• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

瀧口 範子(たきぐち・のりこ)

フリー・ジャーナリスト

瀧口 範子

上智大学外国語学部ドイツ語学科卒業。フルブライト奨学金(ジャーナリスト・プログラム)を得て、1996年から2年間、スタンフォード大学コンピュータサイエンス学部にて客員研究員。当時盛り上がりを見せていたシリコンバレー・テクノロジー産業のダイナミズムに魅了される。現在、シリコンバレー在住。テクノロジー、ビジネスの他、社会、文化、時事問題など、幅広く取材。ネットと社会の変貌も追い続けているテーマ。他方、建築やデザインも大きな関心の対象。

◇主な著書
行動主義:レム・コールハース ドキュメント』(TOTO出版) 2004
にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(TOTO出版) 2006
なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?』(プレジデント社) 2008

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

最近、ロボット関連の情報サイト(robonews.net)を始めました。まだベータ版で、これから整えていく予定です。シリコンバレーは、IT、インターネットに次いで、全米有数のロボット集積地になりつつあります。モノのかたちをとるロボット開発は、これまでのインターネット・サービス開発とは、まったく異なった雰囲気で、ものづくりの匂いがムンムン。どこか懐かしい空気でもあります。

シリコンバレーNext

失墜したセラノスが見せる驚きのしぶとさ

2017年5月13日(土)

 しばらく忘れていた名前が、また最近世間を騒がせている。指先から採取した数滴の血液で検査ができるとうたった技術がイカサマであると判明し、評判が地に落ちた米セラノス(Theranos)だ。いまだに生き残っているしぶとさが驚きを集めている。

写真●シリコンバレーにある米セラノスの本社
撮影:中田 敦
[画像のクリックで拡大表示]

 セラノスはわずか数滴の血液でこれまで同様の検査ができるテクノロジーを開発したとして注目を浴び、推定企業評価額は一時90億ドルにも上った。創業は2004年。スタンフォード大学を中退した若い創業者のエリザベス・ホームズは、「女性版スティーブ・ジョブズ」と呼ばれるほどだったが、そのテクノロジーがイカサマだとされて、2016年夏に医療保険当局によって臨床検査の免許を取り消された。

医療保健当局と和解にこぎ着ける

 最近同社が取り沙汰されているのは、医療保険当局との和解にこぎ着けたからだ。さらに何と言っても驚きなのは、同社がまだ生き残っていたことと、ビジネスモデルを変えてこれから蘇ろうとしていることである。

 先ごろ同社が和解した相手は、連邦機関のメディケア&メディケイド・サービスセンター(CMS)。臨床検査ラボの運営には、CMSの認可が必要だった。今回の和解でセラノスは、罰金の減額を受けるのと引き換えに、2年間にわたるラボ運営の停止を受け入れることになった。CMSはセラノスに対して規制違反を訴えていたのだが、同社はそこから自由になったわけだ。

 セラノスは一時、大手ドラッグストア・チェーンの「ウォルグリーンズ(Walgreens)」を顧客として、全米数十カ所に血液検査の窓口を開設していたが、その提携は既に解消されている。セラノス社自身の3カ所のラボも閉鎖され、社員も大幅にレイオフした。

 しかし先だって明らかになったのは、自社で検査ラボを運営するのではなく、小型検査機器「ミニラボ」を医師や病院に売るという、同社の新しいビジネスモデルである。そのたくましさに、誰もが不意を突かれているところだろう。

 同社はCMSとの和解でトラブルからすっかり解放されたわけではない。ウォルグリーンズを始め、同社に投資した投資会社からの訴訟や、犯罪捜査、民事調査は免れない。

 そうした中で、ホームズCEO(最高経営責任者)は自分が保有する同社株を一部投資家に譲って、訴訟をくい止めようとしたといった噂が面白おかしく伝えられている。同社は、シリコンバレーの輝かしいスタートアップの凋落のストーリーとして格好の主役になっているのだ。

 セラノスの偽りの栄光と転落には、多くの教訓が込められている。

続きを読む

著者記事一覧

もっと見る

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

本当の問題は労務費ではありません。 熟練技能を持つ職人さんが 少なくなっていることです。

押味 至一 鹿島社長