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金子 憲治(かねこ・けんじ)

日経BPクリーンテック研究所主任研究員

金子 憲治

世界のスマートシティにおける事業・サービス調査に従事した。2012年3月まで、約10年間にわたって「日経エコロジー」編集部に在籍し、環境・エネルギー分野における豊富な知識と取材経験、執筆実績を持つ。特にエネルギー分野では再生可能エネルギーを中心に、幅広い人脈ネットワークを築いている。日本や日本企業がエネルギー問題にどのように取り組むべきかという指針を示す講演活動を活発に行う。スマートコミュニティアライアンスの業務や情報発信プロジェクトなどを支援する。<専門領域>エネルギー、先端技術、社会インフラ

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

世界608プロジェクトから見えた「未来のまちづくり」

エネルギー制御だけではないスマートグリッドの可能性

2013年9月30日(月)

 「再生可能エネルギーの最大限の利用」がエネルギー政策の主流になってきた。国内でも太陽光発電の設備認定は2000万kWを超え、スマートグリッドによる需給バランスの必要性が顕在化してきた。スマートグリッドのICT(情報通信技術)基盤は、エネルギー分野の枠を超え、交通システムなどと連携して、街全体を最適に管理する可能性がある。エネルギー政策のパラダイムシフトは、地域性を加味しつつ、発想次第で分野横断的な様々なビジネスチャンスを生むことになる。

 メガソーラー(大規模太陽光発電所)が続々と国内で稼働し始めた。9月初旬に経済産業省が発表した集計によれば、2013年5月末時点で、FIT(フィード・イン・タリフ)制度の買い取り対象として認定された再生可能エネルギー発電設備は、実に2237万kWに達する。このうち2091万kWが太陽光発電システムだ。この出力容量を単純に原子力発電所と比べると、約20基分に匹敵する膨大な規模になる。

火力発電所を背に稼働を始めたメガソーラー(大分県)
再生可能エネルギー発電設備の導入状況(単位万kW)
注:太陽光発電の住宅は10kW未満、非住宅は10kW以上
出所:経済産業省の資料をもとに日経BPクリーンテック研究所が作成

 設備認定された太陽光発電のなかには、土地の利用について確定していない案件も多く、実際に稼働まで行き着くのは半分程度との見方もある。また、そもそも太陽光発電の国内での設備利用率(定格出力でフル稼働した場合と比べた実際の発電量)は約12%なので、同70%(東日本大震災前)の原発とは単純に比較できない。ただ、そうした条件を加味しても、いずれ太陽光発電で原発数基分の電力を生み出すことになる。

 原発の再稼働が不透明な中での太陽光発電所の急増は、変貌するエネルギービジネスを象徴している。そして、再生可能エネルギーの大量導入は、単なる再エネビジネスだけでなく、スマートグリッドの必要性を高め、ICTを基盤にエネルギーの枠を超えた新たなビジネスを生む可能性がある。

3.11後新たに加わった3つの視点

 太陽光発電の普及加速に関しては、FITの高い買い取り価格による一過性のブームとの見方もある。だが、すでにエネルギー政策のパラダイムシフトが起こっており、需要の浮き沈みはあるものの、長期的には後戻りできないと考えるのが妥当だ。

 これまでエネルギー政策の基本は、「安全保障(セキュリティ)」「経済性」「環境性」の3つの視点が重要とされてきた。東日本大震災による原発事故、長期的な停電を経験したことによって、日本ではこれに加え3つの視点が新たに重視されることになった。

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