屋現社長が語った「カリスマは神ではない」

2017年6月28日(水)

 6月28日、定食チェーン、大戸屋ホールディングスの株主総会が開催される。「日経トップリーダー」では、16年11月号で「創業家バトルの本質」と題した特集記事を掲載。その中で、大戸屋の窪田健一社長のインタビューを交え、大戸屋における創業家と経営陣の対立の根本的原因を解きほぐした。双方の不信はなぜ増幅したのか、それぞれの取材からポイントを探る(「大戸屋の三森智仁氏が語った内紛の内幕」も併せてお読みください)。

 この日のインタビューで、大戸屋ホールディングスの窪田健一社長は時折笑顔も見せた。聞き手は、1人。大勢の記者が集まる記者会見とはかかるプレッシャーも当然違うが、冒頭にこのように話したこともあっただろう。

 「創業家側と会社側のどちらが悪いとか、今日はそういうことを追及するつもりはない。なぜここまで対立が深刻化したのか。原因をこれ以上掘り下げられないというくらい、掘り下げたい。質問に答えてもらうというより、一緒に考える時間にしたい」

 取材時間は1時間15分。窪田社長は机に広げたノートに質問を一つひとつメモし、考えながら答えた。

 記者会見で質問をメモする社長はよくいるが、通常の取材でそうした行動をする社長はかなり珍しい。父親が教育者だったことも影響しているのか、折り目正しい面を備えているのだろう。

「焼き鳥屋事件」と「お骨事件」

大戸屋ホールティングスの窪田社長(写真:菊池一郎)

 大戸屋の創業者、三森久実氏(当時会長)が急逝したのは2015年7月。翌8月から、久実氏の長男三森智仁氏と、窪田社長ら会社側との対立が始まった。

 発端は、東京・阿佐ヶ谷の焼き鳥店での口論だ。ここは、久実氏が生前行きたがっていた店で、弔いの意味を込め、窪田社長と智仁氏を含む4人で食事会を開いた。当時の智仁氏の肩書は、常務取締役海外事業本部長。

 言い合いになった理由は、智仁氏によれば「窪田社長から(常務取締役海外事業本部長の任は)おまえには無理だ。反抗するなら、明日から会社に来なくていいと言われた」ことだとする。窪田社長は「早く社長になって父の遺志を継ぎたいという態度が強かったので、一から積み上げないと駄目だぞという話をした」。

 以降、2人の間には微妙な空気が流れる。さらにその翌月、社内で「お骨事件」と言われるひと悶着が起きた。久実氏の妻、三森三枝子氏が久実氏の遺骨を抱えて大戸屋本社を訪ね、窪田社長に詰め寄ったというものだ。

 智仁氏はこう説明する。

「私たちの自宅は、東京・三鷹の本社から車で10分の近さ。なのに窪田社長が線香すら上げに来なかったから母は怒り心頭だった。それで社長室に出向いた」

 12年に就任した窪田社長は、久実氏の母方のいとこ。久実氏が育て上げた会社の代表であり、親戚でもあるのに、葬儀が終わったら音沙汰もない──。それで三枝子氏は感情的になったようだ。

 こうしたトラブルの一つひとつが、会社側と創業家側との溝を深めていく。大戸屋の対立を振り返ると経営方針の対立はわずかで、多くは人間関係の問題である。

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