• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

税所 篤快(さいしょ・あつよし)

国際教育支援NGO「e-Education」創業者

税所 篤快

国際教育支援NGO「e-Education」創業者。ロンドン大学教育研究所(IOE)修士課程在籍。1989年生まれ。東京都足立区出身。2009年、失恋と一冊の本をきっかけにバングラデシュに渡り、同国初の映像授業「e-Education Project」を立ち上げる。4年連続で貧困地域の高校生を国内最高峰ダッカ大学に入学させる。2014年世界銀行本部(ワシントン)イノベーションコンペティション最優秀賞を受賞し、現在バングラデシュ教育省と連携し同国全土への拡大を目指している。仲間たちと五大陸での教育革命を掲げ、7カ国で活動中。早稲田大学を7年かけて卒業、アフリカの未承認国家ソマリランドに活動を広げている。

◇主な著書
『前へ!前へ!前へ!』(木楽舎) 2011
『最高の教室を世界の果てまで届けよう』(飛鳥新社) 2013

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

五大陸シリーズ開始から2年目。いよいよ2013年、四大陸目であるヨーロッパ大陸に上陸。ターゲットはヨーロッパ最貧の「ジプシー」たち。ホロコーストの影で虐殺された声なき声は今も社会の底辺に響いている。ハンガリー人の心強いパートナーたちとイノベーションに挑む。1500キロ離れたインドネシア、ミャンマー、フィリピンでは新しい仲間たちがプロジェクトを始動させた。創業の地バングラデシュでは元祖パートナーのマヒンが4年目の挑戦だ。

プロジェクトの始動から4年目を迎える。実績と技のレパートリーが増えることで新しい出会いから信頼の獲得へスピードが上がってきた。バングラデシュの「元祖高校3年生向け最難関大学突破コンテンツ」、ヨルダンの「難民キャンプ女子生徒限定数学スペシャルセット」、ルワンダの「農村部限定、科学実験コンテンツ」、さらに「マニラ、フィリピン大学突破1ヶ月パッケージ」、極めつけはガザの「学習障害集中メソッドアラビア語バージョン(教職員向け)」などだ。このようなバリエーションを用意すると驚いたことに新天地ハンガリーでは「うちの国ではバングラモデルより、ガザモデルで頼む」という依頼のされ方が現れた 笑

バングラの“ドラゴン桜”英国へ

世界の果てまで回って分かった日本の魅力と課題

2015年7月30日(木)

ソマリランド大学院を遠隔で運営しながらロンドン大学院に通う税所篤快さん。教育先進国オランダではe-Educationの活動が完全に否定されるという憂き目に。ロンドンに戻った税所さんは同級生たちとオランダでの気づきを共有しました(前回の記事はこちらをご覧ください。

「それでアツ、ちゃんと反論したんだろうね?」

韓国人のサンフンが聞きます。

「え?」

「だってそれじゃあアツその女性にやられっぱなしじゃない。あなたの活動はとっても意味があるものよ。それを反論しなかったの?」

レバノン人のラグダが追い打ちをかけます。

「そのときは面食らってしまって言葉が出なかったんだよ……」

「そんな~!こんなときのために私たちはクラスでディスカッションの訓練をしてるんじゃない……」

まさに同級生の言う通りでした。僕は女史にすぐさま反論すべきでした。

「バングラデシュの教育環境では基礎すらまだ不十分。だから、個性重視なんかよりもDVD授業のような効率的な方法で基礎作りからすることが大事なんだ」とか、「オランダみたいにすべてが揃ってるわけじゃないんです!現場を見て、まず自分たちでできることを考えたんです」と反論することもできたでしょう。

でも反論できませんでした

 しかし、僕にはできませんでした。

 というのは、女史が本質的な問題提起を僕にしているような気がしてならなかったのです。

 冬の寒い2月のロンドンで、僕は街中を歩き回りビッグベンを毎日眺めながら考えていました。

 イギリスが誇る名門UCLの教育研究所ライブラリーには世界中の文献が眠っています。僕はそこで漁るように文献を読み続けつつ、今までの僕たちの活動の本質的な意味を考えました。

ロンドン大学院の図書館

 バングラデシュ版ドラゴン桜を立ち上げた2010年、五大陸ドラゴン桜を掲げバングラデシュから中東に打って出たのが12年。このドラゴン桜シリーズも5年間の月日が経っています。

 ある日、ノーベル賞受賞者のアマルティア・セン博士がロンドン大学で講演しました。国際開発教育を学ぶ僕たちにとって「潜在能力アプローチ」や「人間の安全保障」というコンセプトを考案したセン博士はヒーローです。彼の講演で改めて「人間の持っている可能性を最大限に生かすための教育」という話を聞き、今まで考えてきたことが一気につながりました。

 確かにオランダの女史は正しかったのです。

「eラーニングに、現地のリーダー、そしてe-Educationの日本人メンバー、この三者が結びついたからこそイノベーションが起きたんだ!」

続きを読む

著者記事一覧

もっと見る

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

本当の問題は労務費ではありません。 熟練技能を持つ職人さんが 少なくなっていることです。

押味 至一 鹿島社長