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森 一夫(もり・かずお)

ジャーナリスト

森 一夫

1950年東京都生まれ。72年早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞社入社、産業部、日経BP社日経ビジネス副編集長、編集委員兼論説委員、コロンビア大学東アジア研究所、日本経済経営研究所客員研究員、特別編集委員兼論説委員を歴任。日本経済新聞社社友。

◇主な著書
経営にカリスマはいらない 』(日本経済新聞出版社) 2008
中村邦夫―「幸之助神話」を壊した男』(日本経済新聞社) 2006
日本の経営』(日本経済新聞社) 2004

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

森一夫が見た リーダーシップの源泉

私が東芝の取締役会議長を引き受けたわけ

2015年10月22日(木)

 資生堂の元社長である前田新造相談役はこのほど、不正会計問題を起こした東芝の社外取締役に就任して取締役会議長になった。「これも宿命。社会への恩返し」と思って引き受けたと言う。企業風土を改めるために「経営者は耳障りな情報に積極的に耳を傾けよ」と促す。経営責任問題など、東芝再生の諸課題について聞いた。

(聞き手は、森一夫)

資生堂の前田新造相談役(写真:木内正隆、以下同)

難しい仕事ですね。なぜ引き受けたのですか。

前田新造(以下、前田):暑いころでした。社長の室町(正志)さんから「会いたい」との連絡がありまして、しかも1人でお出でになるという。丁度、東芝さんがコーポレート・ガバナンス(企業統治)を強化するために社外取締役を増やしたいとか、いろいろ新聞が報じていたので、ひょっとして、そういうお話かなと予感しました。

 室町さんは単刀直入に「社外取締役を引き受けていただきたい」と言われましたが、お断りしたのです。「私はその任にありません。資生堂の社長を2回やり、昨年6月に会長も退き、後継者にすべて任せて肩の荷が下りたところです。ご理解いただきたい」と申し上げました。

 最初から引き受ける気はありませんでしたが、お話を聞いて、室町さんは極めて厳しい状況で社長になって、相当な覚悟と並々ならぬ使命感でやっておられると感じました。最後に「1日でもいいですから、就任される方向で検討していただけないか」と言うので、「考えてみます」と、その場をいったん収めました。

68年生かされて、社会への恩返し

それで決めたわけですね。

前田:断るのは簡単ですが、帰宅して室町さんの顔を思い出しながら、どうしたものか思案しました。その時、私の好きな「宿命に生き、運命に挑み、使命に燃ゆ」という言葉が浮かびました。私ごときを社外取締役にと室町さんから要請されたのも運命かもしれない。この使命に燃えるのも私の宿命ではないのか。

 東芝さんが廃れたら日本にとっても大きなマイナスです。ガバナンスの欠点を露呈して、国際的にも日本企業を代表する東芝がどう立ち直るのか、注目されています。ならば、これも宿命と思い、運命に挑み、使命に燃えるのは、68年生かされてきて、社会への恩返しではないかと思い、翌日、「お引き受けします」と電話しました。

その時、取締役会議長も頼まれたのですか。

前田:いえ。10日くらいして、電話があったのです。今度は、何のことか分かりませんでした。また室町さんが来られて「まことに申し訳ないが、経営刷新委員会で前田さんに取締役会議長にということになりましたので、ぜひ引き受けてほしい」と言うのです。「それは絶対に受けられません。他の社外取締役の方がふさわしいと思います」と断りました。

 社外取締役候補の中で私が一番年下ですから、「私のような若輩にはできません」と説明しましたが、室町さんと長い時間、押し問答になりました。「どうしても断れませんか」。「とにかくやってください」。「しかし私が決めるわけにはいきません。他の社外取締役候補および前任の方々の総意であればお引き受けします」。それから1日置いて電話をいただき、みなさんの総意ということで、引き受けたのです。

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