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加藤 秀樹(かとう・ひでき)

構想日本 代表

加藤 秀樹

大蔵省(現・財務省)を退官後、日本に真に必要な政策を「民」の立場から立案、提言そして実現するため、政策シンクタンク構想日本を1997年4月に設立。省庁設置法改正をかわきりに、国、自治体のバランスシート導入、道路公団民営化、事業仕分け、教育行政改革など、縦横無尽の射程から日本の変革をめざす。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ニュースを斬る

若者を政治から遮断する公選法、ネット選挙解禁で浮き彫りに

2013年7月19日(金)

 ネット選挙が今回の参議院選挙から解禁になった。盛りあがりに欠けるという声はあるものの、ウェブサイトなどを使って候補者や政党、選挙に関する情報が流せ、有権者がSNSを使ってフォローできるようになったことは大きい一歩だと思う。

 ネット選挙そのものの効果や課題は一度の選挙だけで云々できないと思う。だが、ネット選挙解禁によって、より一層はっきりすると思われるのは、公職選挙法(以下公選法)が細かく定めている現在の選挙のやり方そのものが見直すべきときに来ていることだろう。

メールはOK、プリントはダメ

 日本の公選法は「選挙運動」と「政治活動」を峻別している。その境界線が公示日だ。多くの国では選挙というと投票日が決められるだけで、公示日を決めてその日から選挙戦スタートという国は、実は珍しい。

 つまり、公示日と投票日の間が選挙期間、その間に行うのが選挙運動、それについて細かい決まりを法律で定めているというのは、少なくともいわゆる先進国の中では珍しいということだ。

 政治活動に関しては特別な決まりはない。選挙期間中を除けば、議員でも、有権者でも、演説をしたりビラを配ったり自由にできる。ネット上でももちろん同様だ。

 ところが選挙運動になると、一気にいろんな制約がかかる。例えば、配付できるビラやポスターについて、参院比例代表の場合、ハガキ15万枚、ビラ25万枚、ポスター7万枚まで、ビラの大きさは29.7cm×21cm以内、ポスターは273cm×73cm以内などと細かい規定が並ぶ。今や日常生活ではあまり縁のない「ちょうちん」が主要な選挙道具として、数や高さまで決められているのはご愛嬌か。

 ところが今回のネット選挙解禁でビラのPDF版のホームページアップや、登録されている人へ電子メールで送ることができるようになった。そうなると印刷物の枚数制限は無意味になる。他方で、ネット上の主張などをプリントアウトして配ると法律違反になる。常識では首をかしげざるを得ない公選法のアンバランスな規定を、ネット選挙解禁が浮き彫りにしたのは確かだろう。

 いわゆる「戸別訪問」も、公示日の前に政治活動として行うのは自由だし、政治家の最も大事な活動の1つだ。大部分の国では、戸別訪問は政治家と有権者が直接対話できる最も有効な政治・選挙活動とみなされている。ところが日本では、公示日以後は一切禁止される。

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