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岩村 充(いわむら・みつる)

早稲田大学大学院商学研究科教授

岩村 充

1950年東京生まれ。東京大学経済学部卒業。日本銀行を経て98年より早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授。2007年、研究科統合により早稲田大学大学院商学研究科(早稲田大学ビジネスクール)教授。現在に至る。

◇主な著書
コーポレート・ファイナンス』(中央経済社) 2013
貨幣進化論』(新潮社) 2010
企業金融講義』(東洋経済新報社) 2005

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

MBA看板教授が読むビジネス潮流

日銀の異次元緩和は「一世一代の賭け」です

2013年6月17日(月)

 企業のビジネスを巡って日々流れるニュースの中には、今後の企業経営を一変させる大きな潮流が潜んでいる。その可能性を秘めた時事的な話題を毎月1つテーマとして取り上げ、国内有数のビジネススクールの看板教授たちが読み解き、新たなビジネス潮流を導き出していく。

 今月のテーマは、安倍晋三政権が推進する経済政策「アベノミクス」によって急激に進んだ円安。企業の輸出が回復し、業績の回復や雇用の拡大につながるといった理由から、円安を歓迎する声も多いが、果たして本当にそうなのか。円安が国内企業にもたらす真の影響について、国内ビジネススクールの教壇に立つ4人の論客たちに持論を披露してもらう。

 今回は前回に引き続き、日本銀行のOBである早稲田大学大学院商学研究科(早稲田大学ビジネススクール)の岩村充教授が、為替が大きく振れた原因を財政、金利などの状況から解説する。

(構成は小林 佳代=ライター/エディター)

 前回に、為替レートには時系列の中で連続的に変化していく「傾向」と、水準がポンと変わる「ジャンプ」とがあり、今回の円安はジャンプに当たると指摘しました。このように、水準が不連続に変動するジャンプは時々起きることがあります。今回はこのジャンプがどのような背景から起きたのかを考えてみましょう。

 1ドル=360円という固定相場制の時代から今に至るまでの円とドルの動きを長期的な為替レートで見てみます。円は傾向的に値を上げ、対照的にドルは値を下げ続けてきたことが分かります。為替レート変化率はだいたい3%前後です。

円ドル相場の推移

 実は、この3%という数字は、日米の金利差とほぼ一致しています。これは単なる偶然ではありません。逆に、一致しないとおかしいのです。例えば、円の為替レートがドルに対して傾向的に2%強くなるような時、米国の金利が日本の金利よりも基調的に2%ほどは高くないと、円を持っている方が一方的に有利になってしまうからです。

為替レートの変化率と日米金利差は一致する

 人々の為替レートについての変化率予想は金利差と一致しているはずです。金利が低い国の為替は徐々に切り上がっていく傾向があり、金利が高い国の為替は徐々に切り下がっていく傾向があります。結局のところ、金利は高くても安くても、それによる損得は為替レートに吸収されてしまうのです。

 現在、各国の政策金利はほぼゼロに近づき、ほとんど金利差がない状態です。そういう中では、傾向的なドル安、円安というのは生じにくく、ジャンプだけが起きやすくなります。

主要国政策金利の推移

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